といった悩みにお答えします。
本記事の内容
- 一部繰り上げ返済と一括返済
- 一部繰り上げ返済には2通りある
- マンション売却前に繰り上げ返済するメリット
- マンション売却前に繰り上げ返済すべき?
「マンション売却前に繰り上げ返済しておいたほうがいいのだろうか?」そのような疑問をお持ちらの方もいらっしゃるでしょう。
毎月の支配額や支払額を決まっている住宅ローンですが、資金に余裕が出てきた場合繰り上げ返済も可能です。
とくにマンションの売却を予定している場合、売却前に繰り上げ返済しておいたほうがいいのか悩むもの。
しかし、繰り上げ返済には、メリットや注意点もあるので慎重に検討する必要があります。
この記事では、マンション売却前の繰り上げ返済の方法やメリット・注意点まで分かりやすく解説します。
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一部繰り上げ返済と一括返済
マンション購入で利用した住宅ローンは、毎月の返済額と返済期間が決められています。
基本的には、この契約通りに支払い完済すれば問題ありません。
しかし、長い返済期間で資金に余裕が出てくることも。
その場合に、検討するのが住宅ローンの一部繰り上げ返済や一括返済です。
特に、マンションの売却前では残っている住宅ローンをどうするのかは悩みの種でしょう。
マンションを売却するためには、住宅ローンを完済する必要があります。
そのために必要ともなるのが、一部繰り上げ返済や一括返済でもあるのです。
一部繰り上げ返済とは
そもそも、一部繰り上げ返済とは、住宅ローンの毎月の返済額に上乗せして返済する方法です。
繰り上げ返済で上乗せした分は予定よりも前倒しで返済することになるので、その後の毎月の返済額や返済期間が少なくできます。
一括返済とは
繰り上げ返済と同様に、前倒して住宅ローンを返済できるのが一括返済です。
一括返済とは、住宅ローンの残額をすべて返済することをいいます。
マンション売却の場合、先述したように売却するために住宅ローンの完済が必要となります。
マンション購入の際には、住宅ローン契約の担保として抵当権が設定されるのが一般的です。
抵当権が付いている物件は売却できないため、抵当権抹消のために住宅ローンを完済しなければなりません。
基本的には、マンション売却金額で住宅ローンを一括返済するので、繰り上げ返済は必要ありません。
しかし、繰り上げ返済にもメリットがあるので、メリットを理解したうえで繰り上げ返済を検討するとよいでしょう。
一部繰り上げ返済には2通りある
返済を前倒す一部繰り上げ返済ですが、その返済方法には次の2つの種類があります。
- 期間短縮型繰り上げ返済
- 返済額軽減型繰り上げ返済
それぞれ見ていきましょう。
その①:期間短縮型繰り上げ返済
期間短縮型繰り上げ返済とは、毎月の返済額は変えずに、返済期間を短くする方法を言います。
返済期間が短くなった分、その期間に支払う利息が軽減できるというメリットがあります。
同じ金額を繰り上げ返済する場合でも、後述する返済額軽減型繰り上げ返済よりも利息の軽減効果が高いという特徴があるのです。
返済期間を短くできるので、住宅ローンが定年後まで残るような場合など住宅ローンを早く終わらせたい場合に有効でしょう。
ただし、高い金利で住宅ローンを組んでいる場合、借り換えで金利を少なくできる可能性があるものです。
その場合は、まずは借り換えを検討することをおすすめします。
その②:返済額軽減型繰り上げ返済
住宅ローンの返済期間は変えずに、毎月の返済額を減らす方法を返済額軽減型繰り上げ返済と言います。
金利の軽減効果は期間短縮型ほどありませんが、毎月の返済額が減るというメリットがあります。
収入が減ってしまった、他の支出が増える予定があるという場合に、毎月の負担を減らせるでしょう。
期間短縮型は早く返済したい方や返済総額を減らしたい方、返済軽減型は毎月の負担を減らしたい方に向いた方法です。
それぞれの目的や状況・メリットに合わせて、最適な方法を選ぶ必要があります。
返済方法に悩む場合は、金融機関と相談しながら検討するとよいでしょう。
ただし、住宅ローンを借り入れた金融機関によってはどちらかの返済方法しか選択できない場合もあるので、事前に確認する必要があります。
マンション売却前に繰り上げ返済する2つのメリット
ここでは、マンション売却前に繰り上げ返済するメリットについて見ていきましょう。
メリットには次の2つがあります。
- 総返済額を減らすことができる
- 完済に必要な額を減らすことができる
メリット①:総返済額を減らすことができる
通常の住宅ローンの返済の場合、毎月の支払額の中に利息分が含まれます。
繰り上げ返済の場合、支払額はすべて住宅ローンの元本に充てられるものです。
早い段階で繰り上げ返済しておくことで、元金を減らせられ、利息も軽減でき結果として総返済額を減らせられるのです。
支払い期間が長期にわたる住宅ローンは、その分金利の負担は高額となります。
利息を軽減できれば、大きな負担の軽減につながるでしょう。
ただし、住宅ローン減税を適用している場合、カットできる金利よりも住宅ローン減税での控除額のほうが大きいということもあるので注意が必要です。
また、早い段階で住宅ローンを完済することで抵当権抹消時の司法書士依頼料を抑えることもできます。
住宅ローンを完済した場合、抵当権抹消の手続きをする必要があります。
手続きを司法書士に依頼する場合、3~5万円ほどの依頼料が掛かるものです。
この手続きを自分ですることで、依頼料を抑えられます。
住宅ローンを売却金額で返済する場合は、ほとんどの銀行では、自分で手続きすることを許可しないものです。
繰り上げ返済して、売却前に完済することで、売却時の費用を抑えられるのはメリットと言えるでしょう。
メリット②:完済に必要な額を減らすことができる
繰り上げ返済で元本を減らすことで、必要な額が減るというのは、マンションを売却するうえでは大きなメリットとなります。
マンション売却では、売却金額で住宅ローンを一括返済する必要があります。
一括返済できないと売却自体ができなくなるため、少しでも返済額を減らしておくと返済できない事態を防げるのです。
マンション売却前に繰り上げ返済すべき?
基本的には、マンション売却前に繰り上げ返済する必要性はありません。
マンション売却時に、売却金額で住宅ローンは一括返済するので、それ以前に繰り上げて返済する必要性はないのです。
オーバーローン状態の解消に役立つ
オーバーローンとは、売却金額だけでは住宅ローンを完済できない状態のことを言います。
オーバーローンになる場合、手持ち資金で住宅ローンを完済できればマンションを売却できます。
しかし、手持ち資金でも住宅ローンを完済できない場合は、マンション売却ができなくなるのです。
一般的に、マンションの資産価値は住宅ローンの残債より低くなる傾向があります。
少しでも早い段階から繰り上げ返済しておくことで、売却時のローン残債を少なくでき、手持ち資金の準備も少なくて済むようになるでしょう。
繰り上げ返済は必須ではない
先述した通り、繰り上げ返済は強制でも必須でもありません。
通常は、住宅ローンの契約通りに返済し続けていけば問題ないものです。
住宅ローン契約時には、長期的な返済プランを立てて借り入れているものでしょう。
そのプランから大きく変更が出ていないのであれば、そのまま返済することにデメリットはないものです。
繰り上げ返済しようと、無理に貯蓄するなど資金準備する必要はなく、繰り上げ返済のために、生活を切り詰めるのでは本末転倒ともいえます。
繰り上げ返済しなくても、メリットは受けられないがデメリットもないということを前提に、繰り上げ返済を検討するとよいでしょう。
他のローン完済も検討しよう
住宅ローンは、他のローンに比べで金利が低いローンでもあります。
資金に余裕があり、住宅ローンの繰り上げ返済を検討する場合、まずは他のローンの返済を検討することも大事です。
教育ローンや自動車ローンなどの住宅ローンよりも金利の高いローンを返済するほうが、後々の返済の負担を減らせられます。
また、マンション売却後に新しい物件を住宅ローンで購入する場合、他のローンの借り入れがあると、ローン審査に通らない可能性あるものです。
他のローンの完済をまずは検討するとよいでしょう。
ただし、住宅ローンに関わらずローンを繰り上げて返済した場合、その分手持ち資金が減ることには注意が必要です。
手持ち資金が足りないと、急な出費に対応できなくなる場合があります。
売却後の新しい住居の資金だけでなく、子供の成長や転職や親の介護など、人生には思わぬ出費が出てくる場面も多くあるものです。
それらの備えを無くしてまで、住宅ローンを繰り上げ返済するべきなのかは十分検討する必要があるでしょう。
まとめ
マンション売却前の住宅ローン繰り上げ返済の方法やメリット・注意点についてお伝えしました。
住宅ローンを繰り上げ返済することで、返済総額の減額や毎月の支払いの負担を減らすなどのメリットがあります。
ただし、手持ち資金が減ることや住宅ローン控除が受けられなくなるなどのデメリットもあるものです。
住宅ローンの繰り上げ返済は、ライフプランやメリット・デメリットと比較して慎重に検討するとよいでしょう。
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この記事を書いた人
資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)
地方銀行、不動産会社を経て金融や不動産関連の情報をお伝えするフリーライターとして活動しています。
実務で得た知見を活かして、記事を読まれる方の困りごと解決に役立てられたらと考えています。
逆瀬川勇造
30代男性