といった悩みにお答えします。
本記事の内容
- 不動産投資における駐車場経営の種類
- 駐車場経営の3つの経営方式
- 不動産投資で駐車場経営を選ぶメリット
- 不動産投資で駐車場経営を選ぶデメリット
- 駐車場経営を成功させるポイント
不動産投資には賃貸経営などさまざまな投資方法がありますが、その中でも注目を集めているのが「駐車場経営」です。
駐車場経営なら他の不動産投資方法に比べ初期費用が抑えられるなどのメリットがあり、検討している方も多いでしょう。
しかし、駐車場経営にもデメリットがあるため、デメリットを正しく理解しておかなければ経営に失敗してしまう可能性もあるものです。
この記事では、駐車場経営の種類や方式、メリット・デメリットについて分かりやすく解説します。
併せて、駐車場経営の成功のコツも紹介するので参考にしてみてください。
これから不動産投資を始めるという方は、以下の記事をご覧ください。
【初心者向け】不動産投資の始め方!7つのステップで徹底解説!
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不動産投資における駐車場経営の種類
駐車場経営は、「貸し方」によって大きく次の2つの種類があります。
- 月極駐車場
- コインパーキング
その①:月極駐車場
月極駐車場とは、1ヶ月単位で契約する駐車場のことを言います。
月ごとの契約となるため、一度契約すると長期間安定した収入を得ることが可能です。
また、青空駐車場などのように特別な設備も必要ないため初期費用も抑えられ、管理などの手間や費用もそれほど掛かりません。
契約期間中は安定して収入を得られますが、一度契約が終了してしまうと次の契約者を見つけるまでに時間が掛かる可能性がある点には注意が必要です。
その②:コインパーキング
駐車時間ごとに料金が発生する時間貸駐車場のことを言います。
月極駐車場の場合、月の収益は契約によって決まっているので収入の上限があります。
その点、コインパーキングは稼働率を上げられれば月極駐車場よりも高い収益を見込めるという特徴があります。
ただし、立地や周辺環境・曜日などに稼働率が左右されるため、収入が日によって異なり不安定になりがちな点には注意が必要です。
また、コインパーキングの場合は機械などの設置や維持のコストも必要となります。
駐車場経営の3つの経営方式
駐車場の経営方法としては、大きく次の3つがあります。
- 自己運用方式
- 管理委託方式
- 一括借り上げ方式
それぞれ見ていきましょう。
その①:自己運用方式
自分で駐車場の運用をするのが、自己運用方式です。
自己運用方式の場合、駐車場収入はすべて自分の収入にできるというメリットがあります。
稼働率を上げられればその分収益性を高めることも可能です。
反面、稼働率が低ければ収入が大幅に減少する点には注意しなければなりません。
月極であれば集客や利用者との契約・トラブル対応なども自分で対応しなければならず、運営や管理の負担が大きくなるものです。
その②:管理委託方式
管理委託方式は、駐車場運用は自分でしながらも、集客や契約・トラブル対応と言った日常的な管理や運営を管理会社に委託する方式です。
管理をすべて委託会社に任せられるので日常的な管理の負担は掛かりません。
しかし、管理会社への委託料が発生する点には注意が必要です。
一般的には、賃料収入の5%~10%程の委託料が目安となります。
また、駐車場整備の初期費用は自分で負担しなければならない点も気を付けましょう。
その③:一括借り上げ方式
一括借り上げ方式とは、駐車場の運用会社に土地を貸し出し、毎月賃料を得る方法です。
駐車場の整備や運営・管理を運営会社がすべて負担するので、初期費用や管理費は掛からず管理の手間も必要ありません。
駐車場の稼働率に関わらず一定の賃料を得られるので、安定して収入を得られるというメリットもあります。
ただし、駐車場の稼働率が高い場合でも収入額は変わらないため高い収益は見込めないので注意しましょう。
不動産投資で駐車場経営を選ぶメリット
駐車場経営のメリットには、次のようなことが挙げられます。
- 初期投資額が少なめ
- 狭い土地でも始めやすい
- 他の投資に移行しやすい
メリット①:初期投資額が少なめ
駐車場経営の大きなメリットが、他の不動産投資に比較し初期費用を抑えられるという点です。
マンションやアパートへの投資の場合、数千万円から億単位の初期費用が必要となります。
その点、駐車場経営であれば、初期費用は駐車場の整備費や機械の設置費用くらいです。
土地整備や設備費用の目安
土地整備費:アスファルト舗装5,000円/㎡
精算機設置:50万円程
ロック板設置:10万円程
看板設置:15万円程
上記のような初期費用が発生しますが、アパートなどのように建物を建設や購入するわけではないので、かなり費用は抑えられます。
また、青空駐車場のように最低限の整備で運用すれば、より費用を抑えることも可能です。
また、駐車場経営の場合、整備や機械の設置に必要な期間も短く、2~3週間ほどで運営をスタートできる点もメリットと言えます。
メリット②:狭い土地でも始めやすい
駐車場経営の場合、車1台停められる広さがあればスタートすることも可能です。
車1台の駐車場に必要な面積の目安は、6.0m×2.5m=15㎡となります。
また、それ以下の土地や変形した土地であっても、軽自動車専用やバイク専用の駐車場にするという選択も可能です。
所有している土地の条件が比較的悪い場合でも、駐車場経営ならスタートしやすいでしょう。
メリット③:他の投資に移行しやすい
駐車場経営なら、別の不動産投資に移行したい場合でも比較的短期間・低コストで移行できるというメリットもあります。
アパートやマンションの場合、他の土地活用に移行しようとすれば、建物の解体が必要になり期間もコストもかかります。
その点、駐車場であれば更地に戻すのも次の建物を建設するのも、比較的簡単にできるでしょう。
ただし、委託会社や運用会社と契約している場合は、すぐに次の運用ができない点には注意が必要です。
途中解約では違約金が発生する可能性もあるので、契約時には契約書の内容をしっかり確認するようにしましょう。
不動産投資で駐車場経営を選ぶデメリット
駐車場経営のデメリットとしては、次の3つが挙げられます。
- 節税メリットが少ない
- 大きく稼ぎづらい
- 競合しやすい
デメリット①:節税メリットが少ない
土地を所有している場合、固定資産税・都市計画税が課せられます。
固定資産税・都市計画税では、土地に居住用の建物が建っている場合は税金の軽減措置を受けられるという特徴があるのです。
軽減措置を受けることで、固定資産税評価額の3分の1~6分の1にまで税金を抑えることができます。
しかし、駐車場経営の場合居住用の建物を建設しないため、軽減措置を受けられません。
そのため、アパートやマンションを建設する場合に比べ、土地に課せられる固定資産税・都市計画税が高額になる点には注意が必要です。
駐車場経営で収益を上げても税金分にしかならないというケースもあるので、税額と主益性のバランスを見極めるようにしましょう。
デメリット②:大きく稼ぎづらい
駐車場の場合、アパートやマンションのように数階で賃貸できるわけではなく、1階部分のみの運用のため収益性は低くなるものです。
仮に、10台分駐車スペースで月1万円の契約の場合、満車でも月10万円の収入にしかなりません。
コインパーキングの場合は、1時間500円・一日稼働4時間として場合、10台の駐車スペースの場合、月の収入は500円×4時間×10台×31日=62万円となります。
しかし、実際は常に満車と言うのは難しいでしょう。
一方、アパートの場合、家賃8万円で6戸運営すれば、そのうち1戸が空室でも月40万円の収入になります。
また、月極の場合は契約者が現れなければ収入を得られず、コインパーキングは毎日の稼働率に収入が左右され不安定になります。
特に、土地を購入して駐車場経営をスタートする場合、ローン返済も必要になってくるのでより収益を高めることが難しくなるでしょう。
デメリット③:競合しやすい
駐車場経営や比較的始めやすいため、収入が見込める土地では他の事業者が参入してきやすい点には注意が必要です。
近くに競合が多ければ料金を下げなければならず収入が低下してしまいます。
競合が少ないエリアを狙うことも可能ですが、駐車場の需要のないエリアでスタートしても収入を上げることが難しくなるでしょう。
駐車場経営を成功させるポイント
駐車場経営を成功させるポイントとして、次の2つを紹介します。
- 相続した土地などで検討するのがおすすめ
- 何より立地が重要
その①:相続した土地などで検討するのがおすすめ
駐車場経営は土地から購入するのではなく、すでに持っている土地や相続した土地でスタートすると成功する可能性が高くなります。
駐車場経営では、収益性が高くなく高額な固定資産税も課せられるので高い収益を得るのが難しいものです。
そのうえで土地を購入してローン返済が必要な状況では、収益を得るどころかマイナスということもあるでしょう。
反対にすでに土地を所有しているなら、土地の購入費用を掛けずに駐車場経営をスタートできるので収入を得やすくなります。
また、駐車場経営や比較的短期間でスタートでき経営を辞めやすい投資でもあるので、別の土地活用をするまでの間で経営するということも可能です。
すでに持っている土地の活用方法に悩んでいる場合などで、一時的に駐車場経営するという選択もできるでしょう。
その②:何より立地が重要
駐車場経営は立地に大きく左右されるため、土地選びが重要なポイントとなります。
まずは、利用者から分かりやすい土地や利用しやすい土地と言うが重要です。
駐車場の場合、車の出入りが前提となるので前面道路の幅が広い方が有利になります。
車が出入りしやすい立地やレイアウトかと言った運転手が利用したくなるような土地であることが重要です。
また、駐車場経営の場合、月極かコインパーキングによっても適している土地が異なるので注意しましょう。
- 月極駐車場向きの土地
- 近くにアパートやマンションなどのある住宅街
- 駐車場のない飲食店やテナント・オフィスが近くにある
月極駐車場は毎日のように利用されることが前提とも言えます。
そのため、住宅街や駐車スペースのないテナントやオフィスがあると需要が高くなる傾向があるのです。
- コインパーキング向けの土地
- 駅前や商業施設の近く
- 銀行や病院の近く
- 観光地の近く
コインパーキングは短時間での利用者がターゲットとなるので、観光施設や病院と言った一時的に利用する施設の近くが有利になります。
ただし、周辺環境の変化に影響を受けやすい点にも注意しなければなりません。
経営スタート時は需要が見込める土地でも、数年後に別の駐車場が設置された場合や別商業施設やテナントがなくなった場合なのでは、収入に影響が出てしまいます。
現在のニーズだけでなく、将来的な開発予定などを含めたニーズを調査して検討することが重要です。
まとめ
駐車場経営での不動産投資についてお伝えしました。
駐車場経営は、初期費用を抑えられ狭い土地でもスタートしやすいという特徴があります。
しかし、収益性は立地によって大きく左右されるので、土地選びが重要なポイントとなるのです。
この記事を参考に、駐車場経営について理解し、駐車場経営を検討してみてください。
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この記事を書いた人
資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)
地方銀行、不動産会社を経て金融や不動産関連の情報をお伝えするフリーライターとして活動しています。
実務で得た知見を活かして、記事を読まれる方の困りごと解決に役立てられたらと考えています。
逆瀬川勇造
30代男性