【第1回】減価償却の概要が知りたい。


マンション投資で節税効果とは言うけれど…

 第1回は減価償却の仕組みについてです。キャピタルゲインを謳い文句に営業ができなくなった今、業界では節税推しの営業トークが増えているのが現状です。
減価償却と実際の減価償却による節税効果では意味合いが異なり、お話ししたお客様方の7割以上の方は詳しい内容をご存じありませんでした。要点を押さえれば5分で読み切れる程度なので、お楽しみください。

ローン完済まで節税できる?

築8年で換算すると、節税効果は「8年が目安」です。9年目はほぼないものと思ってください。
「減価償却」とは、耐用年数に応じて購入時の建物費用を分割して経費算入できるという制度です。
「減価償却による節税効果」とは、減価償却+その他経費によって不動産所得(賃料×12カ月分から全経費を引いた金額)をマイナスにし、給与所得と「損益通算」して所得税の還付と住民税の軽減を受けることです。つまり、不動産所得がマイナスにならなければ節税できません。そしてこの”経費の部分が自腹にならないからお得”ということです。
大事なことなのでもう一度、「不動産所得がマイナスにならないと節税できない。」

 ロジックを解説します。償却するモノによって、償却年数は決められています。画像にある建物価格1200万円の物件例だと
躯体(40年):設備(8年):備品(2年)
=65%:25%:10%(概ねの割合)
=780万:300万:120万(単位:円)
となり、各年数で割って1年あたりの減価償却金額を算定します。
建物価格1200万円、築8年の物件

【1年目】
780万÷40年=19.5万円
300万÷8年=37.5万円
120万÷2年=60万円
計 1,170,000円

【3年目】
780万÷40年=19.5万円
300万÷8年=37.5万円
(備品の減価償却は2年)
計 570,000円

皆さんならもうお判りでしょう。”2年で60万円の経費計上が終わり、8年で設備の経費計上が終わる。”つまり残りの31年間は19.5万円のみの経費計上。賃料が月額10万円なら、年間の不動産収入が120万円。「損益通算」で損金を計上するためには、年間120万円以上の経費が必要になります。その他の経費計上できる科目については別投稿でご案内しますが、9年目に建物の減価償却費用のみの経費計上となると大抵年間総収支がプラスになります。損益通算してもマイナスにならないので、当然節税効果はありません。
これが不動産節税効果の中身です。最終的に手元に残る資産から見れば、あくまでもおまけですね。

節税効果はマンション投資のおまけです。