といった悩みにお答えします。
本記事の内容
- マンション購入時にやっておきたい住宅ローン控除とは
- マンション購入時にやっておきたい住宅ローン控除の要件とは?
- マンション購入時にやっておきたい住宅ローン控除の手続き方法
- マンション購入における住宅ローン控除以外の助成制度
マンションを購入する場合、多くの人は住宅ローンを利用してマンションを購入します。
毎月利息も含めた返済金を支払うので現金で一括購入するよりも金利分大きな金額を支払わなければいけません。
しかし、住宅ローンを利用してマンションを購入する人のために、住宅ローン控除といった制度があります。
ではこの住宅ローン控除とはどのような制度で、どのようなメリットがあるのでしょうか?
この記事では、住宅ローン控除の内容や要件、手続き方法といった点について解説します。
マンション購入時にやっておきたい住宅ローン控除とは
まずは、住宅ローン控除の内容について見てみましょう。
住宅ローン控除とは
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用してマンションなどの住まいを購入した場合、一定の要件のもと、所得税が控除される制度のことを言います。
また、別名「住宅ローン減税」とも言われています。
住宅ローン控除は、多くの人が住宅ローンを利用してマンションを購入することから、少しでも金利負担分を軽くするために設立されているのですが、年末の住宅ローン残高か、マンションを購入した金額のうち少ない方の1%が所得税から控除されます。
例えば、年末のローン残高が3,000万円だった場合、3,000万円の1%である30万円が所得税から控除されるということになります。
住宅ローンを利用したマンションの購入者にとっては非常にありがたい制度だといえるでしょう。
所得税だけではなく住民税からも控除される
住宅ローン控除では、年末のローン残高が多すぎて、所得税で控除しきれなかった場合、住民税が控除の対象となります。
万が一、所得税では控除しきれなくても、住民税から控除されるので、無駄なく使える制度だということです。
このように住宅ローン利用者にとっては、とてもメリットが大きい制度といえます。
無制限に控除できるの?
住宅ローンの控除は、無制限にできるわけではありません。
最大控除額が決まっており、控除額は消費税が8%か10%かによって若干異なります。
消費税が8%時点でマンションを購入した場合の最大控除額は200万円。
消費税が10%のときに購入した場合の最大控除額は、期限が限られていますが最大400万円まで、の控除が可能となっています。
マンション購入時の消費税も大きく影響しますので、どの程度の控除が可能なのかも事前にチェックしておきましょう。
控除期間は1年間だけなの?
控除期間は1年だけではなく複数年間の控除が可能です。
控除期間もマンションの購入時における消費税が大きく影響します。
基本的にマンション購入時の消費税が8%だった場合の控除可能期間は最大10年です。
つまり、最大控除額200万円を10年間かけて控除することになるでしょう。
マンション購入時の消費税が10%だった場合は、最大13年間の控除が可能です。
これも最大控除額400万円を13年間にかけて控除します。
1年だけで終わらず、長期的に住宅ローン控除が利用できる点からも多くの人が利用しており、住宅ローンを利用したマンション購入は、必ず利用した方がいい制度です。
マンション購入時にやっておきたい住宅ローン控除の要件とは?
住宅ローン控除は住宅ローン利用者にとって大変メリットがある制度だということを前述しました。
しかし、一定の要件がありますのでしっかりとマンション購入前には住宅ローンの対象となる要件を理解しておきましょう。
ここからは、住宅ローンの要件について解説します。
新築マンション購入時の要件
まずは、新築マンションの対象要件について見てみましょう。
要件を以下にまとめました。
- 床面積が50㎡以上であること
- 自らが居住していること
新築マンションの場合、上記2点は絶対条件です。
床面積の広さについては、十分に注意しなければいけない点があります。
マンションのパンフレットや募集内容で広さが50㎡となっていても測量方法の違いによって実際は50㎡に満たない場合があるのです。
マンションなどの募集チラシなどに掲載されている広さは、壁芯による測量の広さが記載されています。
壁芯とは両壁の中心から測量する方法です。
しかし、住宅ローン控除における必要な広さは、壁の内側から測った広さが必要となります。
これを内法による測量ともいわれているものです。
内法に表示されているのは登記簿に記載されています。
物件のパンフレットに記載されている広さが50㎡に少しオーバーしている程度なら必ず登記簿上の広さを確認し、住宅ローン控除要件に満たされるかを確認しましょう。
もうひとつの注意点が居住する時期です。
自らが居住していることが要件となりますが、マンションの引き渡しか工事の完了から6ヶ月以内に居住する必要があります。
これは住民票などで確認されますので、必ず6ヶ月以内に居住しなければいけません。
中古マンション購入時の要件
次に、中古マンションを購入する場合の要件について解説します。
新築マンションを購入した場合の要件は全て含みますが、中古マンションの場合、これらに追加して「耐震性能を有している」ということが条件です。
「耐震性能を有している」かどうかは、以下の方法で確認することができます。
- 鉄筋コンクリート造の場合、築25年以内でなければいけません
- 耐震基準適合証明書、既存住宅性能評価書(耐震等級1以上)、既存住宅売買瑕疵保険に加入
上記のいずれかを満たしている必要があります。
新築マンションと比較すると、集める書類が多くなる場合があるので少し面倒になるかもしれません。
住宅ローンの要件
新築、中古マンションの要件についてここまでは解説しました。
しかし、建物の要件だけではなく住宅ローンの内容についても要件が含まれます。
住宅ローンの要件とはどのようなものがあるのでしょうか?
住宅ローンの要件を以下にまとめました。
- 借入期間が10年以上あること
- 所得の合計が3,000万円以下であること
これらの条件が必須となります。
所得に関しては増減するので3,000万円に満たない年度は、住宅ローンの控除を利用することが可能です。
これら、住宅ローンに関する要件も、必ず満たさなければいけません。
しかし、そう高い壁とはいえず住宅ローンを利用してマンションを購入しようとする層は、ほとんどがこの要件を満たしているといえます。
マンション購入時にやっておきたい住宅ローン控除の手続き方法
ここまでは、住宅ローン控除の概要や住宅ローン控除の要件について解説しました。
要件はいくつかありますが、そう高い壁ともいえないのではないでしょうか?
実際、住宅ローンを利用してマンションを購入した人も多くは住宅ローン控除を利用しています。
次に手続きはどのように行えばいいかが気になるところです。
ここからは、住宅ローン控除を利用する場合の手続き方法について解説します。
住宅ローン控除の手続きは初年度確定申告を行う
住宅ローン控除の手続きを行う場合、初年度は確定申告を行わなければいけません。
確定申告制度の利用は、給与所得者の人はあまり経験がないかもしれません。
しかし、そう難しいものではなく、わかりにくい場合は、管轄の税務署などに問い合わせるといいでしょう。
しかし、集める書類がいくつかありますので、書類漏れがないよう前もって準備することをおすすめします。
必要な書類に関しては次で解説します。
確定申告に必要な書類
確定申告に必要な書類は以下の通りです。
- 住民票の写し
- 残高証明書
- 登記事項証明書もしくは売買契約書
- 源泉徴収票
- 中古住宅の場合は、耐震基準適合証明書、既存住宅性能評価書(耐震等級1以上)、既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書のいずれか
これらの書類を添付して確定申告を行います。
住民票は、住んでいる管轄の役所で取得可能です。
残高証明書は、10月~11月ごろに金融機関から郵送で送られます。
紛失しないように保管しておかなければいけません。
登記簿謄本は、法務局で申請書類に記入して取得可能です。
源泉徴収票は、勤務先に請求するといいでしょう。
中古マンションの場合は建築士など取得する箇所が異なります。
- 耐震基準適合証明書…建築士
- 既存住宅性能評価書(耐震等級1以上)…登録住宅性能評価機関
- 既存住宅売買瑕疵保険…住宅瑕疵担保責任保険法人
これらに依頼することで取得可能です。
2年目以降は年末調整
毎年、確定申告で住宅ローンの控除を申請するとなると少し手間がかかると感じる人も多いのではないでしょうか?
しかし、2年目以降は年末調整で申請すればよく、集める書類も大幅に減ります。
そう大きな負担とはならずに住宅ローン控除の申請が可能です。
年末調整に必要な書類
年末調整における必要な書類に関してはどのようなものがあるのでしょうか?
勤務先で年末に配布される書面に記入し、10月~11月に送付される金融機関からの住宅ローン残高証明書を添付すれば住宅ローン控除の申請が可能です。
一般的に給与所得者の場合、年末調整の書面は、毎年記入しているでしょうから、それに住宅ローンの残高証明書を添付するだけで構いません。
非常に手間も少なく申請が可能です。
マンション購入における住宅ローン控除以外の助成制度
マンションを住宅ローンにより購入する場合は住宅ローンの控除を利用するのは必ずといっていいほど行った方がいいでしょう。
しかし、マンション購入した場合の給付金や助成制度は他にもいくつかあり、うまく利用できると家計に大きな助けとなります。
では、どのような給付制度や助成制度があるのでしょうか?
ここからは、住宅ローン以外の助成制度について解説します。
すまい給付金
マンションを購入したときの消費税負担を和らげる目的で設立されたのがすまい給付金です。
住宅ローン控除と同じように要件はありますが、一定の要件を満たすと、最大50万円の給付金を受け取ることができます。
すまい給付金の要件は以下の通りです。
- 住宅の所有者が登記していること
- 所有者が居住していること
- 収入が消費税8%時に購入した場合は年収510万円以下
- 収入が消費税10%時に購入した場合は年収775万円以下
- 住宅ローンを利用しない場合は50歳以下
- 5年以上の借入期間がある人
- 借入先が公的な金融機関であること
- 床面積が50㎡以下であること
- 第3者機関の検査を受けた住宅であること
新築マンションと中古マンションでは対象となる要件が異なります。
住宅ローンを利用していなくとも、すまい給付金を取得することは可能ですが少し条件が厳しくなりますので、よく確認しておきましょう。
すまい給付金については、マンション購入時に知っておきたい「すまい給付金」について解説で詳しく解説しています。
マンション購入時に知っておきたい「すまい給付金」について解説
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新築マンションの場合 固定資産税の減額
新築マンションの場合、毎年納税しなければいけない、固定資産税の減額が可能となります。
新築マンションにおいて一定の要件を満たすことができると5年間に渡り、固定資産税が1/2に減額することが可能です。
都市計画税を徴収されるエリアならば、都市計画税も同様に5年間1/2に減額されます。
しかし、この制度は一定の要件がありますが、同じく期限が定められているのです。
令和4年3月31日までに新築されたマンションとなっています。
令和4年4月1日以降の減額措置については、未定です。
この期間内にマンション購入を考えるのもいいでしょう。
自治体によっては独自の給付制度
地方自治体によっては良質な住宅の流通の観点から、独自の給付制度を行っているところもあります。
新築購入の利子を補給する制度やバリアフリーを設置した場合の補助制度など自治体によってさまざまです。
マンションを購入しようとする自治体が給付制度を行っていないかを前もって確認しておくと思わぬメリットがあるかもしれません。
まとめ
マンションを購入する場合、是非確認しておきたいのがさまざまな給付制度です。
特に、住宅ローンを利用してマンションを購入した場合、必ず申請したいのが住宅ローン控除。
年末の住宅ローン残高か、購入代金のどちらか少ない方の1%を所得税から控除してくれる制度です。
しかも1年だけではなく10年間、状況によっては13年間も住宅ローン控除の恩恵を受けることもできます。
しかし、住宅ローン控除を利用するには、いくつかの要件をクリアしなければいけません。
前もって要件を確認し、住宅ローン控除の対象かどうかを知っておくと、マンション購入における判断材料の一つとなるかもしれません。
また、住宅ローン控除の他にもいくつかも補助金や減税制度。
地方自治体独自の補助制度などもありますので、有効活用してマンション購入の負担を和らげましょう。
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この記事を書いた人
資格:宅建・FP2級・通関士・総合旅行業務取扱管理者
大学生の時に一人旅に目覚め、海外50か国以上を訪れました。その経験を武器に新卒で旅行会社に入社しましたが、入社数年で倒産という憂き目にあってしまいます。悔しさをバネに宅建・通関士・FP資格を無職期間の4年でゲット!現在は不動産会社の窓口勤務ですが、コロナ渦で週休4日ペースが続いているため、新しい資格取得に向けて日々奮闘中です。趣味はペット。特技は英会話。
清水みちよ
30代女性