
といった悩みにお答えします。
本記事の内容
- マンション購入時に知っておきたい4つの権利
- 定期借地権付きのマンションとは
- 定期借地権付きのマンションを購入するメリット2つ
- 定期借地権付きのマンションを購入するデメリット3つ
- 定期借地権付きのマンションを売却する際の注意点3つ
マンションなどの不動産を購入する場合必ず行わなければいけないのが登記です。
しかし、初めてのマンション購入となるとそもそも登記とはどのようなものなのかがわからないという人も多いのではないでしょうか?
この記事ではマンション購入時の登記について、そもそも登記とはどのようなものか?
マンションを購入する場合の権利とはどのようなものか?
権利の種類にはどのようなものがあるのかといった点について解説します。
マンション購入時に知っておきたい4つの権利
まずは、マンションを購入する前に知っておくべき権利を4つご紹介しておきます。
- 所有権
- 抵当権
- 敷地権
- 借地権
1つずつ解説していきます。
その①:所有権
所有権とは、該当する不動産を所有している人が明示される権利のことです。
権利部の甲区である、所有権に関する事項に記載されています。
登記の目的には所有権保存と記載され、受付年月日や受付番号も表示されているでしょう。
一番右の欄には所有者の住所者所有者名が明示されており、誰が所有しているのかがここでわかります。
所有者の住所が変更になった場合や、所有者が変わった場合は、遅滞なく変更の届出を行わなければいけません。
きちんと登記を行っていなければ、所有権を第三者に対抗できない可能性があります。
不動産を購入した場合は必ず登記を行うことを心がけましょう。
その②:抵当権
抵当権とは、この不動産を担保としてお金を借りた場合に設定される権利のことです。
マンションを購入した場合、多くは住宅ローンを利用します。
この場合、購入するマンションを担保として住宅ローンを組みますので、住宅ローンを融資する金融機関が抵当権を設定するのです。
抵当権は登記簿の乙区に記載されます。
登記の目的には抵当権と記載されており、受付年月日や受付番号なども所有権と同様です。
一番右に抵当権設定者とお金を借りた人の名前が記載されており、借りた金額や利率も記載されています。
この記載欄にアンダーラインが引かれていることがありますがこれは、抹消事項といって、すでに抵当権が無くなっている、つまり返済し終わったということです。
住宅ローンを利用している場合は、抵当権が上記のように記載されていますので確認しておきましょう。
その③:敷地権
敷地権とは、マンションの敷地に関する権利のことを指します。
一般的に、マンションを購入して建物の所有権を有する場合、建物の所有権と敷地を利用する権利は分離できないとされています。
敷地を利用する権利が敷地権として設定されているのです。
敷地権には所有権や借地権があり、どちらにしても建物部分の登記事項に敷地利用権として記載されているのです。
マンションの売買があったときの手続きが簡略されます。
その④:借地権
借地権とは、土地の所有者から土地を借りている状態であることです。
つまり、購入したマンションの敷地部分の権利が借地権だった場合は、土地を所有者に借りて建築したマンションということになります。
土地が所有権のマンションと借地権のマンションではいくつか異なる点があり、メリットやデメリットも双方異なるのです。
所有するマンションの敷地が所有権なのか借地権なのかはしっかりと理解しておきましょう。
定期借地権付きのマンションとは
マンションの販売チラシなどを見ていると、まれに定期借地権の権利付きといったマンション販売を見かけることがあります。
この定期借地権付きマンションとは一体どのようなマンションなのでしょうか?
定期付き借地権について解説します。
定期借地権とは
定期借地権とは、土地の所有者から一定期間土地を借りている権利のことです。
つまり定期借地権付きのマンションとは、土地の所有者から一定期間建物の土地を借りて建設したマンションを指します。
このようなマンションでは、土地の権利を有することはできません。
つまり、建物のみを所有しているということになります。
土地は借りていることになりますので、場合によってはマンションを購入後、地代を支払わなければいけないかもしれません。
定期借地権は後述しますがいくつかの種類に分かれていますので違いを理解しておきましょう。
定期借地権の種類
定期借地権付きマンションの場合、一般的には一般定期借地権が設定されていることが多いのですが、その他にも定期借地権の種類があります。
3種類の定期借地権があり、それぞれに違いがあります。
以下で、3種類の定期借地権を表にまとめています。
一般借地権 | 事業用借地権 | 建物譲渡特約付借地権 | |
契約期間 | 50年以上 | 10年~50年 | 30年以上 |
利用の目的 | 利用に関する制限なし | 事業用に限る | 利用に関する制限なし |
契約終了後 | マンション解体・更地渡し | マンション解体・更地渡し | 土地の所有者が建物を買い取る |
都心部などにおいては建物譲渡特約付き借地権が設定されているケースが散見されます。
同じ定期借地権でも大きく異なりますので、どの定期借地権が設定されているかをしっかりと理解しておかなければいけません。
近年は、定期借地権付きのマンションが増えているといえるでしょう。
定期借地権付きのマンションを購入するメリット2つ
定期借地権付きのマンションを購入するメリットは以下になります。
- 安い価格で購入が可能
- 税金がかからない
1つずつ解説していきます。
メリット①:安い価格で購入が可能
定期借地権付きのマンションは、一般的に普通のマンションよりも安い価格で購入が可能といわれています。
土地が自分の所有にならない分、価格が安く設定されているのです。
場合によっては、通常の相場より2割程度安く設定されている場合もあり、エリアによっては非常に割安感を感じるでしょう。
特に、都心部にある地価が高いマンションなどは、割安感を感じて購入することができます。
メリット②:税金がかからない
定期借地権付きのマンションには税金がかかりません。
マンションを購入すると、「固定資産税」と「都市計画税税金」を支払う必要があります。
これらの税金は、マンションなどの不動産を所有すると必ず納税しなければいけません。
納税先は、地方自治体となり自治体より4月から6月頃に納税通知書が送られてきます。
固定資産税と都市計画税の対象となる不動産は土地と建物双方にかかる税金です。
敷地権が所有権であるマンションの場合は、建物のほかに土地部分に関しても固定資産税と都市計画税の納税を行わなければいけません。
しかし、定期借地権付きのマンションの場合、建物の固定資産税は必要なのですが、土地部分に関しては借地なのでこれらの固定資産税や都市計画税を支払う必要はありません。
建物のみの固定資産税や都市計画税だと、年数の経過とともに税金が安くなる傾向にあります。
土地部分の税金がかからず、建物のみの固定資産税と都市計画税なので、あまり税金がかからない点もメリットといえるでしょう。
定期借地権付きのマンションを購入するデメリット3つ
定期借地権付きのマンションを購入するデメリットは以下になります。
- 借地料が必要
- 売却に不安が残る
- 住宅ローンに不利なケースがある
1つずつ解説していきます。
デメリット①:借地料が必要
土地を借りてマンションを購入しているので借地料を支払わなければいけません。
場合によっては、非常に高額な借地料となりますので、購入金額が安かったとしても借地料を支払うと、あまり変わらないということにもなるでしょう。
マンションを保有している限り、借地料を支払わなければいけませんので、諸費用として確認しておきましょう。
デメリット③:売却に不安が残る
売却に不安が残る点もデメリットといえるでしょう。
定期借地権付きのマンションは売却に対し普通のマンションのように自分だけの判断で売却することができません。
土地の所有者の承諾をもらわなければ売却ができないのです。
また、築年数が経過しているマンションだと、残存期間が限られてしまうので、買主を見つけるのに普通のマンションよりも難しい面があります。
例えば、定期借地権付きのマンションで築35年が経過しているとすると50年契約の場合、残り15年しか住めないということになるでしょう。
そうなると、なかなか買主を見つけることが難しくなってしまうのです。
売却面で不安が残ってしまう点が大きなデメリットといえるでしょう。
デメリット③:住宅ローンに不利なケースがある
住宅ローンの審査において定期借地権付きマンションは不利なケースがあります。
そもそも、住宅ローンを設定する場合、そのマンションにどの程度の価値があるのかといった点が審査では大きなポイントです。
土地と建物に抵当権を設定し担保に供されますが、前述したように土地は所有しませんのでそれだけ担保価値が少ないということになります。
そのため住宅ローンを組める額が低くなってしまうといえるでしょう。
いくら価格が相場より安かったとしても住宅ローンが組みにくいともなると、購入層は限られてくる可能性があります。
特に注意が必要なのが、築年数が経過している定期借地権付きのマンションです。
残存期間が少なくなってしまうので、より住宅ローンにとってはマイナス要因となります。
築年数と借りることができるローンの期間についてはしっかりと注意しておきましょう。
定期借地権付きのマンションを売却する際の注意点3つ
最後に、定期借地権付きのマンションを購入するデメリットは以下になります。
- 借地料が必要
- 売却に不安が残る
- 住宅ローンに不利なケースがある
1つずつ解説していきます。
注意点①:土地所有者の許可
前述しましたが、定期借地権付きマンションを売却する場合は、土地の所有者の許可が必要となります。
では定期借地権付きのマンションでは、どうしても許可が得られない場合は売却できないのかと言ったらそうではありません。
定期借地権付きマンションを売却するのに正当な理由があると認められる場合には借地非訟制度を利用することが可能です。
借地非訟制度とは、裁判によって、土地所有者に代わり売却の許可を出します。
ただし、裁判にまで持ち込むとなると所有者との関係は大きく悪化することにもなりかねませんので裁判にまで持ち込むのは最終手段となるでしょう。
しかし、土地所有者の許可なく売ることは非常に難しいですが不可能ではないということになります。
注意点②:許可に関する費用
では、土地の所有者に売却を認めてもらうにあたり費用はかかるのでしょうか?
定期借地権付きのマンションを売却するということは、同時に借地権も売却するということになります。
土地の所有者は、借地権を売買されるので借地権売却に関する許可と同時に名義書換料を請求することが多いといえるでしょう。
多くは借地権価格の10%程度だといわれています。
では、借地権価格はどのように設定されているのでしょうか?
一般的に最も多いのは土地の相場価格の6割前後といわれています。
つまり、土地の相場価格が2,000万円だった場合の借地権価格は1,200万円。
名義書換料は、借地権価格の10%程度なので120万円が名義書換料となるのです。
それなりに大きな金額になるのが分かるでしょう。
定期借地権付きマンションを売却する場合は、普通のマンションとは異なり、土地の所有者に対し名義書換料が必要になる点をきちんと理解して売却を進めなければいけません。
また、一般的に不動産の売却は、不動産会社に依頼して売却を進めます。
しかし、定期借地権付きのマンションを売却した経験がある不動産会社はそう多くはありません。
あまり慣れていないということもありますので、経験がある不動産会社を選ぶこともポイントといえるでしょう。
注意点③:借地権の種類が売却に及ぼす影響
先ほど、借地権には3つの種類があると前述しました。
例えば一般定期借地権は、50年以上の契約期間があり、契約終了後は解体更地渡しとなっています。
そのため、築年数が経過すればするほど売却がしにくくなってしまうのが特徴として挙げられるでしょう。
しかし、それより短い契約期間の定期借地権は、建物譲渡特約付借地権です。
30年と期間は一般定期借地権より短いのですが、30年後は借地上の建物を土地所有者に相当の対価で譲渡する特約をしています。
つまり、築年数が経過していても最終的には土地の所有者が買い取りますので安心して住み続けることができるといえるでしょう。
このように同じ定期借地権でも種類によって売却には大きく影響します。
まとめ
マンションを購入する場合、さまざまな権利関係をしっかり理解しておきましょう。
所有権や抵当権、敷地権などは特に身近に接する権利です。
内容をしっかりと把握して、自分の権利をきちんと登記しなければいけません。
また、定期借地権付きマンションの購入も最近増えています。
普通のマンション購入と比較すると、メリットもデメリットもありますのでマンション購入時、選択肢の一つにしてはいかがでしょうか?
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この記事を書いた人
資格:宅建・FP2級・通関士・総合旅行業務取扱管理者
大学生の時に一人旅に目覚め、海外50か国以上を訪れました。その経験を武器に新卒で旅行会社に入社しましたが、入社数年で倒産という憂き目にあってしまいます。悔しさをバネに宅建・通関士・FP資格を無職期間の4年でゲット!現在は不動産会社の窓口勤務ですが、コロナ渦で週休4日ペースが続いているため、新しい資格取得に向けて日々奮闘中です。趣味はペット。特技は英会話。
清水みちよ
30代女性