といった悩みにお答えします。
本記事の内容
- マンション売却時のライフライン解約タイミング
- ライフラインを解約するときの注意点
- ライフラインの具体的な解約手続きの流れ
マンションを売却する場合、悩むのは「ライフラインをいつ止めればいいのか?」ということでしょう。
水道や電気・ガスと言ったライフラインは、停止するまで料金が発生するので住んでいないのであれば、すぐにでも停止したものですね。
しかし、ライフラインは早く停止してしまうと困った事態になることもあるので、注意しなければならないのです。
ライフラインごとに停止のタイミングが異なるので、それぞれ適したタイミングを理解しておく必要があります。
この記事では、マンション売却でのライフラインの停止タイミングや注意点・手続きを分かりやすく解説します。
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マンション売却時のライフライン解約タイミング
ライフライン解約のタイミングは、それぞれのライフラインごとに異なります。
引っ越してしまう場合は、すぐにでも解約したいものでしょうが、すぐに解約することはおすすめできません。
基本的には、すべてのライフラインを引き渡し前までに解約する必要があります。
しかし、それぞれの事情を考慮したうえで解約することが大切なのです。
例えば、電気を停止してしまうと内覧時に曇天で暗い場合も明かりをつけられません。
また、夏場や冬場の内覧でエアコンを稼働できなければ、内覧者もすぐに帰ってしまう可能性もあるでしょう。
水道を停止してしまうと、売却活動中の掃除に影響が出てしまうものです。
そのように、不動産売却中はライフラインが使えたほうがいい場合もあります。
すぐに解約してしまうと売却に支障が出てしまう可能性もあるので、それぞれに適したタイミングでライフラインを解約することが大切です。
ここでは、「水道」「電気」「ガス」「電話回線・インターネット回線」の解約タイミングについて見ていきましょう。
水道
水道は、引き渡し直前に解約することをおすすめします。
空き家にして売り出す場合、売却期間中には定期的な掃除が必要になります。
引っ越し前に、大掃除やハウスクリーニングをした場合でも、空き家期間が長ければそれだけホコリはたまるものです。
空き家の場合は、換気ができずに湿気がたまりカビが発生するということもあるでしょう。
水道を止めてしまうと掃除ができなくなり、マンションを清潔に保てなくなります。
物件が汚れてしまうと、マンション売却にも影響が出てしまうので注意が必要です。
とくに、内覧前には入念な掃除が必要になるため、水道は必須といえます。
売買契約成立後なら解約しても問題ないと思う方もいらっしゃいますが、できれば停止しないようにしましょう。
売買契約成立後も、引き渡しまでは物件をきれいに保つ必要があります。
また、引き渡し前に買主が掃除したいというケースもあるでしょう。
買主が使う水道代なので使えるようにする義務はありませんが、購入してくれたことを考えると、使えるようにしておくことほうが親切といえます。
水道を引き渡し直前に解約する理由には、においの問題もあるのです。
水道は、長期間利用しないと下水から臭いが上がってくる場合があります。
悪臭防止のため定期的に水を流す必要があるので、引き渡し直前まで解約せずにおくほうがよいのです。
電気
電気の解約タイミングは、引き渡し直前をおすすめします。
その理由には、次の2つがあります。
- 内覧対応で必要になる
- 売買契約後も買主が訪れる可能性がある
電気を引き渡しまで解約しない大きな理由が「内覧対応」です。
内覧は、必ずしも日中の明るい時間帯に来るとは限りません。
夕方以降や曇天時などに来る方もいらっしゃるでしょう。
そのような場合に、照明が付かないと薄暗いなかでの内覧となり、マンションへの印象は悪くなる可能性があります。
トイレやお風呂に窓が付いていない物件もあり、照明が付かなければ真っ暗ということもあるでしょう。
明るい日中での内覧であっても、できれば照明をつけることで部屋が明るく印象は良くなるものです。
また、内覧時に空調が使えないのは、大きなデメリットになります。
夏場や冬場など快適な室温が保てない中での内覧では、内覧者もゆっくり内覧できないでしょう。
細部まで確認してもらうためにも、空調が使えるようにしておくことをおすすめします。
売買契約成立後は、買主が採寸などでマンションを訪れる場合があります。
水道同様、売主が料金を支払う義務はありませんが、お互いに気持ちよく取引できるように最後まで電気を使えるようにしてあげるとよいでしょう。
ガス
ガスは、不動産売却スタート直後や引っ越し日での解約で問題ありません。
ガスは、内覧や掃除と言った売却活動に関わらず、買主側も使う理由もないため、早期で停止しても支障が出ないものです。
反対に、解約しないことで料金が掛かり続けるため、早い段階で解約することをおすすめします。
ただし、物件によっては最終的に売却できずに所有し続ける可能性がゼロではありません。
その場合は、利用の際に再契約が必要になるので注意しましょう。
電話回線やインターネット回線
電話回線やインターネット回線も、不動産売却スタート直後や引っ越し日での解約で問題ないでしょう。
こちらもガス同様、解約することで売却活動に支障がでず、契約し続けると料金ばかりが掛かるものです。
そのため、早い段階で解約することをおすすめします。
ただし、こちらも物件が売れ残る可能性がゼロではない限り、再契約が必要になる場合がある点には注意が必要です。
ライフラインを解約するときの注意点
ライフラインを解約する際に、注意しなければならないこととして、次のようなことがあります。
- 電気は契約内容を変更しておくのもおすすめ
- 水道は下水のにおいに注意
- ガスコンロを残すかどうか事前に確認する
注意点①:電気は契約内容を変更しておくのもおすすめ
引き渡し直前まで契約を継続する場合に、やはり料金が気になるという方もいるでしょう。
とくに、売却までに時間が掛かると半年や数年というケースもあります。
基本的には、引き渡しまでに利用する機会は多くはないので、基本料金に数十円プラスするくらいですが、それが長期間に渡ると負担も大きくなるものです。
そのような場合は、契約アンペア数を下げてしまえば、基本料金を抑えられます。
例えば、東京電力の従量電灯Bでの基本料金は次のようになります。
アンペア | 料金(税込) |
10A | 286円00銭 |
15A | 429円00銭 |
20A | 572円00銭 |
30A | 858円00銭 |
40A | 1,144円00銭 |
50A | 1,430円00銭 |
60A | 1,716円00銭 |
一般的には、40Aや60Aで契約しているものです。
しかし、空き家で売却活動する場合は、ほとんど使用することはありません。
使用する照明やエアコンだけであれば、20Aあれば賄えるでしょう。
その場合は、基本料金が1,716円から572円と大幅に節約できます。
ただし、エアコンは稼働時の電力消費が大きいものです。
20A未満ではエアコンが使用できない可能性が高いので、注意しなければなりません。
また、電力会社によっては基本料金がアンペア数に関わらない場合もあるので、一度確認するとよいでしょう。
注意点②:水道は下水のにおいに注意
下水の臭いは、排水トラップという排水管にあるトラップ部分に水をためることで、臭い戻りを防いでいます。
しかし、水道を停止してしまうとこの排水トラップ内の水が蒸発してしまい、臭いにふたができない状態になってしまうのです。
下水からの悪臭は内覧時に大きなマイナスポイントになります。
そのため、下水の臭い対策は重要です。
水道を停止する場合は、排水溝をラップで覆い水の蒸発を防ぐようにするとよいでしょう。
また、不動産会社によっては蒸発を防ぐ薬剤を常備している場合もあるので、一度相談することをおすすめします。
注意点③:ガスコンロを残すかどうか事前に確認する
ガスを停止する場合、ガスコンロなどの周辺器具は売主が取り外す必要があります。
事前に、取り外し方を確認しておくようにしましょう。
自分での取り外しに不安がある場合は、料金を支払えばガス会社でも取り外してくれます。
ただし、ガスの種類によって利用できるコンロも異なります。
引っ越し先のガスと種類が異なると、取り外して持って行っても利用できない可能性があるので、注意しましょう。
また、買主によってはガスコンロを残してほしいという方もいらっしゃいます。
とくに、ガスコンロがあるものだと思っていた買主の場合は、取り外してしまうことでトラブルに発展する可能性もあるのです。
取り外す場合も残す場合も、必ず買主に確認し理解を得たうえで対応するようにしましょう。
ライフラインの具体的な解約手続きの流れ
ここでは、それぞれのライフラインの解約手続きの流れを紹介していきます。
水道解約の流れ
水道解約は、管轄の水道局に解約する旨を連絡することで解約可能です。
管轄の水道局は、水道料金の請求書や検針票に連絡先が記載されているので、確認できます。
水道停止日は、基本的には立ち合いは不要です。
ただし、オートロックマンションなどの場合は立ち合いが必要になる場合もあるので、確認しましょう。
その後、日割りで水道料金を精算し、解約手続きが終了します。
申込から停止まで3日~1週間ほど掛かるので、引き渡し前の1週間前までには解約連絡するようにしましょう。
電気解約の流れ
電気解約は、契約する電力会社に解約連絡して申し込みます。
契約する電力会社は請求書や検針票などから確認できます。
基本的に、電気解約では停止日での立ち合いは不要です。
ただし、こちらもオートロックマンションなどは立ち合いが必要なる場合もあります。
電気停止後、停止日までの電気料金を日割りで清算し、契約手続きが終了です。
解約後は後付けの照明器具を取り外すことになりますが、買主によっては照明器具が必要という場合もあるので、事前に確認するようにしましょう。
電気解約は、3日~1週間ほど掛かるので、引き渡し前の1週間前までには解約連絡するようにしましょう。
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ガス解約の流れ
ガス解約は、契約する電力会社に解約連絡して申し込みます。
契約するガス会社や請求書や検針票などから確認できます。
ガス停止日も水道・電気同様に立ち合いは不要です。
申込から停止まで3日~1週間ほど掛かるので、引き渡し前の1週間前までには解約連絡するようにしましょう。
電話・インターネット解約の流れ
電話回線・インターネット回線も、契約会社に連絡し解約可能です。
こちらも立ち合いは不要で、申し込みから3日~1週間ほどで停止されます。
インターネットの場合は、停止後にモデムの返却などが必要になる場合があるので、確認するようにしましょう。
また、停止後はそれまでの料金を日割りで清算します。
各ライフラインの停止には、1週間ほど掛かるので、停止したいタイミングの1週間前には申し込みをするようにしましょう。
基本的には、停止時までの料金は日割りで後日請求されますが、停止時当日に立ち合いで清算することも可能です。
ただし、引っ越しシーズンなどでは依頼が立て込み、手続きに時間が掛かる場合もあるので早めに連絡することが必要です。
解約が遅くなれば、その分料金が掛かるため、無駄な出費を増やしてしまいます。
また、場合によっては買主に迷惑をかけてしまう場合や、支払いトラブルに発展する可能性もあるので注意しましょう。
ライフラインの解約は、売却活動への支障や買主への配慮を考慮することが大切です。
最後まで気持ちよく取引できるように適切なタイミングで解約申込から停止までをスムーズにできるようにしましょう。
まとめ
マンション売却でのライフラインの停止タイミングや手続き・注意点をお伝えしました。
それぞれの解約タイミングは、次のとおりです。
- 水道:引き渡し直前
- 電気:引き渡し直前
- ガス:引っ越し時
- 電話・インターネット:引っ越し時
引っ越し後に売却活動する場合、すぐにでもライフラインを停止したいものですが、売却活動中も水道・電気は必要になります。
反対に、ガスや電話・インターネットはすぐに解約しても問題ないでしょう。
また、解約にも時間が掛かるので、余裕をもって手続することが大事です。
この記事を参考に、それぞれのライフラインに適した解約タイミングでスムーズに解約できるようにしましょう。
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この記事を書いた人
資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)
地方銀行、不動産会社を経て金融や不動産関連の情報をお伝えするフリーライターとして活動しています。
実務で得た知見を活かして、記事を読まれる方の困りごと解決に役立てられたらと考えています。
逆瀬川勇造
30代男性