といった悩みにお答えします。
本記事の内容
- 財テクとは?
- 財テクを考える上で知っておきたい6つの基礎知識
- マンション投資の注意
- 財テクで押さえておきたいポイント
「財テク」という言葉をご存じですか?
財テクは1980年代のバブル時代に普及した言葉で、自分の資金を増やしていく一連の活動のことを指します。
個人資産を用いて財テクをする手法はさまざまありますが、マンション投資というのも有効な手段の一つです。
近年では会社勤めをしながらマンションを購入して賃貸運用している人は増えていますが、既に投資活動をしている人たちはどのようなことに気を付けているのでしょうか?
この記事では、これから財テクを考えたいという人向けに財テクの基礎知識と注意点などについて紹介していきたいと思います。
財テクとは?
財テクは「財務テクノロジー」を略した造語です。
金融商品、通貨、不動産などを用いて手持ちの資金を運用しながら増やしていく活動のことを総称して「財テク」と言います。
主に企業が余剰資金などを用いて本業以外で収入を得ることを財テクと言うケースからはじまりましたが、言葉が普及するにつれて個人が自分の資産を財テクするという考えも普及するようになりました。
最近では金融庁から「老後の生活は年金だけでは難しい」という趣旨の報告があったことは記憶に新しいと思いますが、将来を不安視する声から個人で資産形成を考えなければならないという思考は更に強くなっていると思います。
そのような社会背景があり、個人の財テクについて改めて注目が集まっています。
財テクを考える上で知っておきたい6つの基礎知識
ほとんどの人が「将来のために資産を運用して増やしたい」と考えたことがあると思いますが、はじめは何から手をつけていけばいいのか分からないものです。
「投資は自己責任」という言葉があるように、実践の前に必要な基本知識を持っておかなければ、大きな損失を被る可能性があります。
まずは最低限知っておきたい基礎知識について紹介したいと思います。
その①:キャッシュフローについて
キャッシュフローとは、直訳すると「お金の流れ」という意味になります。
マンションを運用するとき、毎月いくらの収入があっていくらの支出があるのか、そして手元に残るのはいくらになるのか、というお金の流れをキャッシュフローと呼び、常に意識しなければならないポイントの一つとなっています。
また直近のキャッシュフローだけでなく、将来にわたってのお金の動きをシミュレーションするということも重要です。
マンションを運用しているとどうしてもリスクはつきものです。
一定期間家賃収入が入らないという期間があっても、固定費用は出続けています。
また、建物の修繕などで想定外の費用がかかることも考えられます。
キャッシュフロー上は黒字になっていても資金の蓄えがないと不測の事態によって資金がショートしてしまうことがありますので、長期的に見て余裕を持った運用を考えていくことが大切です。
その②:利回りについて
投資資金に対してどれくらいの収益が得られるかということを表した数値のことを「利回り」といいます。
例えば、物件価格が3,000万円のマンションから毎年120万円の年間収益が得られるとき、
年間収益120万円 ÷ 投資額3,000万円
という計算により、利回りは4.0%になります。
利回りは投資物件の良し悪しを判断するときや、投資家が自分の物件の収益を管理するときなどの指標として用いられます。
どのマンションを購入するか迷っているときは、利回りで比較すると絞り込みやすくなります。
その③:レバレッジ効果について
小さい力で大きな作用を生み出す「てこの原理」のような働きのことを「レバレッジ」と言います。
マンションの賃貸運用においては、銀行の融資などを活用することで少ない資金で大きなリターンを得ることができます。
例えば、年間収益120万円のマンションを3000万円で購入するとき、全額を自己資金から調達すれば手出し資金の3,000万円に対する利回りは4.0%になります。
また、購入価格3,000万円のうち1,000万円を銀行から借り入れて自己資金2,000万円を投資する場合、借入利息が2.0%であれば支払利息を差し引いた100万円が年間収益となり、手出し資金の2,000万円に対する利回りは5.0%になります。
さらに、借入を2,000万円とした場合は、手出し資金1,000万円に対する利回りは8.0%となります。
このようにレバレッジの効果をうまく活用することで、小さい資金を元手にリターンの割合を増やしていくことができます。
ただし、レバレッジを用いた投資は良いことばかりではなく、借入によるリスクも伴うということも忘れてはなりません。
レバレッジを大きく持ちすぎると月々の返済額も増えますので、万が一、家賃収入が入らなくなってしまったときに損失に耐えられなくなるリスクが大きくなります。
また、月々返済額が大きいと将来金利が上昇したときのダメージが大きくなるというリスクもあります。
投資用マンションを購入するときはレバレッジが大きくなるほど比例してリスクも大きくなるということを意識し、自己資金額と融資額の割合が適切になるように検討しましょう。
その④:ポートフォリオについて
保有している資産の構成比率のことを「ポートフォリオ」と言います。
資産を増やしていく上ではポートフォリオを管理することも大切なポイントになります。
現時点で自分自身が持っている財産の内訳を把握することで、どの投資先からどれだけの収益が生まれているのか、またどこで損失が発生しているのかということが一目で分かるようになります。
また、資産運用する上では一つのジャンルに偏らないようにバランスよく様々な資産に分けてポートフォリオを組んでいくということも重要です。
構成比率をまとめておくと現時点でのバランス状況が分かりますので便利です。
その⑤:「投資」と「投機」
資産を運用する上では、投資と投機の違いについて意識しなければなりません。
「投資」は、運用を長期的に考えて堅実にコツコツと資金を増やしていくことを言います。
一方で「投機」は、価格が変動するチャンスを狙って物件を売買し、短期的に大きな利益を得ようとすることを言います。
一般的に投機はハイリスク・ハイリターンであり、勝ち負けの要素が強い行為でもあります。
例えば、「再開発により数年後に周辺の中古マンションの相場が爆上がりする」という噂を聞いて転売目的でマンションを購入する、というのは投機に近い行為です。
購入後に本当に価格が高騰すれば御の字ですし、実際にそのようなケースは存在します。
しかし、予想が外れてしまうと大きな損失が発生することになります。
情報の正確性によっては、転売によるキャピタルゲインを得ることが有効な手段となる場合もありますが、失敗すると大きな痛手を負ってしまいます。
投資は投機に比べると狙えるリターンの幅は小さいですが、適切にリスク管理することで大きな損失を負うことなく利益を成熟させていくことができます。
マンションを購入するときは、これが投資なのか投機なのかということを明確にしておき、リスクを把握しておくことが重要です。
その⑥:「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」
不動産から生まれる収入には「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の二種類があります。
「インカムゲイン」は、家賃収入のように継続的に得られる収入のことを言います。
一方で「キャピタルゲイン」とは不動産を売却したときに得られる譲渡益のことを言います。
マンションを運用する上ではインカムゲインとキャピタルゲインの両方をバランスよく狙うことが大切ですが、前の項目で説明したように売却益ありきで考えるとリスクが多くなります。
購入時点でだいたいの所有期間を決めておき、インカムゲインとキャピタルゲインのトータルが黒字のうちで買い替えができるようプランを立てるよう意識しなければなりません。
マンション投資の注意点3つ
投資にはリスクがつきものと言われていますが、マンションに投資をする上ではマンション特有のリスクを理解する必要があります。
ここからは、マンション投資をする上でのリスクと注意点について説明します。
注意点①:資産価値の下落
資産価値の下落というのはマンション投資をする上ではもっとも大きなリスクとなります。
賃貸運用は好調でも、いざ売却しようとしたときに資産価値が半減しており、インカムゲインとキャピタルゲインのトータルで見ると損失となっているというケースは失敗事例としてよく耳にします。
下落による損失が大きくならないために、物件選定の目利きはとても重要になります。
一般的にマンションは古くなっていくほど資産価値が下がっていくと言われていますが、下落スピードは築年数によって大きくことなります。
そのため購入時の築年数と売却のタイミングはリスクを小さくするためにとても大切なポイントになります。
また、マンションに限らず不動産投資は所有期間が長くなるほどリスクがだんだん大きくなっていきますので、一定年数経ったら買い替えをしていくなどしてリスクを分散することも重要です。
初めて投資物件を購入するという人にとってこのあたりの判断はとても難しいので、投資物件の扱いに長けている不動産会社に相談しながら物件の選定や売却のタイミングを決めていくことが望ましいです。
注意点②:入居稼働率の悪化
入居稼働率が想定よりも悪く、思うように賃料収入が入らないというリスクもあります。
収入が入らなくなってしまっても月々の固定経費を止めることはできないので、空室期間が長くなると資金がショートしてしまうことになります。
物件を購入する上では、前オーナーの稼働率実績や今後の賃貸需要について情報収集し、自分自身で物件の将来性を見極める必要があります。
注意点③:投資目的での住宅ローン借り入れは厳禁
近年、住宅ローンを用いて投資物件を購入するというケースが明るみとなり、社会問題に発展しているというニュースは記憶に新しいと思います。
住宅ローンはあくまで「自己居住用の不動産を購入する」ためのローン商品です。
多くの人が持ち家を所有できるために低金利で融資をしているので、住宅ローンで購入した不動産を賃貸運用することは金融機関に対しての背信行為だとみなされます。
住宅ローンの不正利用が発覚すれば、最悪な場合一括償還(残債務を一括で支払うこと)を求められることがあります。
そうなると資産運用どころの話ではなくなってしまいます。
中にはルール違反だと知らずに購入してしまったというケースもありますので、投資家としては最低限のルールとして知っておくようにしましょう。
財テクで押さえておきたいポイント4つ
ここまで投資の基本知識と注意点について解説してきました。
マンション投資による財テクを成功させるにはどのようなことを意識するべきなのでしょうか。
ここからは押さえておきたい重要なポイントについて考えていきたいと思います。
その①:賃貸需要を意識すること
マンションを賃貸運営していくためには入居稼働率は肝要になります。
賃貸の需要が高いほど安定した収入を得られることになります。
注意点の項目で説明したように、賃貸需要が低いと投資失敗につながるリスクが大きくなります。
投資物件を購入するときはなるべくたくさんの情報を集めて、物件を見極めなければなりません。
情報収集項目
- 物件検索サイトでの賃貸物件の動向を把握する
- 該当エリアにつよい賃貸仲介業者から情報を収集する
- 可能であれば前オーナーの賃貸実績を確認する
その②:出口戦略を立てること
出口戦略とは、購入した物件を最終的にどうするかという計画をあらかじめ立てておくことです。
購入したマンションを将来的に売却するのであればどの時期がベストなのかをあらかじめ見据えておく必要があります。
また、売却せずに所有し続けるというプランであっても、最終的に自分が住むのか、もしくは老朽化するまで賃貸運用し続けるのか、それはいつ頃なのか、というようにゴールをより具体的に決めておくとリスク管理がしやすくなります。
計画を立てずに中途半端なタイミングで売却をしてしまうと資産価値の下落による売却損が発生してしまい、賃貸運営中のキャッシュフローが水の泡になってしまうこともあります。
売却のベストタイミングは購入時の築年数によって大きくことなります。
築浅マンションは入居稼働率・家賃相場ともに高く高収益物件になりやすいというメリットがありますが、価値が下落していくスピードが早く、売却時に損失が出やすいというデメリットがあります。
築年数が経過していくと下落スピードはゆるやかになっていくため、売却損はでにくくなりますが、築古マンションになるほど空室や家賃値下がりのリスクが高くなります。
それぞれの物件のメリット・デメリットや特徴に適した出口戦略を立てて計画的に資産を運用していくようにしましょう。
その③:分散投資を心掛けること
マンションの運用が順調になってくると複数の物件を所有することもあると思います。
総資産が大きくなってきたらポートフォリオを意識し、バランスよく物件を保有することが大切ですが、このことを「分散投資」といいます。
分散投資の目的はリスクの低減という点にあります。
一つのジャンルの投資先に資本が集中してしまうと、景気変動などにより運用がうまくいかなくなったときに資産全体に影響してしまうおそれがあります。
複数のジャンルの資産を所有してリスクを分散することで、一つの投資先がうまくいかなくなっても他の投資先から得られる収益で損失を補填できます。
資産全体で見たとき、預貯金、株式、国債、外貨、不動産と幅広いジャンルに投資することが望ましいです。
また、複数のマンションを所有する場合においても、似たり寄ったりのマンションに偏らないように、築年数、エリア、タイプ(ワンルーム・ファミリー)などのジャンルで分けてポートフォリオを構成するようにすることでリスクを低減することができます。
その④:常に最悪なシナリオを想定しておくこと
そして最も重要なのが、「どれくらいの損失まで耐えることができるか」というラインを想定しておくことです。
投資をする上では、最悪の状況は想像したくないと考えるのが普通だと思います。
しかしながら賃貸運営をする上では、収入が入らなくなったときに手持ちのキャッシュで耐えしのがなければならないという状況に直面することがあります。
実際に損失が発生してしまうとそれがみるみる広がっていき、取り返しがつかなくなる可能性があります。
損失を放置していると、物件の差し押さえや自己破産など、本当に最悪なシナリオに行き付くおそれがあります。
損失に対しては常にシビアに想定しておく必要があり、最大化する前に場合によっては損切りで売却するということまでシミュレーションしておかなければなりません。
また、現金は多さと損失に対する耐力はイコールになります。
キャッシュフローが黒字のうちに余剰資金を蓄え、不測の事態が発生しても臨機応変に対応できるようにするということも大切です。
まとめ
財テクの一つの手段として、マンション投資について紹介しました。
数ある投資先の中でも不動産は多額の資金が動きますので、なかなか参入に踏み切れないという人も多いと思います。
しかし、的確にリスクを管理することで実際に収益をあげて資産を増やしている人も数多くいるのも事実です。
購入にあたっては物件の情報収集が大切なので、複数の業者に相談して良物件を探してみてください。
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この記事を書いた人
資格:宅地建物取引士・FP2級・行政書士試験合格
学生時代は不動産業界への強い関心があり、大学では取引関連法を学んでいました。
新卒後すぐに不動産業界に飛び込み、現在は土地売買や相続案件など幅広い実務を担当しています。得意分野は取引法務です。法律の知識をもっと深くしたいという想いから、仕事をしながら独学で行政書士の試験に合格しました。
資格取得によって身に着けた知識と実務で培った経験を活かして、不動産オーナー様のお役に立てるよう日々頑張っています。趣味は旅行。座右の銘は「我以外、皆我が師」
真地 リョウ太(ペンネーム)
30代男性