マンション購入

購入したマンションのローンが滞ると破産?支払が厳しくなったときにとるべき行動とは

購入したマンションの住宅ローン支払いが困難になってしまったのですが、どうすればいいでしょうか?自己破産せずに、差し押さえられる前に売却したいのですが可能でしょうか?

といった悩みにお答えします。

本記事の内容

  • 支払い滞納が続くと大変なことになる?
  • 自己破産してしまったらどうなるの?
  • マンションが差し押さえられる前にとるべき行動

マンションの毎月の住宅ローンの返済は決して安くはありません。

住宅金融支援機構が出している統計によると、住宅ローンの返済に何らかの支障を来たしている層(リスク管理債権)は、例年3~5%いるというデータがあります。

単純計算で20~30人に1人は返済が困難になっているということなので、低い数値ではないと思います。

特に2020年に入ってからは新型コロナ感染拡大による経済への影響で、大変な思いをされている方は多いと思います。

もし住宅ローンの支払いが困難になってしまったら…と、不安な方もいるでしょう。

ですが、ローンの返済が滞ってしまっても、すぐに差し押さえや自己破産が待っているわけではありません。

支払いが難しいと思った時点で、適切な対応をすることで最悪なケースを免れることができます。

この記事では、住宅ローンの支払いが難しくなってしまったらどうなるのか?また、最悪なケースを回避するためにはどうすればいいのか?という疑問にお答えします。

支払い滞納が続くと大変なことになる?

マンションのローンの支払いが滞ると、最終的には銀行が抵当権を実行し、マンションが差し押さえられることになります。

このことについて詳しく解説したいと思います。

銀行の抵当権とは?

ご自分のマンションの不動産登記簿をご覧になったことはありますか?

住宅ローンを利用して購入した場合、登記簿の権利部の欄に「抵当権 債権者:○○銀行」という記載があると思います。

抵当権は担保権の一種で、お金を貸した人が、借りた人(もしくは保証人等)の所有する不動産に対して設定する権利です。

住宅ローンにおいては、銀行が融資実行時に購入したマンションに対して抵当権を設定するというのが一般的です。

もしもマンションの購入者がローン支払困難な状況に陥ってしまったら、銀行は抵当権を実行することでマンションを金銭に換え、債務に充当するということになります。

抵当権実行の流れ

ローン返済が滞ってから抵当権が実行されるまで、以下のような流れで手続きが行われます。

①:銀行からの督促

住宅ローンの返済が滞ると、その時点で銀行から債務者に督促状が届きます。

督促後も遅延が続くようであれば、銀行から来店相談を促されることがあります。

②:期限の利益の喪失

督促後も支払いがされない状況が続くと、債務者は住宅ローンの期限の利益を喪失することになります。

ここで言う「期限の利益」とは、本来一括で返済するべき債務を数十年と言う期間をかけて分割し支払っていけるということをさします。

つまり期限の利益を喪失すると、その分割の効力がなくなってしまいますので、残りの債務を全額今すぐ払わなければならないということになってしまいます。

当然、数千万円という残債務の全てを直ちに弁済するということは非常に困難なことです。

銀行側が期限の利益を喪失させ残債務の支払金額を一本化させるのは、差し押さえによって残りの債務を一括で回収する目的があるということになります。

③:保証会社からの代位弁済

住宅ローンの債務を保証している保証会社が、購入者の代わりに銀行にローンの残債務を立て替えて弁済します。

これを代位弁済といいます。

代位弁済が行われると、それ以降は保証会社が債権者ということになります。

④:差し押さえ

抵当権を実行するために、マンションが差し押さえられます。

マンションが差し押さえられた時点で不動産登記簿には「差押」の文字が記載されることとなり、それ以降は自由に売買などができなくなってしまいます。

⑤:競売

マンションが差し押さえられると、裁判所が管轄する「競売」にかけられます。

競売は、いわゆる差し押さえられた財産のオークションのようなものです。

一般個人に向けて入札を募り、最も入札金額が高かった人(落札者)にマンションを購入してもらいます。

競売にあたっては、裁判所主導のもとマンションの現況調査報告書や評価書などが作成され、その書類が競売物件として一般公開される形となります。

⑥:入札および開札

あらかじめ決められた期間に集まった入札書を、裁判所が開札します。

入札金額が最も大きかった人が買受人としてマンションを取得します。

⑦:売却許可決定および引渡命令

買受人が購入代金を納めた時点で、マンションの所有権は買受人のものになります。

裁判所は公権力をもって、元の購入者にマンションの引渡を命じます。

⑧:住宅ローンへの充当

競売で買い落されたマンションの代金は、一旦抵当権者である銀行の債権に充当されます。

落札金額が残債務を上回った場合は、余剰金は返還されます。

逆に、落札金額が残債務よりも下回ってしまった場合は、引き続きその不足分を債務として背負わなければならないということになります。

競売は安く買い叩かれる?

上記で説明したように競売には強制力があります。

ひとたびマンションが差し押さえられると、待ったなしで淡々とマンションの現金化が進んでしまいます。

しかも、競売はオークション形式のようなものなので、入札する人たちは相場よりもかなり安い金額を入れてきます。

マンションが競売に出されてしまったら、取引市場よりも安い金額でマンションが売り捌かれてしまう場合もあります。

自己破産してしまったらどうなるの?

マンションが競売にかけられた時点では、まだ自己破産を決断する段階ではありませんが、落札金額が残債務を下回り、借金だけが残ってしまう形になるとその可能性も想定しなければなりません。

競売後に残った債務は、原則として一括で清算しなければなりませんが、銀行との相談により分割払いが認められることもあります。

しかしながら、これまで住んでいたマンションはすでに手元にはありません。

分割払いが認められたとしても、残債務を支払いながら新しい住宅費を払っていかなければならないという状況に陥ります。

そもそもローンの支払いが困難であったため競売にかけられているので、この二重払いはとても負担が重いはずです。

残債務の支払いが困難になってくると、債務者はいよいよ最終手段として自己破産するという選択肢が浮かんできます。

自己破産することで、現在抱えている債務は帳消しになりますが、以下のようなデメリットがあるということを理解しなければなりません。

  • 自己破産をすると、そのことが官報(国が発行する告知文書)に掲載されることになり、場合によっては知人等に知られてしまう。
  • 自己破産によって使えなくなる資格があり、現在勤めている仕事に影響することがある。(生命保険募集人や宅建士など)
  • 自己破産した情報が信用情報に記載されるため、一定期間、借り入れができなくなる。(一般的には7~10年ほど)
  • 自己破産した時点で所有している財産(自動車や給与債権など)が差し押さえられることがある。

マンションが差し押さえられる前にとるべき行動

マンションの住宅ローンの支払いが滞ると、差し押さえ、競売、場合によっては自己破産せざるを得ない状況に陥ってしまうということが分かったと思います。

できればこのような状況になる前に、適切に対応し、最悪なケースを回避したいものです。

ここからは「ローンの支払いが難しい…」と思ったときにとるべき行動について説明します。

リスケジュールの相談

住宅ローンを支払っていくのが難しいと思った時点で、まずは銀行にリスケジュールの相談をしましょう。

リスケジュールとは、返済が難しくなってきたときに、銀行との協議のもとで返済可能なスケジュールを組みなおしてもらうということです。

「病気で休業していたため一定期間無収入になってしまった」「会社の給料が減ってしまった」という状況になり支払いが困難になる可能性は誰にでもあります。

銀行はこのような状況になった方に対して、相談に応じるスタンスをとっています。

リスケジュールの相談をすることで、借入している銀行からの信用に若干の影響がある可能性はありますが、リスケジュールそのものは信用情報に記載される行為ではありません。

リスケジュールを実施するとき、具体的には下記の方法によって月々の支払い負担を減らすことになります。

  • 返済期間を延長する。
  • 一定期間、金利だけを支払う。
  • 一定期間、支払いを猶予してもらう。

なお、場合によっては銀行からリスケジュールに伴う追加条件を求められることもあります。(保証人・担保の追加、金利の引き上げなど)

リスケジュールにより月々の負担は軽くなりますが、返済期間全体で見ると支払総額が大きくなってしまう可能性があるということにも注意しなければなりません。

借り換えの相談

住宅ローンを借り換えることで支払いが軽くなることもあります。

現在借り入れている住宅ローンよりも他銀行の金利の方が低いということであれば、借り換えることで単純に金利分は月々の支払いが安くなります。

また、同銀行で住宅ローンからアパートローンに借り替えることで、現在所有しているマンションを賃貸物件として収益化するという方法もあります。

任意売却

マンションが差し押さえられたときの対処法として、任意売却という選択肢があります。

前述したように、マンションが競売に出されると相場よりもかなり安い金額で買い叩かれてしまいます。

競売で落札される前に任意売却することで、一般的な取引市場において適正価格で現金化できるというメリットがあります。

任意売却と一般売却の違い

一般売却は、差し押さえの有無や支払い状況に関わらず、自分の好きなタイミングで自由にマンションを売却する行為です。

一方で任意売却は、銀行の債権の保全を目的に行われるものです。

そのため任意売却は債務者単独の判断で行うことはできず、銀行や保証会社と相談しながら進めていく必要があります。

本来なら、ローンの支払が困難になりそうだと分かった時点で一般売却して残債務を清算することが望ましいです。

ですが、一度差押さえられると一般売却は事実上不可能になってしまいます。

一般売却が間に合わないままローン滞納に陥ってしまった場合は、期限の利益の喪失通知が来たくらいのタイミングで速やかに任意売却に向けて動いていく必要があります。

任意売却が成立する前にマンションが競売物件として公告されると、買主側から足元を見られ任意売却そのものが難航することがあります。

できる限り早めに動くということが重要なポイントです。

任意売却のメリット

任意売却は、取引市場に近い金額で売却できるということが最大のメリットです。

競売物件の売却基準価格は市場価格の4~5割ほどに設定されており、落札金額も良くて7割ほどです。

せっかく売却するのであれば高く売れるに越したことはありません。

また、任意売却は外観的には一般売却と変わらないので、不動産登記簿を見られない限り、住宅ローンの滞納があったことを周囲に知られることはないというメリットもあります。

もしも競売に出てしまうと物件情報が公告されますので、滞納状況が周囲に知られてしまうおそれがあります。

任意売却の注意点

任意売却する場合、競売の開札前までに売買をすべて完了させなければならないというタイムリミットがあります。

買い手が付くまでの時間、買い手の融資承認期間、登記をする期間を合わせるとかなり時間を要します。

また、前述したように競売情報が公告されると任意売却そのものが難航するおそれがあります。

銀行が動いた時点で、できる限り早めに任意売却に向けて動き出さなければなりません。

また、任意売却にあたっては仲介を依頼する不動産会社の選定も重要です。

中古マンションの売買に長けた不動産会社へ相談することで、スピーディーに売却を進めることができます。

まとめ

諸般の事情でローンの支払いが難しくなってしまうという可能性は誰にでもあると思います。

コロナ渦においてはなおさらこのような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

少しでも「支払が難しい…」と思ったら、まずは銀行への相談することと同時に、所有しているマンションの売却を想定してみましょう。

せっかく購入したマンションを売却するというのは勇気の要ることだと思いますが、今すぐ売却するということはなくとも、マンションの売却査定額を知り財産価値を把握しておくだけでも、心の持ちようは変わると思います。

一度、信頼のおける不動産会社に査定相談をしてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

真地 リョウ太(ペンネーム)

30代男性

資格:宅地建物取引士・FP2級・行政書士試験合格

学生時代は不動産業界への強い関心があり、大学では取引関連法を学んでいました。

新卒後すぐに不動産業界に飛び込み、現在は土地売買や相続案件など幅広い実務を担当しています。得意分野は取引法務です。法律の知識をもっと深くしたいという想いから、仕事をしながら独学で行政書士の試験に合格しました。

資格取得によって身に着けた知識と実務で培った経験を活かして、不動産オーナー様のお役に立てるよう日々頑張っています。趣味は旅行。座右の銘は「我以外、皆我が師」

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