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マンション購入後にかかるランニングコストは6つ【一戸建てとの比較】

マンションを購入したいのですが、どのくらいのランニングコストがかかるのでしょうか?の結果、なかなか良いマンションが見つからないのですが、やはりある程度の妥協は必要なのでしょうか?

といった悩みにお答えします。

本記事の内容

  • マンション購入後にかかるランニングコストは6つ
  • 一戸建てとの比較
  • ランニングコストを考慮した資金計画を!

マンションを購入すると、月々の住宅ローン返済以外にもランニングコストが発生します。

無理なく支払いを続けていくためには、購入前に毎月の住宅にかかる支出がいくらになるのかというシミュレーションを立てなければいけません。

この記事では、マンションを所有することで発生するランニングコストの内容について詳しく解説します。

マンション購入後のランニングコストには、どのようなものがあるのかしっかりと把握した上で、マンションを購入しましょう。

マンション購入後にかかるランニングコストは6つ

マンション購入後にかかるランニングコストは、主に以下のの6つになります。

  1. 管理費
  2. 修繕積立金
  3. 駐車場使用料
  4. 解体積立金
  5. 固定資産税・都市計画税
  6. その他

それぞれの内容について順番に解説します。

その①:管理費

分譲マンションの建物は、各区分所有者の所有物である「専有部分」と、エントランスや廊下などのように全区分所有者が利用する「共用部分」の二つに分けられます。

専有部分は各区分所有者が管理しますが、共有部分については居住者が快適に生活するために区分所有者全員が連帯して維持・管理を行わなければなりません。

共有部分を管理していくために徴収する必要費用が、マンション管理費です。

管理に必要な業務は外部受託会社である管理会社が入居者に代わって行います。

管理費には主に以下の項目が含まれており、すべての費用を合算した金額を専有面積の割合に応じて按分して徴収することとなります。

管理会社への委託費用

  • 管理委託費用(管理人の人件費など)
  • 定期清掃費用

施設内の設備保守管理費用

  • エレベータ保守費用
  • 消防設備保守費用
  • 水道設備等のメンテナンス費用
  • 宅配ボックス定期点検料
  • 機械式駐車場保守管理費用
  • 敷地内植栽の管理費用

組合運営費用

  • 備品消耗、購入代金等
  • 通信料
  • 各戸インターネット料
  • ゴミ回収費用
  • 防犯カメラリース料
  • 共用部の電気・水道料金

緊急時対応のための費用

  • 共用部火災保険料
  • 遠隔管理費用(警備会社契約料など)

上記の業務にかかる費用の合計を区分所有者全員で負担するので、マンションの戸数が多くなるほど一戸当たりの管理費が安くなる傾向があります。

【補足】

組合が管理会社に管理を委託せず、居住者たちが自ら建物を管理している方式のマンションを「自主管理マンション」といいます。

最近のマンションではほとんど見かけませんが、古いマンションなどではたまに自主管理しているケースがあるようです。

自主管理マンションは管理費用がかかりませんので、ランニングコスト面では一見お得に感じるかもしれません。

しかしマンションが自主管理になっている場合、建物内の維持・管理が適切に行われてなかったり、きちんと修繕を実施してこなかったため老朽化が進んでしまっていることというケースが多くみられます。

購入を検討しているマンションが自主管理方式となっている場合は、マンションの管理・運営がうまくいっているのかということを注視するようにしなければなりません。

関連記事マンションを購入したときに気になる維持管理費用はどれくらいかかる?

関連記事マンション購入後に月々に発生する管理費とは?

その②:修繕積立金

修繕積立金は、マンションを維持していくために必要な修繕工事をあらかじめ想定し、その費用を区分所有者全員で積み立てていくというものです。

建物の修繕は老朽化を防ぐための重要な管理行為の一つです。

通常、マンションの修繕は管理組合で定める「長期修繕計画」というプランに基づいて計画的に行われます。

修繕計画を長期的に立てておくことで、将来発生する費用を具体的に把握して資金を積み立てることができるというメリットがあります。

なお、マンションの修繕工事には主に以下のようなものがあります。

長期修繕計画の内容

おおむね5年周期で行うもの

  • 給排水やガス設備工事

おおむね6~7年周期で行うもの

  • 建物の屋根防水塗装
  • 鉄部塗装(サビ止め)

おおむね14~15年周期で行うもの

  • 外壁塗装工事
  • 床防水工事
  • 建具、サッシなどの取り換え
  • 外構、付属施設等の工事
  • 空調設備工事
  • 消防設備工事

その③:駐車場使用料

マンション敷地内の駐車場を利用するためには、駐車場使用料を支払う必要があります。

バイクや自転車が停められる駐輪場についても駐輪場使用料を支払わなければ利用することができません。

区分所有者から徴収した駐車場使用料はマンション管理組合の財産となり、管理費とともに建物の維持管理費用として使われることになります。

その④:解体積立金

マンションの敷地権が借地になっている場合、借地契約が終了したときに建物を解体して更地で返還しなければなりません。

マンションのような大きな建物の解体には多額の費用が必要となります。この解体費用をあらかじめ想定し、区分所有者全員で毎月積み立てていくのが「解体積立金」です。(組合によっては解体準備積立金・原状回復積立金などということもあります。)

実際に解体工事を実施するのは数十年後と、かなり先の話になります。

そのときには現在の解体工事の費用相場が通用していない可能性が高く、解体積立金は現在の工事相場をもとに計算することしかできません。

解体時点の費用相場が現在よりも高くなっていれば不足分を新たに負担しなければならないということを留意しなければなりません。

その⑤:固定資産税・都市計画税

不動産の所有者は固定資産税・都市計画税の納付義務があります。分譲マンションにおいても例外ではありません。

1月1日から12月31日までの1年分の固定資産税の納付書が、その年の4~6月頃に所有者の住所宛てに届きます。

届いた納付書は1~4期分に分かれており、それぞれに納付期限が定められています。

4回に分割して払うこともできますし、全額を一括で支払うことも可能です。

固定資産税の滞納が続いてしまうと区市町村からマンションが差し押さえられることがありますので、払い忘れには十分注意しなければなりません。

新築建物の軽減措置

2022年3月までに新築された分譲マンションは、一定の条件を満たせば数年間は固定資産税額が二分の一になるという軽減措置があります。

軽減措置が受けられる年数は以下の通りです。

  • 3階建以上の耐火、準耐火建築物:5年間
  • 上記要件に加えて認定長期優良住宅に該当する建物:7年間
  • その他の新築住宅:3年間

なお、上記の軽減が受けられる住宅の床面積は原則として50~280㎡のものに限られます。(参照:東京都主税局 固定資産税・都市計画税(土地・家屋))

高層マンションにおける固定資産税

2017年の税制改正により、20階建て以上の高層マンション(いわゆるタワーマンション)については階数が高くなるほど固定資産税評価額も高くなっていくという計算方法に変わりました。

高層階のマンションを購入するときは、固定資産税額についても気を付けるようにしましょう。

その⑥:その他

地域によっては自治会への加入が求められることがあり、加入した場合は毎月の自治会費を納める必要があります。

基本的には自治会加入は義務ではありませんので拒否することはできますが、地域の子供会やお祭りなどのイベント、また道路の外灯などの運営費に充てられていることもあり、自治会費用が地域にとって大切な財源になっている場合があります。

自治会費は月額数百円からと大きな金額ではありませんので、運営の内容などを確認したうえで加入を検討するようにしましょう。

一戸建てとの比較

ランニングコストを一戸建て住宅と比較するとどうでしょうか。

一戸建て住宅に関してはマンションのように管理費や修繕積立金が徴収されることはありません。ランニングコストがかからない分、一戸建ての方が住宅ローンの返済額を余裕に支払えるため、有利だと考える人も多いと思います。

しかし、一戸建てを購入する場合は、建物に対するメンテナンスは全額自己負担で行わなければならないということに注意しなければなりません。

一定の頻度で建物の塗装や瓦の張替え、防水塗装、コーキング、金物塗装や取り換えなどを適切に行わなければ、建物の老朽を早める原因となってしまいます。

一戸建ては月々のランニングコストはかかりませんが、数年周期でまとまった修繕費がかかってしまうということに注意しましょう。

なお、一戸建ての定期的なメンテナンスには以下のようなものがあります。

一戸建てに必要な主なメンテナンス項目と費用について

項目周期(目安)概算費用
地表防虫処理(シロアリ対策)10~15年約20~30万円
外壁塗装15~20年約100~150万円
給排水設備工事15~20年約50~100万円
屋上防水塗装・瓦張替えなど15~20年約100~150万円

金額だけではなく、中身を見るのも大切

複数の区分所有者が共同で管理を行っているからこそ低価格で良質なサービスが受けられるというのはマンションならではの強みです。

たとえばゴミ回収業務を個人から業者に委託すると月額数万円の費用がかかってしまいますが、マンションであれば費用を総戸数で割ることができるため一世帯当たりは小さい費用負担でサービスを受けられることができます。

室内のインターネット契約に関しても、マンションのような共同住宅だからこそ一室あたりの契約料を安く抑えることができるというメリットがあります。

マンションを購入するときは「ランニングコストがかかる=デメリット」と捉えるのではなく、支出に対して相応の価値があるかという点から検討することも大切なポイントです。

ランニングコストを考慮した資金計画を!

全国におけるマンションの管理費用・修繕積立金の平均値は、おおむね下記の金額となっています。

管理費総収入/月/戸当たり15,956円
修繕積立金総収入/月/戸当たり12,268円

※駐車場資料料などの収入を充当した金額です。
(参照:国土交通省 平成30年度マンション総合調査結

一戸あたりが負担する管理費・修繕積立金の費用合計の平均は28,224円となっています。

これを住宅ローン返済額に換算すると、約1,000万円の借入れに相当することになります。(※1.0%・35年ローン)

そう考えると、ランニングコストは購入予算に大きく影響するということがわかると思います。

また、管理費・修繕積立金などのランニングコストは、将来値上がりする可能性もあります。

金額が高くなっても無理なく支払いを続けていけるように余裕を持った資金計画を立てるというのも重要なポイントです。

ランニングコストから考える購入予算の組み方

マンションを購入するために資金計画を立てるときは、まずは自分の年収から毎月いくら住居費に充てられるかということから考えなければなりません。

そこから管理費・修繕積立金などのランニングコストを控除した金額が実際に住宅ローン返済に充てられます。

予算を組むときは、月々の支払い額を出発点として購入価格を逆算していくという考え方をお勧めします。

ランニングコストから考えるマンション購入予算の組み方

  1. まずは毎月の収入からいくら住宅費に充てられるか考える
  2. マンションのランニングコストがいくらかかるか確認する
  3. 住宅費からランニングコストを差し引いたローン返済額を計算する
  4. ローン返済額から、借入可能額の上限を試算する

上記の流れをもとに、「住宅費に15万円まで支出できる」というケースで購入予算について考えてみましょう。

 

  1. 住宅費は毎月15万円までなら支払える
  2. マンションのランニングコストの合計は月3万円
  3. 住宅費15万円-ランニングコスト3万円=ローン返済額12万円
  4. ローン返済額が12万円の場合の借入可能額をパターン別で算出する
  • 35年/金利1.0%であれば約4,250万円
  • 35年/金利0.7%であれば約4,460万円
  • 40年/金利0.7%であれば約5,020万円

まとめ

マンションを購入すると毎月のランニングコストが発生しますが、建物の維持・管理や修繕工事を外部の専門業者に委託できるというのは大きなメリットです。

一度購入すると所有している限りランニングコストは発生し続けますので、マンションを購入する際は[住宅ローン返済額+ランニングコスト]の金額をシミュレーションし、無理なく支払いしていけるかを検討するようにしましょう。

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この記事を書いた人

真地 リョウ太(ペンネーム)

30代男性

資格:宅地建物取引士・FP2級・行政書士試験合格

学生時代は不動産業界への強い関心があり、大学では取引関連法を学んでいました。

新卒後すぐに不動産業界に飛び込み、現在は土地売買や相続案件など幅広い実務を担当しています。得意分野は取引法務です。法律の知識をもっと深くしたいという想いから、仕事をしながら独学で行政書士の試験に合格しました。

資格取得によって身に着けた知識と実務で培った経験を活かして、不動産オーナー様のお役に立てるよう日々頑張っています。趣味は旅行。座右の銘は「我以外、皆我が師」

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