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不動産投資用マンションに住むことはできるの?投資用マンションに住む問題点と併せて解説

不動産の投資用で買ったマンションに住むことってできるのでしょうか?何か問題点などありますか?

といった悩みにお答えします。

本記事の内容

  • 不動産投資用に購入したマンションに住むことはできる?
  • 投資用マンションに住む際のローンに関する問題点
  • 投資用マンションに住む際のその他4つの問題点
  • 投資用マンションに自分で住む2つのパターン

老後の備えや収入源の確保のため、不動産投資を始める人が多くなってきました。

その中で不動産投資用に購入したマンションに自分で住みたいと考える人がいるかもしれません。

また自分で住む場合の問題点について、気になっている人も多いことでしょう。

この記事では投資用に購入したマンションに自分で住むことができるのか。

また、その場合の問題点について詳しく解説していきます。

自己居住用で購入したマンションを賃貸に出す場合についても説明しますので、購入後に用途変更を考えている人はぜひ内容を確認してみてください。

これから不動産投資を始めるという方は、以下の記事をご覧ください。

【初心者向け】不動産投資の始め方!7つのステップで徹底解説!

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不動産投資用に購入したマンションに住むことはできる?

不動産投資用に購入したマンションに住むことはできる?

本来であれば、不動産投資を行う際には家賃収入を得るために、購入者以外の人が入居者となることが一般的です。

しかし、不動産投資用に購入したマンションに自分で住むことはできるのでしょうか。

結論からお伝えすると、「自分で住むことは可能」ですが、あまりおすすめはできません。

不動産投資用に購入したマンションに自分が住むことは、メリットはほとんどないにも関わらず、様々な問題があるため、自分で住む際には注意が必要です。

それでは、自分で住むことの問題点を下記の内容に分けて具体的に説明します。

  • ローンの問題
  • 家賃収入の問題
  • 入居者の問題
  • 経費計上の問題
  • 性能の問題

投資用マンションに住む際のローンに関する問題点

投資用マンションに住む際のローンに関する問題点

まず、投資用マンションに自分が住む場合にはローンに関して注意が必要です。

マンション購入時のローンには使用用途によって下記の2種類のローンが利用可能です。

  • 不動産投資ローン(使用用途:事業用)
  • 住宅ローン(使用用途:自己居住用)

物件を購入する際に不動産投資ローンを利用していない場合や、ローンを完済している場合には、投資用マンションに自分が住んでも大きな問題はないでしょう。

ただし、不動産投資ローンを活用する場合には下記の内容に注意が必要です。

  1. 不動産投資ローンは住宅ローンより金利が高い
  2. 契約違反で一括返済を求められる可能性がある
  3. 住宅ローンへの借り換えはハードルが高い

その①:不動産投資ローンは住宅ローンより金利が高い

マンションを購入する際には、投資用や居住用に関わらず、ほとんどの人が金融機関から融資を受けてマンションを購入します。

物件の使用用途が事業用である不動産投資ローンは、自己居住用である住宅ローンよりも金利が高く設定されており、融資額も大きいことが一般的です。

そのため、自己居住であるにも関わらず、不動産投資ローンを組んだまま住んでいると、住宅ローンに比べて高い金利を支払い続ける必要があります。

住宅ローンは不動産投資ローンと比べて良い条件で融資を受けることができますが、住宅ローンで事業用の物件を購入することはできない点に注意が必要です。

不動産投資ローンの金利については、不動産投資ローンの金利相場や低金利で融資を受けるポイントなど徹底解説で詳しく解説しています。

不動産投資ローンの金利相場や低金利で融資を受けるポイントなど徹底解説

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その②:契約違反で一括返済を求められる可能性がある

そもそも、不動産投資ローンは事業用物件の購入のための融資であるため、物件を第三者に貸し出して家賃収入を得ることを目的としており、購入者が住むことを前提としていません。

そのため、自己居住していることが金融機関に分かると、契約違反として融資の残高を一括返済するように求められる場合があります。

不動産投資ローンで購入した物件に自分で住むにはローン契約上の問題があり、「投資用」という目的を「居住用」に変更できれば良いですが、実際には変更できない場合が多いため、注意が必要です。

また不動産投資ローンは家賃収入があることを前提に融資しているため、自分で住むとなると収益性が非常に厳しくなる可能性があります。

まずは金融機関に相談することが大切です。

その③:住宅ローンへの借り換えはハードルが高い

金利が高い不動産投資ローンから、金利が低い住宅ローンへと借り換えをしたいと考える方も多いでしょうが、住宅ローンへの借り換えは簡単ではありません。

例えば、住宅ローンの審査項目に「最低面積」が設けている金融機関もあり、その場合は面積の小さいワンルームマンションだと、そもそも住宅ローンを組むことができません。

投資用マンションは単身者をターゲットとした狭めのワンルームマンションも多いため注意しましょう。

また、不動産投資ローンでは購入物件の収益性も融資の際に審査されており、物件の評価によっては住宅ローンでは融資を受けられないような大きな金額の融資が行われている場合もあります。

自己居住となると家賃収入は無くなるため、返済原資は借入者の給与となり、住宅ローンへ借り換えをする際には借入者の属性のみで審査されるため、住宅ローンでは融資額が不足する可能性があります。

属性とは年収や勤務年数、勤務先、貯金額などのことで、審査の際に詳しく確認されるポイントです。

つまり、住宅ローンの審査で承認が下りず、融資が受けられない可能性が高いため、不動産投資ローンから住宅ローンへの借り換えは難しいと考えておきましょう。

投資用マンションに住む際のその他4つの問題点

投資用マンションに住む際のその他4つの問題点

投資用マンションに住むにはローンの問題以外にも様々な問題があります。

その中から下記の4つの問題点について説明します。

  1. 家賃収入の問題
  2. 入居者の問題
  3. 経費計上の問題
  4. 性能の問題

それでは詳しく見ていきましょう。

その①:家賃収入の問題

投資用マンションで入居者がいれば、毎月決まった家賃収入があり、その家賃収入を原資にローンを返済していくことが可能です。

しかし、自分が住んでしまうと、当然ながら家賃収入はゼロになってしまいます。

ローンを完済していれば、大きな問題はないかもしれませんが、ローンが残っている場合は不動産投資ローンの金利が高い毎月のローン返済を手出しで支払っていかなければなりません。

他にも、管理費や修繕積立費や、税金の支払いなどがありますので、家賃収入がなくなることで、資金の工面が大変になる可能性があるため、注意しましょう。

家賃収入がない状況での資金計画を検討した上で、判断することをおすすめします。

その②:入居者の問題

物件のオーナーは投資用マンションを自分が住むために利用したいと思っても、入居者がいる場合には、オーナーの都合で入居者を退去させることは難しいです。

要するに、自分の好きなタイミングで投資用マンションに住むことができない点に注意しましょう。

一般的に、物件の借主は貸主に比べ弱い立場です。

つまり、物件オーナーと比べ、立場の弱い入居者を守り、安心して暮らせるように作られた法律が借地借家法で、入居者は借地借家法によって保護されています。

そのため、物件オーナーの都合で簡単に「来月いっぱいで出て行ってください」などということや、契約期間が満了したからといって借主に退去を強制することはできません。

物件オーナーからの更新拒絶や契約解除が認められるのは、老朽化に伴う建て替えや入居者の家賃滞納など契約違反があり、正当な事由があると認められる場合に限られます。

そのため、オーナーは入居者の退去を待つか、引っ越しや退去の費用を負担するなどして、入居者に交渉する必要があることを覚えておきましょう。

その③:経費計上の問題

投資用のマンションであれば、建物の価値が減少した分を減価償却費として経費計上することができ、収入から経費を差し引くことで、課税対象となる所得額を減らすことができます。

減価償却費は経費の中で占める割合が高く、実支出ではないため、高い節税効果を発揮します。

また、不動産投資で赤字が出た場合は本業の給与収入から損益通算することができ、節税することが可能です。

しかし、自分で住む場合には減価償却費を経費として計上することができなるため、税金の支払い額が多くなる可能性があることも考えておきましょう。

つまり、自分で住むと節税しにくくなってしまいますので、注意が必要です。

その④:性能の問題

投資用マンションも自己居住用のマンションも人が住む上で必要な設備や性能を備えています。

しかし、一般的に投資用マンションは自己居住用マンションや戸建てと比べて性能が低く作られている場合が多いです。

投資用マンションは賃貸物件として運用することを想定して建てられており、安く作って、高く貸すことで大きな収益を得ることが可能になります。

そのため、賃貸マンションは自己居住用に比べてグレードが低い設備を採用し、建築費を抑えていることが多いでしょう。

また、自己居住用では人生の長期間を過ごすことを考え、設備や内装、陽当たりや窓からの眺望などにこだわり購入する人が多いですが、賃貸マンションでは家賃や駅までの距離が物件を決める際のポイントになることが多いという点もポイントの一つです。

賃貸マンションでは周辺環境やアクセスなどの利便性を重視すると、物件価格が高くなるため、設備や広さを抑えることでバランスを取っています。

投資用と自己居住用では物件選びをする目線が異なるということを理解しておきましょう。

自分で住むことを考えているなら、建物のグレードが高く、住みやすい環境を重視した自己居住用の分譲マンションがおすすめです。

投資用マンションに自分で住む2つのパターン

投資用マンションに自分で住む2つのパターン

投資用マンションに自分で住む場合には、主に2つのパターンがあります。

下記の2つのパターンについて、概要と問題点を解説します。

  1. 投資用マンションとして購入して将来自分で住むパターン
  2. 自己居住用として購入し将来賃貸に出すパターン

それでは具体的に見ていきましょう。

その①:投資用マンションとして購入して将来自分で住むパターン

投資用マンションとして購入し、入居者が退去したタイミングや定年後など、将来自分が住むことを想定している場合です。

この場合には不動産投資ローンで物件を購入する必要がありますが、先程も説明したように自分が住むことになっても、住宅ローンへの借り換えは難しい点に注意しましょう。

もしも、住宅ローンへの借り換えができなければ、自分が住んでいるのに不動産投資ローンの高い金利でローンを返済し続ける必要があります。

さらに、入居者を退去させた上で自分が住むことも容易ではなく、自分が住みたいタイミングで住み始めることができない点に注意が必要です。

将来的に結婚や出産といった家族構成の変化や育児や介護などライフスタイルが変わることで、物件に住めなくなる可能性もあります。

その②:自己居住用として購入し将来賃貸に出すパターン

自己居住用として購入した物件を転勤などの事情で将来的に賃貸に出すことがあります。

この場合は自己居住用として購入するため、住宅ローンで融資を受けることができ、さらに住宅ローン控除も受けられるため、支払額を抑えることが可能です。

しかし、ローン返済中に賃貸すると、ローンの使用目的が事業用とみなされ、一括返済を求められることがありますので、注意しましょう。

やむを得ない事由の際には、住宅ローンの返済中に賃貸することが認められることもありますので、必ず事前に金融機関に相談し、許可を得ておくことが重要です。

また、自己居住用の不動産は性能がよいため価格が高くなることも多く、将来的に賃貸に出しても採算が合わない場合もありますので、注意しましょう。

またローンを完済してから老後の生活費ために賃貸を考えている人は、その物件は賃貸ニーズがある物件か確認しておきましょう。

賃貸物件としての魅力がなければ、賃貸に出したくても借り手がなかなか見つからず苦労することになりますので、物件選びも大切です。

さらにそのエリアにはどのような入居者のニーズがあるのか考慮した上で物件を選ぶことをおすすめします。

まとめ

不動産投資用に購入したマンションに自分で住む場合のポイントや問題点について説明を行いました。

特にローンの借り換え、入居のタイミング、節税効果や費用などの問題について、注意する必要があります。

投資用に購入したマンションに自分で住むことはできますが、問題点が多いですので、「運用がうまくいかないから、自分で住む」という考え方は、あまりおすすめできません。

管理会社や不動産会社と協力し合い、まずは空室を埋めることに全力を注ぎ、自分で住むことは最終的な方法だと考えておきましょう。

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この記事を書いた人

逆瀬川勇造

30代男性

資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)

地方銀行、不動産会社を経て金融や不動産関連の情報をお伝えするフリーライターとして活動しています。
実務で得た知見を活かして、記事を読まれる方の困りごと解決に役立てられたらと考えています。

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