といった悩みにお答えします。
本記事の内容
- マンション購入後に発生する管理費とは?修繕積立金との違いを比較
- 管理費・修繕積立金があることのメリット・デメリット
- 最大の特徴は予期せぬ出費に備えられる事
- 修繕積立金は安ければいいというわけではない
分譲マンションなどの物件を購入した場合、住んでからの事を想定する方はあまり多くありません。
そのため、マンションに移住してからの修繕積立金などを知っている方は少ないと言えます。
本記事では、マンション購入後、移住してから発生する修繕積立金や管理費についてご紹介します。
自分に合った管理費用の相場を知っておくことも、マンションの購入を検討するうえでとても大切です。
マンション購入を検討した方は一度、管理費や修繕費用といった、購入後に発生する費用に関するマネープランを考えてみましょう。
マンション購入後に発生する管理費とは?修繕積立金との違いを比較
管理費とは、マンション共有部分の維持や管理のために使われる費用のことです。
では、「修繕積立金との違いはなんなのか?」「管理費の相場はいくらなのか?」「今後、値上がりする可能性はあるのか?」について解説していきます。
修繕積立金との違い
修繕積立金とは、一定年数の経過ごとにマンションを計画的に修繕していくための費用として、また、不足の自己や災害の理由で修繕が必要になった場合など、数年後に起こり得るかもしれない万が一に備えて積み立てたお金のことを指します。
では、管理費と修繕積立金はどう違うのか?といったことを以下の表で比較してみます。
管理費と修繕積立金
管理費 | 修繕積立金 | |
使用用途 | ・管理員人件費 ・共用設備の運転費 ・共用部分の火災保険や地震保険、またはその他災害保険料 ・経常的な補修費 ・管理組合の運営に必要な費用 | ・一定年数の経過で計画的に行う修繕 ・不測の事故や特別な理由で必要な修繕 ・敷地及び共用部分などの変更(リフォーム) |
支払者 | ・住民 (毎月家賃と一緒に住民から徴収) | ・マンション購入者 (マンション購入時初回のみ) |
上記の通りです。
管理費は、住民から毎月一定額を徴収し、修繕積立金はマンション購入者が購入時に一時的に支払うお金となります。
ちなみに、賃貸物件を探しているときに聞く「共益費」も「管理費」と考えて問題ありません。
管理費の相場
分譲マンションでの管理費の相場は、月額約15,190円です。
管理費が増えるということは、面積が広い物件の場合や管理に負担がかかると推測される場所の場合には、管理費が高くなる傾向にあります。
しかし、何階に住んでいても同じスペースであれば費用に差異はありません。管理費は、あくまでも居住スペースなどの広さによって決定されます。
値上がりの可能性はあるか
管理費と修繕積立金は、将来的に値上がりする可能性があります。
理由としては、管理組合が年間総合支出を算出した場合、現在の徴収額では足りないと判断される可能性があります。
例年問題なく徴収されている金額で問題なく管理ができる場合であれば、問題はありませんし値下げすることもありません。
しかし、経年が理由で修繕する個所が増えた場合や保険事故の増加によって保険料が上昇した場合、また、駐車場収入の減少を管理費によって賄うなどの理由によって金額が調整される可能性もあるので覚えておきましょう。
修繕積立金は、5年ごとに段階的に増額する「段階増額積立方式」と言うものを採用しているマンションが多く、将来値上がりすることが取り決められていることもあります。
住宅ローンの兼ね合いもかねて定期的に金額が見直されることもあるので、しっかりと確認しておきましょう。
修繕積立金、そして管理費は毎月の出費としてだいだい2~3万円です。
マンション購入時にこれらの金額を確認する際、購入代金と比べて安いと感じる人もいるでしょう。
一時的に見た場合は大きい金額でない場合でも、毎月のローンと合わせて支払うと苦しくなる可能性もあります。
毎月の支出を考えながら、出費を想定しつつ無理なく支払い続けられそうな物件を選ぶことが大切です。
管理費・修繕積立金があることのメリット・デメリット
管理費や修繕積立金には、いくつかのメリット・デメリットがあります。
以下では、メリット・デメリットに加え、それぞれの必要性についてご紹介します。
メリットは4つ
まずは、管理費と修繕積立金のメリットです。
メリット4つ
- 管理費や修繕積立金を支払うことで様々なサービスを受けられる
- 共有スペースが清潔に保たれている
- 場合によってはジムやプールなども利用できる
- コンシェルジュが在中してくれる
上記のように、管理費が高ければ高いほど、質の高いサービスを受けることができるので、場合によってはホテルのような環境で快適に過ごすことができるでしょう。
また、管理費が何に使われているのか公開している場合も多いので、しっかりと確認しておきましょう。
デメリットは2つ
続いて、管理費と修繕積立金のデメリットです。
デメリット2つ
- ローンと合わせて毎月の出費となる
- 利用しない場合は邪魔に感じる
上記のように、修繕積立金や管理費は毎月必ず支払わなければならない出費となります。
身の丈に合わない管理費用のマンションに入居したり、必要性を感じないサービスが展開されている場合は、管理費などの定期的な出費をデメリットと感じることがあります。
利用する予定のないものが管理費の内訳にされている場合やサービスが充実しすぎていると感じた場合には、余計な費用を抑えることで快適に過ごすことができるでしょう。
自分が支払い続けていくものなので、デメリットに感じないようよく考えながらマンション購入を決めることが大切です。
最大の特徴は予期せぬ出費に備えられる事
修繕積立金を毎月一定金額積み立てておくことで、予想外の災害などに備えることができる点は大きなメリットです。
ここからは、修繕積立金に関する様々なポイントをご紹介します。
予期せぬ事故や災害、家に関する様々な問題に備えるためにも、しっかりとチェックしておきましょう。
修繕積立金をイメージしてマンションの購入予算を組むのも大切
修繕積立金をイメージすることはとても大切で、マンション購入時にしっかりと確認しなければならないポイントでもあります。
また、修繕積立金はマンション契約の段階で確認することができます。
その場合、5年ごとに値上げされることが決定づけられているタイプかどうかも確認することができるので、よくチェックしておきましょう。
月々のローンはいくらかということや、それと合わせて問題なく支払うことができるかといったことを家計と照らし合せながらシミュレーションし、問題ない場合はマンション購入を決定すると良いでしょう。
支払うことができないにもかかわらず、住みたいマンションの共有スペースに魅力を感じて購入を決定しても、最終的に支払いができなくなって手放してしまう可能性があります。
無理なく支払えるかをあらかじめシミュレーションし、問題ない場合のみ購入を検討するようにしましょう。
マンション購入の場合にはいくつかポイントを絞って検討していくことが大切です。
修繕積立金や管理費は、そのポイントの1つとして細かく見ていくことをおすすめします。
修繕積立金は安ければいいというわけではない
マンションの管理費や修繕積立金はできれば安く済むに越したことはありません。
しかし、安ければいいというわけではないのです。
なぜなら、マンションは提供されているサービスと管理費・修繕積立金が比例する傾向にあるからです。
単に安さを求めてしまうと、設備面で不備を感じる可能性があるので注意しましょう。
チェックすべき点
- 共用施設の充実度
- サービスの量や質
特に、上記の点は要チェックです。
例えば、ジムやプールなどホテルのような設備が管理されていたり、24時間有人でコンシェルジュがいるマンションは、相場よりも管理費が高くなる傾向にあります。
とはいえ、設備が充実していれば、その分快適に過ごすことができるので、自分の身の丈に合っていると判断できる場合や、どうしてもそのサービスを受けながら暮らしたい場合には、高い管理費を払う価値は十分にあります。
逆に、そう言ったものへの願望がない方は、自分にとって大切なポイントを見つけ、安い管理費のマンションを購入する事をおすすめします。
管理費が安いマンションの特徴
管理費が安いマンションが悪いということではないですが、管理費が高いマンションに比べて、サービスや共用スペースの内容が薄くなる可能性があります。
具体的に、管理費が安いマンションの特徴は以下になります。
管理費が安いマンションの特徴
- 共用施設が少ない
- 最低限の管理しかしていない
上記のように、管理費が安いマンションの場合、最低限のサービスや管理しかしていないことが多いです。
しかし、だからといってずさんな管理と言うわけではありません。
極力外部からの人が来ないように設定されていたり、最低限の清潔さを保つだけなど、至って普通のマンションとして運営している状況と言えます。
自分のスペースは自分できれいに整えることができ、そのほかの部分は週に何度か清掃が入る程度の管理をしている状況は、とても快適と言えるでしょう。
ジムやプールなど、高級マンションに整備されている施設はないですが、その分外部でジムに入会するなどすれば補うこともできます。
管理費が安いマンションはこのように、必要最低限のみ整えている場合が多いですが、悪いわけではなく、それが快適だという人には申し分ない物件となっています。
管理費にかけるお金は必要最低限で問題ない方は、なるべく管理費が安い場所を探してみましょう。
タワーマンションは管理費が高い傾向
タワーマンションの場合、管理費は安い場合が多いです。その理由としては、入居者人数が多いからと言うものがあります。
しかし場合によっては、ほかのマンションよりも高い傾向になることもあります。
20階以上のタワーマンションの場合、月々5,000円以上になる可能性があります。理由としては、コンシェルジュの在中やスカイラウンジ、場合によってはフィットネスジムなど便利な施設が多くマンション内に入っていることで、管理費が割高になっていることがあります。
施設が充実すればするほど高くなる傾向にあるので、敷地内の面積があまりないのに管理費が相場よりも高い場合は、まず一度マンションの共有スペースに何があるのかなどを確認しておくと良いでしょう。
マンションのタイプ別月々の管理費
m2単価 | 70m2換算の毎月管理費 | ||
全体平均 | 217円 | 1万5190円 | |
規模別 | 30戸以下 | 244円~254円 | 1万7080円~1万7780円 |
31戸以上100戸 | 202円~220円 | 1万4140円~1万5400円 | |
101戸以上500戸 | 203円~216円 | 1万4210円~1万5120円 | |
501戸以上 | 214円 | 1万4980円 | |
形態別 | 20階以上 | 306円 | 2万1420円 |
修繕積立金や管理費は、マンション購入時の選び方の1つ
修繕積立金や管理費をマンション購入前にしっかりとチェックすることはとても大切です。
購入時に掛かるお金ではありませんが、入居してからは毎月払い続けなければなりません。
自身がマンションで快適に暮らすためにも、管理費や修繕積立金はなくてはならない存在です。
快適に暮らすためにも、まずは計画的に支払い続けられる金額であるかどうかをしっかりとチェックすることが大切です。
住宅ローンと合わせて問題なく支払い続けられる範囲で、自分の理想の共用スペースがある場合などは、積極的にそのマンションの購入を考えてみましょう。
管理費や修繕積立金は、マンションを選ぶ際にとても大切なポイントです。
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この記事を書いた人
資格:宅建・FP2級・通関士・総合旅行業務取扱管理者
大学生の時に一人旅に目覚め、海外50か国以上を訪れました。その経験を武器に新卒で旅行会社に入社しましたが、入社数年で倒産という憂き目にあってしまいます。悔しさをバネに宅建・通関士・FP資格を無職期間の4年でゲット!現在は不動産会社の窓口勤務ですが、コロナ渦で週休4日ペースが続いているため、新しい資格取得に向けて日々奮闘中です。趣味はペット。特技は英会話。
清水みちよ
30代女性