といった悩みにお答えします。
本記事の内容
- マンションを現金で一括購入する人は「5人に1人」
- マンションを一括で購入するメリット3つ
- マンションを一括で購入するデメリット3つ
- マンション一括購入と住宅ローン購入の違いを比較
- マンションを一括購入するときの注意点と対処法
マンションを購入する場合、できれば住宅ローンを利用せずに現金一括で購入したいと考えている人が大多数ではないでしょうか?
しかし、多くの人は住宅ローンを利用してマンションを購入しているように感じますが、どのくらいの人が現金一括で購入しているか気になるところです。
また、マンションなどの不動産はローンを組んで購入した方がいいとの声も聞こえます。
現金一括購入にはどのようなメリットがあり、注意点など住宅ローンと比較すると実際にお得なのでしょうか?
この記事では、現金一括購入でマンションを購入した場合のメリットやデメリットについて解説します。
ぜひ参考にしてください。
マンションを現金で一括購入する人は「5人に1人」
結論からお伝えすると、5人に1人がマンションを現金で一括購入しています。
つまり20%程度が現金一括で購入しているということになります。
考えてみると、マンションの価格は、新築だと何千万単位の買い物です。
中古マンションだとしても、安くて何百万円もの費用がかかります。
そこまでの貯蓄がある人は、ほとんどおらず、頭金ですら貯金するのが大変といった声もよく耳にします。
また、わが国の住宅ローン金利における推移を見てみましょう。
住宅ローンにおける金利水準は低下傾向で推移しており変動金利においては史上最低金利のまま推移しています。
金利が低いということは、マンション購入者にとって経済的に大きなメリットです。
金利が安いという点も住宅ローン利用者が多い理由の一つといえます。
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マンションを一括購入するメリットはなに?
わが国における住宅購入者は、住宅ローンを利用していることが多いということがわかりました。
では、現金一括で購入する人にはどのようなメリットがあるか知りたいところです。
ここからは、現金一括購入のメリットについて考えてみましょう。
総支払額で大きく違いが出る
まず、最も大きなメリットとして、総支払額に大きな差が出るという点です。
金利が安いといっても、住宅ローンを利用する場合、返済金には金利が上乗せされています。
しかも、住宅ローンは、何十年単位での借り入れによる返済です。
ここで、事例を挙げてどのくらい支払額が変わるのかを見てみます。
住宅ローン2,000万円借り入れした場合の総返済金額を金利や返済期間に変化をつけてまとめました。(すべて元利均等方式)
住宅ローン借入金 | 固定金利 | 返済期間 | 総支払額 |
2,000万円 | 1.0% | 25年 | 2,261万円 |
2,000万円 | 1.0% | 35年 | 2,371万円 |
2,000万円 | 1.5% | 25年 | 2,400万円 |
2,000万円 | 1.5% | 35年 | 2,571万円 |
現金一括であれば2,000万円の支払いで済みますが、住宅ローンを利用することで上記表によると、最大で570万円も余計に支払うことになります。
金利が高く返済期間が長い程、総支払額が高くなりますので、圧倒的にコストの面においては、現金一括が有利です。
諸費用もかからなくなる
住宅ローンを利用する場合は、諸手続きに費用がかかる点も挙げられます。
住宅ローンにかかる諸費用とは以下のような費用です。
- 融資の手数料
- ローン保証料
- 団体信用生命保険料
住宅ローンを利用する場合、これらの諸費用がかかります。
融資手数料は、住宅ローンを利用するときに金融機関へ支払う手数料です。
融資額にもよりますが、およそ3万円~5万円程度の費用も見込んでおく必要があります。
ローン保証料とは、住宅ローン契約を締結する場合、保証会社と保証契約を交わす費用です。
万が一、住宅ローンの契約者が住宅ローンを支払えなくなった債務不履行状態になった場合に、保証会社から金融機関に債務が支払われます。
住宅ローン契約者は債務がなくなるわけではなく、請求されるのが金融機関から保証会社に代わるだけです。
しかし、金融機関が回収不能にならないために保証契約を交わさなければいけません。
金額は支払い方式や融資額によって大きく異なります。
団体信用生命保険料とは、住宅ローンの支払い中に住宅ローン契約者が亡くなった場合などに残りの債務を保険金によって支払うことができる保険です。
近年では、住宅ローンの中に組み込んであるので費用がかからないケースもあります。
しかし、3大疾病特約やがん特約(3大疾病やがんになった場合も保険で支払われる)に加入すると金利上乗せや別途費用がかかることが多いです。
これらの費用が別途かかりますが、現金一括だとこれらの費用がかかりません。
費用面におけるさらなるメリットといえるでしょう。
早く購入しやすい
住宅ローンを利用する場合、申し込みや仮審査、契約後の本審査など、住宅ローンが通るまでにおよそ1か月程度の日数がかかります。
現金一括の場合は、これらの諸手続きが必要ありませんので、すぐに購入して住むことも可能です。
日数的な手間が省ける点も大きなメリットといえるでしょう。
マンションの一括購入するデメリットはなに?
支払いの面において現金一括は大きなメリットがあることがわかります。
では、デメリットはないのでしょうか?
マンション購入を現金一括で行った場合のデメリットについて見てみましょう。
住宅ローン控除を受けることができない
住宅ローンを利用してマンションを購入した場合、金利負担により総支払額が多くなると述べました。
しかし、住宅ローン利用者が非常に多い現状から、減税措置によって、少しでも負担を和らげるような措置が取られています。
それが住宅ローン減税です。
10年以上のローン期間がある場合が対象となり、他にもさまざまな要件はありますが、要件を満たすことにより住宅ローンの減税措置を受けることができます。
年末の住宅ローン残高か、取得価格の低い方に対し1%が所得税から控除されるという制度です。
1年で終わるのではなく10年間住宅ローン減税を利用でき、消費税10%になった一定期間内にマンションを購入した場合は、13年間に延長されます。
所得税で控除できなかった部分は、住民税で控除できる点からも、非常に有効的に利用できる減税制度です。
しかし、住宅ローン減税の軽減措置を受けることができるのは、住宅ローンの利用者だけですので、現金一括購入した場合は、この恩恵を受けることはできません。
資金が潤沢にある場合は、現金一括でも問題はありません。
しかし、限られた資金の中で無理して現金一括購入するよりも、軽減措置などにより大きな負担にならない範囲でマンションを購入することも可能です。
現金一括購入のデメリットとして挙げることができるでしょう。
税務調査の可能性がある
現金一括購入した場合、税務調査が入る場合があります。
- 副業など、別所得があり納税していなかった。
- 贈与による資金提供を申告していなかった
などを税務署が疑います。
マンションを現金一括で購入できる所得がある場合や、贈与があったことをきちんと申告していると大きな問題はありません。
しかし、現在の所得に対して、購入金額が多かった場合など、不明瞭なマンション購入の流れを疑われてしまいます。
特に、問題はないとしても税務署からの連絡や対応などはストレスとなってしまうでしょう。
これも現金一括購入のデメリットといえます。
貯金が大幅に減少する、若しくはなくなる
コツコツと貯めたマンション資金ですが、現金一括購入となると資金を一気に吐き出すことになります。
一時的とはいえ、貯金が大幅に減少してしまう、若しくはなくなってしまうと、やはり不安に感じることもあるでしょう。
一気に貯金を吐き出すよりも、頭金を余分に入れて、住宅ローンの負担額を少なくする方法も考えられます。
マンション購入後に貯金が全くないことのストレスを感じる場合は、無理して現金一括購入をする必要はないかもしれません。
現金一括購入したがためにストレスに感じてしまうこともデメリットの一つです。
マンションの一括購入と住宅ローンを購入までの流れで比較
マンションを現金一括で購入する場合と住宅ローンを利用した場合では、購入までの流れが大きく異なります。
また、マンション購入における必要な書類や諸費用などにも違いがみられるのです。
ここからは、マンションを現金一括購入した場合と住宅ローンを利用した場合
- 手続きの違い。
- 集める書類の違い。
- かかる諸費用の違い。
これらについて詳しく解説します。
それぞれ購入までの流れ
住宅ローンを利用してマンションを購入しようと考えている場合、まずは住宅ローンの審査に通らなければいけません。
住宅ローンの申込みから審査までいくつかの手順を踏まなければいけませんので、現金一括購入より時間がかかります。
それでは購入までの流れについて双方を比較してみましょう
まずは住宅ローンを利用してのマンション購入はこのような手順で行われます。
住宅ローンを使用した場合
- マンション購入の申込み
- 住宅ローンの申込み
- 住宅ローンの仮審査
- マンションの売買契約
- 住宅ローン本審査
- 住宅ローンの承認
- 引き渡しと融資実行
このような段階をふまえてマンションを購入します。
住宅ローンの申込みから、マンションの引き渡しまでおよそ1か月程度を見ておく必要があるでしょう。
これに対して現金一括購入の場合、手順は以下の通りです。
現金一括購入の場合
- マンション購入の申込み
- マンションの売買契約
- 引き渡し
これだけでマンションの購入ができます。
当然ですが、住宅ローンを利用したマンション購入よりもスピーディーに購入できるので、1ヶ月以内の入居も全く問題ありません。
集める書類の違い比較
集める書類も現金一括購入と住宅ローンでは大きく異なります。
住宅ローンを利用してマンションを購入した場合、集める書類は主にこのような書類があります。
- 住民票
- 身分証明書(免許証など顔写真付き)
- 印鑑(実印、銀行員、認印)
- 通帳
- 収入証明書(所得証明書や源泉徴収票)
- マンションの資料
- 金融機関から指定があった書類
住宅ローンの審査に必要な書類と、マンションを購入するにおいて所有権の登記などに必要な書類を集める必要があります。
現金一括購入の場合は、住宅ローン関係の書類を集める必要がありません。
主に必要な書類は下記の通りです。
- 住民票
- 身分証明書(免許証など顔写真付き)
- 印鑑(認印と銀行員)
- 通帳
マンションの購入にかかる書類や登記の書類だけの準備で済みますので、当然住宅ローンより、集める書類は少なくすみます。
費用な書類の数においても現金一括購入は、住宅ローン利用と比較して、手間が少ないといえるでしょう。
かかる諸費用の違い
マンションを購入する場合は購入金額だけではありません。
他にもいくつか諸費用がかかります。
住宅ローンと、現金一括において購入以外の部分の諸費用を見てみましょう。
まずはマンション購入において住宅ローンを利用した場合の諸費用は
- 融資事務手数料
- 保証会社加入料
- 団体信用生命保険料
- 登記に関する費用
- 火災保険料
これらが挙げられます。
同じように現金一括購入した場合の諸費用に関しては、
- 登記費用
- 火災保険料
のみがかかる諸費用です。
住宅ローンを利用する場合、いくつかの諸費用を支払わねばならず、現金一括購入よりも金利負担以外に諸費用を払わなければいけません。
諸費用においても現金一括購入にメリットがあることが分かります。
マンションを一括購入するときの注意点回避法
マンションを現金一括購入した場合のデメリットについていくつが解説しました。
ここからは、マンションを現金一括購入した場合の注意点を回避する方法について解説します。
住宅ローンの減税も含めてどちらがメリットがあるかを分析する
現金一括購入の最大のメリットは金額的に現金一括の方が、総支払額が少なくなる点です。
かかる諸費用などを比較しても、現金一括の方がかかる費用は少なくすみますので、経済的には現金一括の方が非常に有利といえます。
しかし、住宅ローンは、住宅ローン減税によって、金利負担分を補うことが可能です。
また、現金一括購入でマンションを購入した場合、に蓄えた資金が一気に減ってしまい不安だと感じる人も多いでしょう。
住宅ローン減税を利用できたとしても、金銭面においては現金一括購入の方が有利になる方が多いのは間違いありません。
住宅ローン減税も踏まえた上で自分にとってメリットがあるのはどちらなのかをよく分析する必要があるでしょう。
きちんと確定申告し、税金の未払いを防ぐ
もし贈与などにより資金を得ている場合などは必ず確定申告などで納税しておかなければいけません。
マンションを現金一括購入するだけの所得を得ていないのにマンションを一括購入すると税務調査が入る可能性があります。
そこで、贈与などが分かってしまうと、余計な税金がかかることにもなりかねません。
マンションを購入する前に、納税漏れの項目などがないかをしっかりと確認し、確定申告などを用いて納税しましょう。
維持管理費にどれくらいかかるのかも購入前に調査する。
貯金を全て使い果たし現金一括購入でマンションを購入した場合、維持管理などの費用が足りなくなる可能性があります。
新築マンションの場合は、購入して間もなく修繕などの可能性は低いでしょう。
しかし中古マンションの場合は、突然の故障や維持管理に対する費用が突然掛かる可能性があります。
現金一括でマンションを購入し、貯金を全て使い果たしてしまうと維持管理の費用に対応できない場合があるかもしれません。
維持管理の費用をある程度確保しておき、その上で、現金一括で購入できるかどうかの判断をすることをおすすめします。
まとめ
マンションを一括購入する人はあまり多くなく20%程度が現金一括でマンションを購入しています。
住宅ローンの利用者が多いのが圧倒的な現状です。
しかし、マンション一括購入にはさまざまなメリットがあり、最も大きなメリットは、費用が圧倒的に少なくなる点です。
しかし、住宅ローン現在が使えなくなるといった注意点などもあるので、現金一括購入のメリットやデメリットをよく理解して住宅ローンを利用してマンションを購入するか現金一括にするかを検討しましょう。
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この記事を書いた人
資格:宅建・FP2級・通関士・総合旅行業務取扱管理者
大学生の時に一人旅に目覚め、海外50か国以上を訪れました。その経験を武器に新卒で旅行会社に入社しましたが、入社数年で倒産という憂き目にあってしまいます。悔しさをバネに宅建・通関士・FP資格を無職期間の4年でゲット!現在は不動産会社の窓口勤務ですが、コロナ渦で週休4日ペースが続いているため、新しい資格取得に向けて日々奮闘中です。趣味はペット。特技は英会話。
清水みちよ
30代女性