
といった悩みにお答えします。
本記事の内容
- 中古マンション売却相場の形成要因
- マンション売却に適したタイミング
- マンション売却成約・価格アップのポイント
マンション売却時に重要なのが、「いつ売るのか」という売却タイミングの見極めとなっています。
見極めのポイントを知っていると知らないのとでは、売却価格に大きな差が出る可能性もあるでしょう。

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中古マンション売却相場の形成要因
マンションの売却価格は、売却時期の売却相場に少なからず左右されます。主な要因として次の3つが挙げられます。
景気・地域経済
当然のことながら、好景気の時期は消費者のマンションの購入意欲が高まり、景気低迷期はそれが低下します。
それに比例して中古マンションの売却相場も上下します。
また都市再開発、ウォーターフロント開発、新空港建設など地域経済活性化に繋がるプロジェクト進行地域では住宅需要が高まるので、それに連動して中古マンションの売却相場が上昇する傾向があります。
築年数
中古マンションの売却価格というのは、築年数により大きく左右されます。
例えば東日本レインズ(東日本不動産流通機構)の「築年数から見た首都圏の不動産流通市場2020年」によると、中古マンションの「築年数帯別成約状況」は次の通りです。
築年数帯 | 平均価格 | 平米単価 |
築5年未満 | 5883万円 | 88.2万円 |
築6~10年 | 5071万円 | 75.3万円 |
築11~15年 | 4484万円 | 62.9万円 |
築16~20年 | 4174万円 | 57.5万円 |
築21~25年 | 3202万円 | 46.9万円 |
築26~30年 | 1884万円 | 31.1万円 |
築31年以上 | 1904万円 | 33.3万円 |
これを見ると、
- 築5年未満帯から築26~30年帯までは価格下落が続いている
- 築6~10年帯と築11~15年帯に価格下落の節目がある
- 築26~30年帯で価格下落が底を打ち、築31年以上は20万円と僅かながらも価格が上昇に転ずる
などの傾向が読み取れます。
築年数に限れば築10年未満が「売却の旬」と言えそうです。
この築年数帯別成約状況は、中古マンションの売却相場形成の基本要因とも言われています。
周辺の新築マンションの売り出し価格
新築マンションの売り出し価格は、そのマンションの用地取得費・建築費・広告宣伝費・デベロッパーの利益などにより決まり、当該マンション周辺の中古マンション売却価格にも波及します。
すなわち新築マンションの売り出し価格が相場より高くても売れる状況なら周辺地域の中古マンションの売却相場も上がり、新築マンションの売り出し価格が相場より低く設定されている状況なら中古マンションの売却相場も下がる傾向があります。
マンション売却に適したタイミング
ここからは一般的にマンションの売却に適しているとされるタイミングを紹介しましょう。
ただし先にもご紹介した通り、中古マンション価格相場には様々な形成要因が存在します。
状況によっては必ずしも価格上昇・需要増加に繋がるとは限らない場合もありますのでご注意ください。
1年のうち、マンションへの需要が高まる時期
不動産市場においては、1年のうちに中古マンション需要が高まる時期と需要が冷える時期が交互にやってきます。
マンション売却のタイミングは言うまでもなく需要が高まる時期です。
不動産業界では過去の取引実績から、特に需要が高まる時期は2~3月と9~11月だと考えてよいでしょう。
2~3月は新年度・新学期を迎える準備期間なので、就職、転勤、入学・転校などによる転居でマンションを買い替える人が増える傾向があるからです。
ただし3月は、転居する人たちも自分のマンションを売却する時期と重なるので、マンション需要は高まっても売却相場が下落するケースがあります。
9~11月も秋の定期異動による転勤に加え、引っ越しをしやすい季節でもあるためマンションを買い替える人が増える傾向があります。
一方、需要が冷える時期は、不動産業界が閑散期になる1月と8月と言われています。
1月は新年早々の時期なのでマンション買替をする人が少なく、8月は夏の盛りで引っ越しをしにくいためとされています。
築年数が6年以上20年未満の時期
築年数は中古マンションの売却相場形成の基本要因と言われていますが、中古マンション需要とも深い関係性があります。
物件売却価格は築年数が浅いほど高くなる傾向ですが、必ずしも浅ければ売りやすいとは限りません。
例えば先に述べた東日本レインズの「築年数から見た首都圏の不動産流通市場2020年」の「対新規登録成約率」(新規登録された中古マンションの売却成約率)は、次の通りです。
築年数帯 | 売却成約率 |
築5年未満 | 26.3% |
築6~10年 | 36.4% |
築11~15年 | 28.0% |
築16~20年 | 28.4% |
築21~25年 | 20.7% |
築26~30年 | 14.1% |
築31年以上 | 12.5% |
最も成約率が高い築6~10年帯のマンションが一番の売り時で、築11~15年帯と築16~20年帯のマンションがほぼ同列の二番手と言えるでしょう。
ただしこれはあくまで成約率であり、価格設定は物件により異なります。
実際のところ、築6~10年帯のマンションは物件の傷みもほとんどないケースが多いことから、適正価格にて売却できる確率が高いと言われています。
二番手のグループの場合は買い手が多いのですが、文字通り「中古物件」のイメージが強く、買い手も「安さ」が購入動機の1つになっていることから、適正価格売却の可能性は低いと言われています。
需要面と価格面をふまえた1番売却に適したタイミングは、築年数6年から10年の時期と言えるかもしれません。
大規模修繕完了直後の時期
マンションは「区分所有法」「マンション管理適正化法」などに基づき、12~15年に1回、定期的に大規模修繕工事が実施されます。
この工事によりマンションの外観や共用部がリニューアルされ、老朽化した設備の取替え、建物の性能向上・耐久性補強なども行われるので、マンションの「老朽化色」が当面の間なくなります。
したがって大規模修繕工事完了直後も、適正価格売却のタイミングと言われています。
この他、優良住宅ストック促進を目的とした国の中古マンション取引活性化政策や優遇税制の適用期間中、住宅ローン金利変更時、中古マンションの取引相場が上昇傾向にある時期、住宅ローン残債をマンション売却額で完済できる時期、相続したマンションなら3年以内などもマンション売却に適したタイミングと言われています。
マンション売却成約・価格アップのポイント
自分のマンション売却をスムーズに進め、かつ出来る限り高値で売るためには、次のポイントを押さえてく必要があります。
(1)売り出し価格は相場に則して設定する
売却活動の長期化は必然的に売却価格の大幅値下げを余儀なくされ、適正価格での売却から遠のく結果になります。
これを避けるためには、「私のマンションはこれだけの価値がある」「購入価格をふまえると、これぐらいの価格で売りたい」といった思いはいったん置いておき、客観的な相場に照らして売り出し価格を設定する必要があります。
(2)売却活動が長期化しそうなら、値下げを検討する
最初に設定した売り出し価格で買主が現れない場合は、市場の価格ニーズと乖離している可能性があるため、売り出し価格の見直しを視野に入れたほうがよいでしょう。
売り出し価格の価格帯を1ランク下げるだけで買主が続々と現れるケースは少なくありません。
例えば相場が4200万円の中古マンションを売り出し価格4300万円に設定して買主が現れず、急遽価格設定を相場より200万円引きの4000万円ジャストに変更しても同じ結果に終わる可能性があります。
売り出し価格4300万円で買主が現れないと言うことは、その売却活動時期に4000~4500万円価格帯のニーズがないと推測されるからです。
しかし価格設定を250万円引きの3950万円に変更すれば、3000万円台の中古マンションを探している買主を引き付けることができ、早期売却の可能性が高まります。
中古マンションの売却においては、価格帯を変更するだけで形勢逆転のケースが珍しくないと言われます。
ただし売却成約に結びつかない要因は、価格だけにあるとは限りません。
ケースにより要因が他にある可能性も十分に考えられます。
(3)ハウスクリーニングサービスの利用で購入意欲を高める
新築・中古を問わずマンション購入の決め手は内覧にあります。したがってマンション売却を決めたら早急に室内を綺麗にしなければなりません。
整理整頓はもちろん、フローリングや柱・壁の傷を補修したり、ハウスクリーニングサービスを利用してキッチン・トイレ・浴室といった水回りなどを徹底的に清掃したりしておく必要があります。
これにより内覧の印象が良くなれば、早期売却の可能性が高まります。
また内覧の印象を良くしようと、売却前にリフォームをする売主がいますが、これは必ずしも正解とは言えません。
中古マンションを求めている買主は、購入後のリフォームを考えているケースもあります。
リフォームを行うとそのぶんの費用が売却価格に上乗せされることになるでしょう。
売却前のリフォームが買主の好みに合っていれば問題はありませんが、逆の場合は買主の選択肢から外れてしまうからです。
(4)買主の条件交渉には迅速に対応する
中古マンションの売却においては買主の条件交渉が付きものです。
この時、買主から出された条件の検討に時間を費やして回答が遅れると、買主は他の候補物件を購入する可能性があります。
このため妥協できる条件とできない条件を売却活動開始前に明確化しておき、条件交渉に対しては迅速な対応が肝心です。
まとめ
マンション売却のタイミングを見極めるポイントとして今回解説した要素は、いわばマンション売却理論に近いものと言えます。
実際のマンション取引市場でこの理論を駆使して適正価格での売却に成功するためには、どうしてもマンション取引の専門知識と経験が必要になります。
したがっていかにして専門知識と経験が豊富でかつ信頼できる不動産会社および担当者を見つけるかが、自分のマンション売却を良い方向へ導く決め手になるでしょう。
ですが良い不動産会社を見抜くためには、所有者側にもある程度の知識が必要です。
そのためマンション売却を考えているなら、まずは所有者自身もマンション売却に関する情報収集から始めてみることをおすすめします。
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