といった悩みにお答えします。
本記事の内容
- 成年後見制度とはどのような内容なのか?
- 成年後見制度を利用するメリットは?
- 成年後見制度を利用するデメリットは?
- どのような場合に成年後見制度は活用できるのか?
年々利用者が増えている成年後見制度。
平成28年度には利用者が20万人を超え、一般的にも認知され始めているともいえるでしょう。
しかし、一般的には、どのような制度かよくわからないといった人も多く、完全に浸透しているとは言いにくい状況です。
しかし、成年後見制度は、さまざまなメリットがあり、不動産活用にも有効利用されています。
では成年後見制度とはどのような制度なのでしょうか?
この記事では、成年後見制度の特徴や、メリットデメリット、成年後見制度を活用できる場面などについて解説します。
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成年後見制度とはどのような内容なのか?
自分の親が認知症などになり、自分の意思で何か行動するのが難しいと感じる場合、利用するのが成年後見制度です。
しかし、成年後見制度には複数の種類がありますので、きちんと理解して成年後見制度を利用しようとしている人の健康状態などから選択する必要があります。
まずは、成年後見制度の種類や特徴について解説します。
①:成年後見制度の特徴と種類
成年後見制度とは、認知症や障害などにより、その人では財産を管理する能力がないと判断された人に対し、財産を保護することを目的とした制度です。
成年後見制度は法定後見と任意後見の2種類に分類されます。
法定後見とは、家庭裁判所が財産を管理する人を決定しますが、認定された人は財産を管理する役目を担わなければいけません。
もう一つの任意後見は、あらかじめ財産の保護を受けようとする人が、まだ判断能力がしっかりしているころから後見人を選任する方法です。
そして財産を保護する能力が喪失したとなった場合に家庭裁判所に申し立て、手続きを行います。
法定後見の場合は、希望した人が必ず財産を保護できると裁判所が決めるわけではありません。
また、法定後見制度には3つの種類があります。
- 成年後見人
- 保佐人
- 補助人
これら3つの種類における内容を詳しく解説します。
②:成年後見人
認知症などの症状が重度であり、著しく判断能力に欠けると認定される場合には成年後見人の制度を利用します。
財産を管理する人を成年被後見人といい、成年後見人が財産管理などを行わなければいけません。
基本的には親族や申立人が選任されることが一般的です。
しかし、裁判所から認定を受けることができず別の人物を成年被後見人として選任されるケースがあります。
この場合、弁護士や司法書士といった法律の専門家が選ばれるので報酬が発生する可能性が高くなるのです。
自分が成年被後見人と認定されなかった場合も含め、報酬額など申立人はきちんと把握しておかなければいけません。
成年後見人が法定後見制度の中で最も制限が大きく、成年被後見人が行った行動のすべてにおいて監視し、取り消すことが可能です。
③:保佐人
重度ではありませんが軽度の認知症と認定された場合に利用できる制度が保佐人です。
選任方法などについては全て成年後見人と同じ方法により選任されます。
成年後見人と保佐人で違う部分は、成年後見人がすべての行動に対し制限されるのに対し、保佐人は一定の行動のみ制限されるといった点です。
被保佐人が財産を侵害するような行為を行った場合に関し、取り消し権を有します。
日常における買い物程度の行為においては成年後見人と異なり、取り消しする権利を持ちません。
成年後見人と比べ若干制限が緩和されている制度といえるでしょう。
④:補助人
最後に補助人について解説します。
補助人の場合は、まだ認知症にはなっていないが物忘れなどの程度が大きくなっている場合などにおいて活用されています。
申し立て方法などについては、成年後見人、保佐人と変わりはありません。
しかし、保佐人よりもさらに制限が緩和されますが、財産を侵害するような行為において著しい場合は、取り消し権を有します。
保佐人と内容に大きな変化はありませんが、保佐人よりさらに補助人の責任範囲は少なくなるといったところでしょう。
成年後見制度を利用するメリットは?
ここまでは、成年後見制度の概要や、種類などについて解説しました。
では、実際に成年後見制度を利用することにより、どのようなメリットを受けることができるのでしょうか?
まずは、成年後見制度を利用するメリットについて解説します。
①:財産を守るために流動することができる
最も大きなメリットであり、多くの人が、成年後見制度を利用する目的として挙げられるメリットが財産を守ることができるという点です。
実際に、認知症の怖れがある人物に、明らかに質の悪いものを販売することや、財産をだまし取るといったことが起こっています。
判断能力がないのに騙されてしまい借金まみれになってしまうことも考えられるでしょう。
このような被害を防ぎ、親族や周りの人たちが財産を守る制度として大きなメリットがあるのです。
また、日常生活における振り込みや銀行との取引等、重度の認知症でままならない場合も、成年被後見人が代行して行うことができます。
財産をも守ることも、財産を流動することもできるようになり、成年被後見人が安心して生活できるように行動することができる点もメリットです。
②:契約の取り消しができる
契約の取り消しができる点もメリットとして挙げられます。
財産を侵害するような契約をしてしまった場合、無条件で契約を取り消すことが可能です。
後見人の承諾なしに不必要な契約をしまった場合、後見人が契約後にその事実を知った場合でも取り消し権を有している成年後見人は契約を取り消すことができます。
つまり、財産を減らすことを防ぐことが可能なのです。
保佐人や補助人になると日常的な買い物までの取り消し権は持っていませんが、成年後見人となると、日常生活の買い物などにも制限を有します。
成年後見人になると、非常に大きな責任を負うことになりますが、基本的にどのような契約でも取り消し権を持っていると考えていいでしょう。
このように契約を取り消す権利を持つことで、第三者からの侵害を防ぎます。
③:財産の管理ができる
財産を守ることもできます。
あまり考えたくはないのですが、親族が財産を使い込んでいる場合があるのですが、後見人になっていないと財産を管理できないので、阻止することができません。
成年後見人になると、財産管理ができますので、このような使い込みを防ぐことができるでしょう。
預貯金の引き出しを後見人以外ができなくなりますのでさらに使い込みなどのリスクを防ぐことができます。
また、不動産の売却なども一定の要件下では可能です。
成年後見人が自分の印鑑で、売買契約や不動産登記を行うことができます。
認知症などで財産管理に不安がある場合は、成年後見制度を活用し、その人も財産をしっかりと管理しなければ後々大きなトラブルとなるでしょう。
成年後見制度を利用するデメリットは?
成年後見制度を利用するのはメリットばかりではありません。
デメリットもありますので、しっかりとデメリットも認識しておく必要があります。
ここからは、成年後見制度を利用した場合のデメリットについて解説しましょう。
①:費用がかかる
成年後見制度を利用する場合、家庭裁判所への申し立てが必要となり、費用が発生します。
では、どの程度の費用が発生するのでしょうか?
申し立てにあたり、手数料がかかりますが、手数料は収入印紙を貼り付けることにより支払うことになります。
費用は3,400円程度です。
また、申し立て後に、裁判所がさまざまな書類を郵送しなければいけません。
その際にかかる費用をあらかじめ切手として納める必要があります。
成年後見人の場合は3,270円分。
保佐人や補助人の場合は4,210円です。
しかも切手の種類まで定められていますので、事前に確認し準備しなければいけません。
後見についての審判が始まると、裁判所は対象者の精神状況を鑑定する必要があります。
この鑑定費用は、指定される病院などによって異なりますが10万円前後を見ておく必要があるでしょう。
このような費用がかかる点がデメリットとして挙げられます。
②:資産活用はできない
基本的に後見人に認定されると、後見人は財産の管理を行うことが可能です。
財産を動かすこともできますが、基本的に財産を動かす場合は、財産を保護するケースに限られます。
これは、成年後見人でも保佐人、補助人でも変わりません。
つまり、資産活用の一環として財産を活用することはできないのです。
財産を守る目的で後見人がいるのに、資産活用して財産を減らしてしまっては何のための後見人なのかということになってしまいます。
また、今まで贈与している場合などに関しても成年後見人の監視下に置かれると、贈与はできません。
基本的には財産を失う恐れのある行為はできないといえるでしょう。
財産を減らさないことや財産の保護を第一目的としていますので、この観点から資産活用はできません。
③:手続きが煩雑
先ほどから、成年後見制度を利用する場合、家庭裁判所への申し立てが必要と前述しました。
しかし、もう一つのデメリットとしてこの申し立てが煩雑になる点が挙げられます。
まずは、家庭裁判所への申し立てを行い、書類の準備が必要です。
書類の中身が非常に多く、戸籍や財産目録なども必要になります。
まず書類が非常に多いという点が煩雑さの要因であるひとつです。
書類を準備すると裁判所からの面接なども受けなければいけません。
面接が終わりやっと審査から審判へと繋がります。
その後、後見登記を行い、裁判所に対して定期的な報告を行う必要があるのです。
このような手続きを踏まえ、後見人として認定されます。
手続きが非常に煩雑なため、あらかじめ弁護士や司法書士などに後見の手続きを依頼することも可能です。
しかし、手続きに関する費用が10万円~30万円程度かかりますので、手間を省くと費用がかかることになるでしょう。
このような点もデメリットとして挙げられます。
どのような場合に成年後見制度は活用できるのか?
ここまでは、成年後見制度の概要や特徴、メリットやデメリットなどについて解説しました。
では、実際に成年後見制度はどのようなケースにおいて活用できるのでしょうか?
ここからは、成年後見制度を活用した方がいいパターンについて解説します。
①:認知症など正常な判断ができない
何度か述べていますが、認知症など正常な判断ができなくなった場合においては、成年後見制度を活用した方がいいでしょう。
もし財産がなかった場合でも、正常な判断ができないと、明らかに質の悪いものを売りつけられるかもしれません。
正常な判断ができないとはいえ、成年後見していなければ、どんな契約も有効となってしまい借金を背負ってしまうことも考えられるのです。
認知症まではいかなくとも認知症の初期状態や、ボケの範囲で収まっている場合においても保佐人や補助人となり、財産を守ることができます。
そもそもが、認知症などにケースにおいて活用できる目的で制度ができていますので、親が認知症などの場合は、是非とも活用したい制度です。
②:財産を動かしたい場合
財産を動かしたい場合においても成年後見制度は活用しやすい制度です。
例えば、介護施設に入所させたい、病院に入院させたい場合、預貯金の引き出しや定期の解約などを行えなければ、入れたくても入れることができないかもしれません。
しかし、成年後見制度を利用し、後見人となると、財産の管理は任されますので、介護施設の入所費用や入院費用などを本人の財産から動かすことが可能です。
また、入院費用や介護費用が捻出できず、後見人の財産を処分しなければいけないことがあるかもしれません。
資産活用ではなく、このような、日常生活を送る上でやむを得ない場合は、不動産の売却なども後見人は行えます。
財産を動かさなければいけない場合なども後見制度を利用した方がいいでしょう。
③:介護や監護が必要な場合
介護などの関係で入所の手続きを行う場合や介護保険の手続きなど介護に関することに関して本人しかできない場合があります。
しかし、本人は認知症で正常な判断ができない場合などは、後見制度を活用し代理人として手続きを行うことが可能です。
また、本人が生活することで欠かせない監護面でも本人が正常な判断ができないため、監護がうまくできないことがあるでしょう。
しかし、後見制度を活用し後見人となることで本人の日常生活を支えることができます。
④:遺産分割したい
例えば、両親が健在で、お母さまが認知症の中、お父様が亡くなったとすると、遺産分割協議にお母さまは参加できません。
しかし、遺産分割協議は相続人全員が揃って初めて協議が可能なのです。
この場合、お母さまの後見人となることで遺産分割協議を円滑に取り仕切ることが可能です。
またお父様の財産を相続したお母さまの財産管理も後見人ができるようになりますので、後見制度を活用することで、ふたつのメリットを得ることができます。
まとめ
まだまだ一般社会に十分に浸透していないとはいえ成年後見制度は、自分たちの親が老後において認知症になった場合などの局面で非常にメリットがある制度です。
後見人になることで、親の財産管理や介護などにおいて大きなメリットを得ることができます。
しかし、費用面や手間の面では少し煩わしいと感じるかもしれません。
早めに親の介護や認知症になった場合の対策などを想定し、成年後見制度の活用も視野に入れ前もって対策しておくことをおすすめします。
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この記事を書いた人
資格:宅建・FP2級・通関士・総合旅行業務取扱管理者
大学生の時に一人旅に目覚め、海外50か国以上を訪れました。その経験を武器に新卒で旅行会社に入社しましたが、入社数年で倒産という憂き目にあってしまいます。悔しさをバネに宅建・通関士・FP資格を無職期間の4年でゲット!現在は不動産会社の窓口勤務ですが、コロナ渦で週休4日ペースが続いているため、新しい資格取得に向けて日々奮闘中です。趣味はペット。特技は英会話。
清水みちよ
30代女性