マンション売却

民法改正により瑕疵担保責任免責が変わる?契約不適合責任とは?

瑕疵担保責任免責について詳しく知りたいです。あと契約不適合責任とはどのように異なるのかを教えてください。

といった悩みにお答えします。

本記事の内容

  • 民法改正によって瑕疵担保責任免責は無くなる?
  • 瑕疵担保責任免責となるのはどのようなケース?
  • 瑕疵担保責任免責物件を購入 購入前の注意点はどこ?
  • 契約不適合責任へとかわり瑕疵担保責任免責は無くなる?

2020年4月に民法が改正されましたが、120年ぶりの改正ということで大きな注目を受けました。

約260近くの項目について改正事項がありますが、そのなかで不動産の売買に関係する大きな改正が、瑕疵担保責任が契約不適合に変わったという点です。

では瑕疵担保責任が契約不適合責任に代わり、どのような変更があったのでしょうか?

この記事では、瑕疵担保責任の内容や、瑕疵担保免責物件の注意ポイント、契約不適合責任に変わった場合の瑕疵担保責任免責について解説します。

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民法改正によって瑕疵担保責任免責は無くなる?

民法改正によって瑕疵担保責任免責は無くなる?

非常に文言が難しいので瑕疵担保責任といってもどのような内容なのかわからないという人も多いのではないでしょうか?

ここからは、瑕疵とはどのようなものか? 瑕疵担保責任とはどのような内容なのかといった点について解説します。

①:そもそも瑕疵とはどのようなもの?

不動産における瑕疵とは、その不動産に関する欠陥や不具合のことを指します。

瑕疵として取り扱われるのは、最初の時点で目に見える傷などの部分もあれば、住んでから気づくこと、数年たってから欠陥に気づくものも含まれます。

トラブルとなりやすいのが、マンションの購入後に瑕疵が見つかった場合です。

買主は、購入前からこの瑕疵が発生していたとし、修繕費用などを売主に請求する場合や損害賠償を請求する場合などが考えられます。

不動産売買では、瑕疵により買主に不具合が生じる場合にトラブルが起こりやすいといえるのです。

②:瑕疵の種類にはどのようなものがあるの?

実は瑕疵にはさまざまな種類があり、単純に傷や故障といったものだけではありません。

ではどのような種類の瑕疵があるのでしょうか?

瑕疵の種類に関して解説します。

まずは、傷や故障といった目に見える瑕疵を物理的瑕疵といい、雨漏り、シロアリ、給排水管の故障などが挙げられるでしょう。

土地部分に関しては、土壌汚染などが物理的瑕疵に入るといわれています。

次に挙げられるのが、法律的瑕疵といわれる瑕疵です。

気づかなかった法律の制限があり、購入した不動産において目的が達せられなかった場合や不具合が起こった場合などが法律的瑕疵といわれています。

例としては、接道に関する不具合や、都市計画道路にかかっている場合などが挙げられるでしょう。

心理的瑕疵も瑕疵要因のひとつです。

敷地内で、事件が起こった、人が亡くなったなど、その後不動産を利用する人が心理的に住みたくない、利用したくないと感じる出来事があったものを指します。

心理的瑕疵は、その出来事が起こった期間や、起こった出来事など非常に判断が難しいともいわれている瑕疵です。

最後に挙げられるのが環境的瑕疵。

周辺の施設などに嫌悪感を抱いてしまう施設がある場合を環境的瑕疵といいます。

例を挙げると、暴力団関係の施設や風俗関係の施設が挙げられるでしょう。

上記に挙げる4つの原因が瑕疵と呼ばれるものです。

③:瑕疵担保責任とは?

上記に挙げたような瑕疵に対して売主が負う責任を瑕疵担保責任といいます。

買主に対し、上記のような瑕疵があった場合に修繕や契約解除といった内容で請求があった場合、買主は誠実に対応しなければいけません。

では、瑕疵担保責任において請求のポイントとなる点はどこにあるのでしょうか?

まず、買主は瑕疵を発見すると、売主に対し損害賠償や契約の解除などが請求可能です。

この場合、瑕疵の程度がどの程度なのかによって大きく異なります。

修繕で解消できる程度の瑕疵であれば、修理費の請求、修繕では解消できないような瑕疵の発見の場合は、契約の解除や損害賠償請求などが可能です。

瑕疵担保責任の期間は、瑕疵が発見されたのち1年以内となっています。

瑕疵の発見後1年以内の請求がポイントです。

瑕疵の内容に関してもある程度取り決めがあります。

瑕疵は、あくまでも隠れていた瑕疵に対して対象となり、もともと簡単にわかるような傷などは対象外です。

このように隠れた瑕疵に関して売主は故意・過失はもちろんのこと、故意・過失がなかった場合でも売主の責任となります。

では、売主は、いったん不動産を売却した後、ずっとこの瑕疵担保責任を負うのでしょうか?

売買契約書に瑕疵担保の期限を定めていなければ、売主はずっと瑕疵担保責任を負うことになります。

10年間権利を行使しなければ時効になるのですが、何らかの請求があり続けると瑕疵担保責任を売主はずっと負うことになる点もポイントです。

④:瑕疵担保責任免責とは?

前述しましたが、瑕疵担保責任は、売買契約書に記載されていない限り、半永久的に賠償しなければいけないものです。

しかし、瑕疵担保責任は一切の責任を負わないとする契約を締結しても問題はありません。

というのも、故意・過失ではなく気づかなかった瑕疵を売却後、長い期間責任を負い続けるのも、少し売主に対して厳しすぎるといえるでしょう。

そのため、瑕疵担保責任を負わないとする契約も可能とされています。

しかし、これはあくまでも売主が個人の場合においてのみ有効です。

売主が宅建業者だった場合は、瑕疵担保責任免責が認められていません。

最低でも2年間の瑕疵担保責任は負うように定められています。

また、いくら瑕疵担保責任免責を契約書に定めていたとしても、知っていた瑕疵を告げていなかった場合は瑕疵担保責任を負ってしまいます。

あくまでも瑕疵担保責任免責が適用となるのは知らなかった場合の瑕疵であることを理解しておきましょう。

瑕疵担保責任免責となるのはどのようなケース?

 

瑕疵担保責任や瑕疵担保責任免責について解説してきました。

ずっと責任を負うことになってしまいますので、売主にとってはなるべく瑕疵担保責任は、免責としておきたいものです。

瑕疵担保責任免責にするにはどのようにすればいいのかについて解説します。

①:売買契約書に瑕疵担保責任免責と記載する

前述しましたが、瑕疵担保責任免責にするためには、売買契約書に記載することが最低条件です。

もし、売買契約書に記載していなければ、瑕疵担保責任を負うことになり、売主の責任は売買した後も続いていくことになります。

売買契約前に瑕疵担保責任が免責されている物件だということを買主に事前に伝え、瑕疵担保責任を免責したい場合は、必ず売買契約書に記載しましょう。

②:瑕疵担保責任の期間を設ける

瑕疵担保責任免責を買主が承諾しない場合も考えられます。

しかし、かといって半永久的に瑕疵担保責任を負うのは負担がかかりすぎると売主は感じるかもしれません。

この場合は、あらかじめ瑕疵担保責任の期間を売主と買主で相談し、設定しましょう。

旧民法上、瑕疵担保責任の規定に関しては任意規定となっており、当事者間で取り決めを行っても問題はありません。

ですので、瑕疵担保責任を免責することも期間を自由に設定できることも可能なのです。

当事者間できちんと取り決めてトラブルを防ぎましょう。

③:損害賠償請求に時効はあるの?

瑕疵担保責任の時効について触れてみましょう。

先ほど、少し前述しましたが瑕疵があったことを知ったうえで買主が1年間放置していた場合、損害賠償請求はできません。

また、瑕疵担保責任の損害賠償請求において引き渡しから10年以内に行使しなければ損害賠償請求は時効になるとの判決も出ています。

権利行使をしなければ10年間で消滅するわけです。

つまり基本的に10年間となるわけですが、10年以内に損害賠償請求されてしまうと、そこから時効は中断されるので10年以上の責任を負うことになるでしょう。

時効があるから大丈夫というわけではないので、売買契約時に免責にするのか期間をきちんと定めておくことをおすすめします。

④:瑕疵担保免責任免責物件で瑕疵があった場合の通知は不要?

瑕疵担保責任免責物件において、購入後、瑕疵を見つけたとしても免責なので基本的には買主が対応しなければいけません。

しかし、あらかじめ買主が瑕疵を知っていて、隠して売却した場合は、話が変わります。

あらかじめ瑕疵がわかっていると想定される場合は、きちんと通知して確認する必要があります。

どう考えても買主がわからなかっただろうと思われる瑕疵に関して通知する必要はないかもしれません。

しかし、疑わしい場合はいったん確認のため通知した方がいいでしょう。

瑕疵担保責任免責物件を購入 購入前の注意点はどこ?

瑕疵担保免責物件を購入する場合、注意しなければいけなのは、入居した後に瑕疵を発見することです。

きちんと購入前には瑕疵のチェックを行ったうえで購入する必要があるでしょう。

では、どのような点をチェックしておいたらいいのでしょうか?

ここからは瑕疵担保責任免責物件を購入する場合、購入前のチェックポイントについて解説します。

その①:シロアリのチェック

もっとも建物にダメージを与える要因のひとつといえるのがシロアリです。

シロアリのチェックポイントとしては床下のチェックと、シロアリが通った形跡がないかという点を確認することでシロアリが発生しているかどうかの判断が可能です。

シロアリがいると、床下の木材や最悪の場合、土台にまで被害が及ぶ可能性があるので一度チェックしておきましょう。

その②:雨漏りのチェック

瑕疵物件のトラブルで多い雨漏りも、チェック項目です。

木造住宅では、天井部分にしみがついているところがあると雨漏れの可能性が考えられます。

天井部分に不審なシミがないか、床に水分による腐食が目立つ場合などは雨漏りの可能性が考えられるでしょう。

その③:建物の劣化具合のチェック

建物の劣化具合もチェックしておきましょう。

主に外壁のひび割れや雨どいの破損などが挙げられます。

特に外壁部分に関しては、十分にチェックしておかなければ、雨漏りの原因になることや害虫が入り込む要因となるでしょう。

その④:給排水管のチェック

給排水管のチェックも欠かせません。

「水漏れ箇所がないか?」「水圧は十分確保できているか?」「赤水などは発生していないか?」といった点を注意しておきましょう。

給排水管は地中に埋まっていることもあり、修理費用が多額になる場合があります。

しかも売主も気づいていない場合が多いので隠れたる瑕疵になりやすい箇所です。

きちんとチェックしておきましょう。

その⑤:土地に瑕疵がないか

土地の瑕疵も前もって把握しておきましょう。

土壌汚染の有無や境界の確定など、土地部分に関してもしっかりと確認しておくことがポイントです。

特に、測量なしでの引き渡しとなった場合には、後々敷地面積が非常に狭かったといったことにもなりかねません。

境界の確定や広さもきちんと確認しておきましょう。

契約不適合責任へとかわり瑕疵担保責任免責は無くなる?

 

2020年4月に民法の改正があり、瑕疵担保責任が契約不適合責任へと文言が変わったことについては前述しました。

では、契約不適合責任に代わり、なにか変わった点はあるのでしょうか?

契約不適合責任について解説します。

①:契約不適合責任とは?

契約不適合責任とは、契約内容が適合しない場合の売主の責任を定めたものです。

契約の内容が異なるものを納品した場合は、売主が責任を負うといった内容になります。

瑕疵担保責任といった名前だと一般の人には非常にわかりづらいのですが契約不適合責任と文言を変更することにより、わかりやすくすることも狙いの一つです。

②:瑕疵担保との違いは何?

実際に瑕疵担保責任が契約不適合へと変わったのは単純に文言が変わっただけではありません。

これまでは、瑕疵担保責任で要する責任は主に契約解除と損害賠償請求でした。

しかし、契約不適合となり、買主には5つの権利を有することができます。

  • 追完請求
  • 無催告解除
  • 損害賠償請求
  • 追完されない場合の代金減額請求
  • 追完されない場合の催告解除

です。

これらの詳しい内容については、民法改正により瑕疵担保責任が契約不適合責任に?違いや特徴を解説で詳しく解説しています。

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瑕疵担保責任が契約不適合責任となり、買主は、旧民法の瑕疵担保責任よりもさらに保護されているようになりました。

逆に買主はより責任を負うことになりましたので、特に契約不適合になり買主はより注意しなければいけません。

③:契約不適合になり瑕疵担保責任免責がなくなる理由

契約不適合責任となると瑕疵担保責任免責は無くなるといわれています。

結論から言えば、契約不適合免責といった契約も可能なので瑕疵担保責任免責がなくなるというわけではありません。

これは、瑕疵担保責任同様、契約不適合責任も任意規定ですので、契約書に契約不適合免責とあればそちらを優先することができます。

つまり、売買契約書にきちんと記載されていれば、契約不適合の内容を免責とすることは可能です。

しかし、これは瑕疵担保責任免責同様、売主が不動産会社である場合は、契約不適合免責の条文があっても無効となります。

瑕疵担保責任における免責事項は、契約不適合においても免責として可能という点をしっかりと理解しておきましょう。

まとめ

120年ぶりの民法改正によって、不動産取引の場面においてもいくつかの点で変更がありました。

特に変わった点が今回解説した瑕疵担保責任が契約不適合となった点です。

文言だけ変わったのではなく、より、買主の権利が強化され、売主の責任負担が大きくなっている点が特徴といえるでしょう。

どのような点が変更になったのかをしっかりと理解することと、免責条項も瑕疵担保責任同様利用できます。

売主の場合は免責条項を明示することを忘れないようにしておきましょう。

買主の場合は、契約不適合免責の契約においては、修繕個所を前もって把握し、後から不具合に気づかないように心掛けましょう。

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この記事を書いた人

清水みちよ

30代女性

資格:宅建・FP2級・通関士・総合旅行業務取扱管理者

大学生の時に一人旅に目覚め、海外50か国以上を訪れました。その経験を武器に新卒で旅行会社に入社しましたが、入社数年で倒産という憂き目にあってしまいます。悔しさをバネに宅建・通関士・FP資格を無職期間の4年でゲット!現在は不動産会社の窓口勤務ですが、コロナ渦で週休4日ペースが続いているため、新しい資格取得に向けて日々奮闘中です。趣味はペット。特技は英会話。

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