といった悩みにお答えします。
本記事の内容
- マンション購入時に必要な印鑑証明とは
- マンション購入時には印鑑証明と3種類の印鑑が必要
- マンション購入後に印鑑証明が必要なタイミング
- マンション購入時に必要な書類と印鑑証明など印鑑の関係
- マンション購入時に必要な印鑑証明以外の必要書類とは?
マンションの購入の場合は、売買契約だけではなく、いくつかの契約を取り交わさなければいけません。
その際に必要になるのが印鑑証明です。
しかし、全ての契約で印鑑証明が必要というわけではありません。
全ての契約を印鑑証明で契約するとなると、印鑑証明の印鑑を持ち歩くのが不安と考える人も多いかもしれません。
この記事ではマンションの購入において印鑑証明が必ず必要な場面について解説します。
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マンション購入時に必要な印鑑証明とは?
マンション購入には欠かすことができない印鑑証明ですがそもそもなぜ印鑑証明が必要なのでしょうか?
そもそも印鑑証明とはどのような印鑑を指すのでしょうか?
まずは、印鑑証明の意味について解説します。
実印はなぜ必要なのか?
印鑑証明とは、この印鑑は印鑑登録された印鑑ですよということを表した書面です。
印鑑登録された印鑑を実印と呼んでいます。
特に大事な取引の場合には実印を使用しているケースが多いといえるでしょう。
印鑑ならば何でもいいというわけではなく、印鑑として公に証明された実印を押すことで、所有者が押したことを証明する必要性がある契約などで用いられます。
個人が利用する中でも際立って重要な場面で使用する印鑑といった位置づけです。
実印なら何でもいいの? 実印作成のポイント
印鑑登録さえできればどんな印鑑でも実印として利用できるというわけではありません。
実印となる印鑑には一定の基準が定められています。
では、どのような印鑑ならば実印として利用できるのでしょうか?
まずは、一定の大きさが定められています。
印鑑の大きさの規定は8㎜の正方形以上25㎜の正方形以下といった規定が一般的です。
しかし、この大きさの規定に関しては市町村によって異なります。
つまり、この市では印鑑証明として登録できたが、この町では登録できないといったことも起こりえるということです。
基本的に売り出されている印鑑に関してはこの大きさ規定に沿っている印鑑が多いので大きさについてはそこまで心配する必要はないかもしれません。
しかし、形が円形ではない場合は、既定の正方形から一部はみ出すこともありますので円形の印鑑でない場合は、少し注意が必要でしょう。
印鑑の形に関しては、円形の印鑑だけではなく正方形でも楕円形でも大丈夫です。
前述しましたが、25㎜の正方形にすべて収まっていることが条件となります。
しかし、必ず輪郭があるものでなければ実印とは認められません。
例えば、輪郭がなく名前だけの印鑑や輪郭が欠けている印鑑は実印としては認められないのです。
次に実印として認められる刻印について触れてみましょう。
基本的に刻印には、苗字のみ、名前のみ、苗字と名前を表示したものに関しては全て実印として使用できます。
しかし、氏名以外の名前やイラストがついている、逆彫りの印鑑などは実印として使用できません。
このような点に注意して実印を作成する必要があります。
印鑑証明の登録方法
次に実印として登録したい印鑑の登録方法について解説します。
印鑑登録が行えるのは15歳以上で住民登録している市町村で行うことが原則です。
身分証明書と登録したい印鑑をもって、市町村の役所に届け出すれば基本的に即日印鑑証明として登録できます。
しかし、身分証明書を持たない場合はどうしたらいいのでしょうか?
この場合は即日登録というわけにはいきません。
最初に役所に行って申請書に記入する必要があります。
その後、役所からご自宅に回答書が送られてきますので回答書に記載し、再度役所に持っていく必要があります。
身分証明書がない場合は最低でも2回は出向かなければ実印として印鑑登録することができませんので注意しておきましょう。
マンション購入には印鑑証明と3種類の印鑑が必要
マンションを購入する場合、色々な印鑑を準備するのは面倒くさいので、実印だけで購入を済ませたいと思っている人もいるかもしれません。
実印だけで、マンション購入は可能なのかについて掘り下げてみましょう。
マンション購入に必要な印鑑は3種類
基本的にマンションを購入する場合に必要な印鑑は3種類といわれています。
実印、認印、銀行印です。
もし実印を銀行印として利用していた場合は、実印ですべてがまかなえます。
印鑑一本ですべてを済ませたいと考えるならば、銀行印を兼ねている実印があれば可能です。
一般的には、それぞれの手続きにおいて必要な印鑑を使い分けている人が多いといえるでしょう。
その理由は上記でも述べましたが、実印を常に持ち歩くのが不安である。
銀行印まで実印にしているともし実印が紛失したり盗まれたりといった際に、大きなリスクを背負ってしまうなどが主な理由です。
そのため、それぞれの手続きにおいて複数の印鑑を利用しているのが一般的な理由といえます。
マンションを購入するまでの流れと印鑑が必要なポイント
では、実際にマンションを購入する流れの中で、どの場面で、どの印鑑が必要かということについて解説します。
印鑑が必要になる場面は、気に入った物件が見つかったときに申込書に記入するところからです。
この場合は認印を押印すれば問題ありません。
その後、マンションを契約する場合は、重要事項の説明や売買契約といった流れを踏みます。
その際、重要事項説明書、売買契約書とも記名、押印する必要がありますが、この場合も認印で構いません。
では、どの時点で実印や銀行印が必要になってくるかというと、住宅ローンと登記において必要になります。
マンション購入の際、多くの人は住宅ローンを利用してマンションを購入しますが、住宅ローンの契約を行う際、ローン契約の記名押印は実印です。
また、住宅ローンの返済口座を作成するときに必要になるのが銀行印となります。
あわせて、マンションを購入する際には、このマンションは自分のものだと所有権を明示するときには登記を行わなければいけません。
登記自体は司法書士が所定の手数料を支払うことにより代行しますが、登記書面に記名押印する場合には、実印で押印し、印鑑証明が必要になります。
このように必要となる印鑑が異なりますので、マンションを購入する場合は、印鑑の違いをしっかりと把握しておきましょう。
マンション購入後に印鑑証明が必要なタイミング
マンション購入後に印鑑証明が必要となるタイミングは「住宅ローン控除の手続き」となります。
では「住宅ローン控除の手続きとはなんなのか?」といったことについて解説していきます。
住宅ローン控除の手続きとは
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用してマンションを購入した場合に利用できる制度です。
所定の要件を満たしたマンションであるならば住宅ローンの年末時点の残高の1%を所得税から控除することができます。
しかも単年のみではなく10年にわたり住宅ローンの年末残高を所得税から控除されますので、是非とも利用したい制度といえるでしょう。
この手続きにおいて必要なのが初年度の確定申告です。
確定申告書の記載において記名、押印が必要なのですが、この場合どの印鑑を使用すればいいのでしょうか?
確定申告における印鑑は、認印でも構いません。
しかし、印鑑登録できる印鑑であるということが前提となります。
つまり、この認印は現在印鑑登録までは行っていないが、印鑑登録もできる印鑑であることが条件です。
先ほど、印鑑登録できる印鑑の大きさや刻印などについて解説しましたが、前述の条件を満たした印鑑でなければいけません。
また、マンション購入時と、購入後に必要な印鑑においてすべてがいえることなのですが、シャチハタ印は、原則どの手続きにおいても使用できません。
シャチハタ印などのゴム印は劣化が早いといった難点があるため長期間、印鑑としての使用が難しいという観点から契約においては使用不可となっています。
住宅ローン控除については、マンションを購入するときに知っておきたい住宅ローン控除とはで詳しく解説しています。
マンションを購入するときに知っておきたい住宅ローン控除とは
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マンション購入に必要な書類と印鑑証明など印鑑の関係
マンションの購入においてはさまざまな手続きとそれに伴った印鑑が必要だということを解説してきました。
では、それぞれの手続きにおいて必要な書類にはどのようなものがあるのでしょうか、前述した印鑑の種類と併せて解説します。
住宅ローン審査と申し込み
前述しましたが、一般的にマンションを購入する場合多くの人が住宅ローンを利用してマンションを購入します。
例えば2,000万円のマンションを自己資金400万円、住宅ローンで1,600万円を借入するといった具合です。
借り入れした1,600万円を長期間にわたり返済していくことでマンションを購入します。
しかし、誰もが住宅ローンの融資を受けることができるわけではありません。
住宅ローンには審査があり、審査の結果、融資を受けることができない場合もあるのです。
住宅ローンの審査を受けるために住宅ローン申込書に記名押印し、審査を受けなければいけません。
この場合の印鑑は、前述したように認印で構いません。
住宅ローン審査において押印が必要な書類は、住宅ローン申込書のみです。
売買契約
売買契約は住宅ローンの審査が下りる前に行われます。
一般的に、住宅ローンが下りることが前提となる売買契約は、住宅ローンの審査がダメだった場合は契約がなくなることを前提条件としての契約です。
売買契約書には、売買代金、代金の支払い時期、マンションの面積、所有権移転時期などが記載されており、そのたそれぞれの条件や決まり事を記載されている書面です。
この書面も十分に理解したうえで記名押印を行いますが、この場合の印鑑も認印で構いません。
住宅ローン契約
売買契約が終わると、売買契約の書面を金融機関に差し出し、住宅ローンの本審査となります。
住宅ローンの審査が通ると金銭消費貸借契約を交わさなければいけません。
これは、住宅ローンによりお金を借りるうえでの決まり事を明文化した書面です。
金銭消費貸借契約に関しては、基本的に実印を用いての契約となります。
長期間にわたり大きなお金を借りることになりますので、きちんと印鑑証明ができて、より本人が押印したことを証明できる印鑑での押印のため実印となるのです。
また、住宅ローンを返済する場合、その金融機関の口座から返済しなければいけません。
住宅ローンを受ける金融機関の口座がない場合は口座を開設する必要があります。
この場合は前述したように銀行印を使用しなければいけません。
引き渡し
売買契約、金銭消費貸借契約と続き、最終的に引き渡しとなります。
引き渡しの時に残代金の決済を行いマンションが引き渡されるといった流れです。
マンションが引き渡されると同時に行うのが、所有権の移転登記及び、住宅ローンを利用している場合は抵当権の設定登記。
第3者にこのマンションは自分のものだと証明するのに必要なのが所有権移転登記。
金融機関が、マンションを担保として融資を受けていることを表しているのが抵当権設定登記です。
基本的に登記関係に必要な印鑑は全て実印で行います。
印鑑証明も必要になりますので準備しておきましょう。
マンション購入時に必要な印鑑証明以外の必要書類とは?
マンションの購入においては、前述した印鑑を押すのに必要な書類のほかにもさまざまな書類を準備しなければいけません。
では、どのような書類が必要なのでしょうか。
ここからは印鑑証明以外の必要な書類について解説します。
本人確認書
免許証や健康保険証、パスポートなどが該当します。
申し込み時に本人確認証を請求されるケースもあり、利用するケースは最も多い書面です。
基本的には、顔写真が付いているものとして免許証やパスポートが最も多く要求される書面といえるでしょう。
収入証明書
収入証明書として、所得証明書や源泉徴収票などを求められます。
主に、住宅ローンの審査において使用されることが多く、最も重要な書面です。
いくら、収入を高く自己申告していたとしても、これらの公的書面でしっかりと確認されます。
借入残高書
他の借り入れがどの程度残っているのかを明示している書面で、住宅ローンの審査において使用される書類です。
借り入れが多いため、この書面を見提出して借り入れを隠して審査を受けるケースも見受けられます。
しかし、住宅ローンの審査のなかで、他の借り入れ照会をされていますので、隠しても無駄であり、隠しているために審査が落ちる可能性もあるのです。
借り入れがある場合は、正直に提出しましょう。
住民票
現在の住居を特定するために必要な書面です。
これも住宅ローンの審査において利用されることが多いでしょう。
住宅ローンの融資条件として住居に定着していることが条件となりますので、住民票によって住所と居住期間を特定するために用いられます。
物件についての書類
購入しようとするマンションの書類です。
この書面に関しても住宅ローンの審査で利用されます。
その他、自分たちがマンションを購入するために必要な資料としても用いているでしょう。
測量図や現在の謄本などと見比べて物件の条件に間違いがないのかを確認します。
まとめ
マンションを購入するにあたり、印鑑の使用は必須ですが、さまざまなシーンにおいて使用する印鑑は異なります。
マンション購入において必要な印鑑は認印、銀行印、実印です。
用途については今回の記事で解説していますので是非とも参考にされてはいかがでしょうか?
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この記事を書いた人
資格:宅建・FP2級・通関士・総合旅行業務取扱管理者
大学生の時に一人旅に目覚め、海外50か国以上を訪れました。その経験を武器に新卒で旅行会社に入社しましたが、入社数年で倒産という憂き目にあってしまいます。悔しさをバネに宅建・通関士・FP資格を無職期間の4年でゲット!現在は不動産会社の窓口勤務ですが、コロナ渦で週休4日ペースが続いているため、新しい資格取得に向けて日々奮闘中です。趣味はペット。特技は英会話。
清水みちよ
30代女性