といった悩みにお答えします。
本記事の内容
- 自宅購入が投資になる?
- 自宅投資のメリット
- 自宅投資のデメリット
- 自宅投資と不動産投資どっちを優先すべき?
「自宅投資について知りたい」
「自宅投資と不動産投資の違いって何?」
「どっちを優先した方が良いの?」
このようにお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
不動産投資といえば、アパートやマンションの賃貸収入を得るというのが一般的なイメージですが、近年は自宅投資という考え方も広まりつつあります。
自宅投資とは一体どのような投資なのでしょうか。
そこで、本記事では、自宅投資について詳しく解説します。
本記事を読めば、自宅投資の特徴や不動産投資との違いについて理解でき、ご自身の資産運用に役立てられることでしょう。
是非、最後まで読んで資産運用の参考にしてみてください。
これから不動産投資を始めるという方は、以下の記事をご覧ください。
【初心者向け】不動産投資の始め方!7つのステップで徹底解説!
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自宅購入が投資になる?
「自宅投資」とは、自分の家を住居だけとして捉えるのではなく、投資の対象として利用する投資方法です。
仕組みとしては、自宅として住んでいる物件価格が値上がりするタイミングを見計らって売却を行い、利益を得るというもの。
不動産投資といえば、アパートやマンションを貸し出して賃貸収入を得るのが一般的であり、自宅を投資対象とするのはあまり一般的ではない考え方でした。
しかし、賃貸暮らしによる家賃支払いがなくなり、ローンの返済を行うことで資産が増やせる自宅購入も一種の不動産投資といえます。
将来的な年金への不安やコロナ禍による経済危機などから、資産運用による備えや収入源を確保したいと考える方は増加傾向にあります。
中でも安定的に家賃収入が得られる可能性の高い不動産投資を検討する方は多いでしょう。とはいえ、不動産投資にも空室リスクや家賃滞納リスク、入居者とのトラブルといったさまざまなリスクが伴います。
そのため、始めたくても簡単には始められないといった方も多いのではないでしょうか。
一方、自宅投資であれば、自宅に住むのはご自身や家族です。自宅購入における税制優遇措置も利用できるといったメリットも多く、不動産投資におけるリスクを抑えながら資産形成につながるため、始めやすいと言えるのです。
自宅投資のメリット
気軽に始めやすい投資として自宅投資に注目が集まっていますが、自宅投資のメリットとしてはどういった点があげられるのでしょうか。
ここでは、自宅投資のメリットについて以下の4つをご紹介していきますので、それぞれ見ていきましょう。
- 低い金利でローンを組める
- ローン審査に通りやすい
- 住宅ローン控除を受けられる
- 売却時の税制優遇を受けられる
その①:低い金利でローンを組める
低い金利でローンを組める点は、自宅投資のメリットとしてあげられます。
自宅の購入であれば住宅ローンを利用可能です。
住宅ローンは住宅取得を目的としている方向けのローンであり、金融機関としても低金利で対応しています。
昨今の住宅ローン金利を見てみると、変動金利であれば0.4%程度から対応しています。
固定金利であっても1%程度で借入れできるケースが多いです。
一方、一般的な不動産投資用のローンでは、住宅ローンよりも金利が高く、低くても1.5%程度となるケースが多いでしょう。
また、住宅ローンの借入期間としては35年程度で組むケースが一般的ですが、これだけ長期にわたって借入期間を設定できるのは他のローンでは考えにくいです。
金融機関としても長期間にわたって継続した取引が見込まれ、給与振込や口座振替といった複合取引が期待できる点も勘案されて低金利での対応になっているといえます。
このように低い金利でローンを利用できる点は、自宅投資のメリットといえるのです。
不動産投資ローンの金利については、不動産投資ローンの金利相場や低金利で融資を受けるポイントなど徹底解説で詳しく解説しています。
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その②:ローン審査に通りやすい
ローン審査に通りやすい点も自宅投資のメリットといえるでしょう。
住宅ローンと不動産投資のローンでは、そもそも審査のポイントが異なります。
住宅ローンの場合は、自宅購入の資金になるため、本人の給与などから返済できるかどうかがポイントです。
そのため、個人の収入状況や信用情報に問題がなければローン審査も通りやすく、条件によってはフルローンが可能なケースも考えられます。
一方、不動産投資ローンの場合、返済原資となる賃料収入がきちんと得られるかどうかが審査のポイントです。
物件の立地状況、部屋数、利回りといったさまざまな状況を総合的に見て、不動産賃貸事業として問題なく成り立つかどうかが重要です。
また、近年の不正融資問題や建築偽装問題などのさまざまな問題が発生したことから、金融機関での融資審査も厳しくなっています。
各金融機関に対して金融庁から指導が入っており、融資審査を厳しくせざるを得ない事情もあり、フルローンではなく自己資金の割合が多くなっているのが現状といえるでしょう。
こうした点からも、ローン審査に通りやすい点は自宅投資のメリットといえるのです。
不動産投資ローンの金利については、不動産投資ローンとは?利用するメリット・デメリットと審査承認を得るためのコツで詳しく解説しています。
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その③:住宅ローン控除を受けられる
自宅投資の場合、住宅ローン控除を受けられる点も大きなメリットといえるでしょう。
不動産投資ローンでは、住宅ローン控除といった減税措置は受けられません。
一方、住宅ローンでは、住宅取得から原則10年にわたってローン残高の0.7%、一般住宅であれば年額最大21万円を所得税と一部住民税から控除可能です。
ちなみに、2022年は住宅ローン控除期間が3年間延長となり、最大控除期間が13年と長くなっています。
より高い減税効果が期待できる状況です。
また、住宅ローン控除以外にも、すまい給付金や所有権移転にかかる登録免許税の軽減措置などさまざまな優遇措置が利用できます。
このように、住宅ローン控除などの優遇措置が受けられる点は、大きなメリットといえるでしょう。
不動産投資の控除については、不動産投資で活用したい控除とは?青色申告特別控除の適用を受ける条件やメリットを知りたいで詳しく解説しています。
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その④:売却時の税制優遇を受けられる
売却時にも税制優遇を受けられる点も自宅投資のメリットとしてあげられるでしょう。
自宅の場合、取得時から一定期間にわたって利用できる住宅ローン控除だけでなく、売却時には、3,000万円の特別控除が受けられます。
これは、住宅を売却した際に得られた利益について3,000万円までなら税金を納めなくても良いという優遇制度です。
不動産投資においては家賃収入だけではなく、売却時の利益も大きな収入源といえるでしょう。
しかし、通常の不動産投資であれば、売却時の利益に関して所有期間に応じて下表の通り課税される所得税と住民税を納めなくてはなりません。
所有期間 | 所得税 | 住民税 | 合計 | |
短期譲渡所得 | 所有期間5年以下 | 30.63% | 9% | 39.63% |
長期譲渡所得 | 所有期間5年超 | 15.315% | 5% | 20.315% |
では、物件売却時に3,000万円の利益が出た場合にはそれぞれの税額にいくらになるでしょうか。
- 短期譲渡所得の場合3,000万円×20.315%=税額609万円
- 長期譲渡所得の場合3,000万円×39.63%=税額1,188万円
上記のように、通常の不動産売却であれば、相当な税金を納めなくてはならない計算になります。
一方、自宅であれば、同じ3,000万円の利益額が出たとしても特別控除が適用されるため、納税額は0円で済むのです。
このように売却時にも税制優遇が利用できる点は自宅投資の大きなメリットといえるでしょう。
自宅投資のデメリット
自宅投資のメリットについてお伝えしました。
では、自宅投資におけるデメリットにはどのような点があるのでしょうか。
ここでは、自宅投資のデメリットについて以下の通りご紹介しますので、それぞれ見ていきましょう。
- 規模を拡大できない
- 売却まで収益が発生しない
- 家族の理解を得る必要がある
その①:規模を拡大できない
自宅投資の場合、規模を拡大できない点はデメリットとしてあげられます。
自宅投資は、自分の家を住居だけと捉えずに、投資の対象として利用し、将来的な売却益を目的とする投資方法です。
そのため、一度に複数戸の住宅を購入することができません。
セカンドハウスといった形でローンを組める可能性もありますが、既存の住宅ローン返済も含んだうえで返済原資が確保できるかどうかが重要なポイントになります。
また、セカンドハウスとなった場合には、住宅ローンの金利が高くなるケースや税制優遇措置が利用できない可能性が考えられるでしょう。
そのため、複数戸を一度に購入するのは現実的ではなく、規模を拡大できない点はデメリットといえるのです。
その②:売却まで収益が発生しない
自宅投資の場合、売却まで収益が発生しない点もデメリットといえます。
一般的な不動産投資であれば、取得した不動産を第三者に貸し出して賃料収入が得られるため、入居者がいる限りは安定した収益が期待できるでしょう。
一方、自宅投資の場合、住んでいるのはご自身やご自身の家族のため、賃料収入は発生せず、売却するまでは収益が発生しないのです。
但し、自宅を賃貸に出すことも可能です。
その場合には、住宅ローンを不動産投資ローンに組み直さなくてはならないケースが考えられます。
転勤等で一時的に貸し出す場合には、住宅ローンとして認められるケースもあるでしょう。
かし、通常の住宅ローンのままで賃貸住宅として貸し出しできないのが原則です。
最悪の場合には、契約違反として一括での返済を求められる可能性もあるため、注意しておきましょう。
その③:家族の理解を得る必要がある
自宅投資のデメリットとして、家族の理解を得る必要がある点もあげられるでしょう。
自宅投資を行う方も場合、物件を所有してから10年以内での住み替えを行うケースが多いです。
投資としての利回りを考えるうえでは、次から次へと住み替えていく必要があるでしょう。
しかし、次から次へと住み替えを行うことに対し、家族から反対されるケースも十分想定されます。
「住み慣れた土地や家から離れたくない」「子どもを転校させたくない」といった家族の意思を無視してまで自宅投資を行うべきではありません。
このように、家族からの理解を得る必要がある点はデメリットといえるでしょう。
自宅投資と不動産投資どっちを優先すべき?
自宅投資のメリット・デメリットについてお伝えしました。
自宅を投資対象とする自宅投資の魅力が理解でき、実際に始めてみたいと思われた方も多いでしょう。
では、実際に自宅投資と不動産投資を行う場合、どちらを優先した方が良いでしょうか。
結論を述べると、不動産投資を優先した方が良いと考えられるでしょう。
ここでは、その理由について解説します。
不動産投資を先にした方がローンを組みやすい
不動産投資を先にした方が良い理由として、ローンを組みやすいという点が考えられます。
自宅取得はご自身や家族が住むためのものです。
審査のポイントとしても、給与などの収入から住宅ローンの返済原資が確保できるかどうかが重要になります。
方、不動産投資は第三者に貸し出して家賃収入を得るのが目的であり、審査においては家賃収入でしっかりと返済できるかどうかがポイントです。
いずれにしても、融資を利用する限りは月々の返済が発生するものですが、不動産投資の方が本業の収入に賃貸収入もプラスになることになります。
このように、不動産投資を優先した方が収入面においてプラスに働くため、次のローンも組みやすくなると考えられるでしょう。
また、給与所得者が住宅ローンを組む場合、定年するまでの間に住宅ローンが完済できるかが焦点となります。
定年以降は収入が大きく減る可能性があるため、融資期間が限定される可能性が考えられるでしょう。
しかし、不動産投資を行っていた場合、定年後でも家賃収入が入る可能性が考慮され、融資期間にも有利に働く可能性が考えられるのです。
但し、不動産投資による借入残高が多すぎると住宅ローンを組むのが難しくなる可能性もあるため、注意しておきましょう。
金利や税制優遇は自宅の方が手厚い
不動産投資を先にした方が次のローンが組みやすくなりますが、金利や税制面では自宅投資の方が手厚く優遇されています。
住宅ローンの場合、不動産投資ローンと比べて低金利で借入可能です。
また、取得後から一定期間にわたって減税効果が得られる住宅ローン控除や売却時の利益についても特別控除などが利用できます。
但し、住宅ローン控除などの税制優遇については税法の改正により今後終了する可能性も考えられるでしょう。
自宅投資を検討する場合には、こうした点も考慮したうえで検討するのが重要です。
まとめ
本記事では、自宅投資の特徴や不動産投資との違い、自宅投資のメリット・デメリットについて詳しくお伝えしてきました。
不動産投資に興味はあるけど、中々始めたくても簡単には始められないと考える方も多いでしょう。
しかし、自宅投資であれば、住宅ローンが利用出来たり、税制優遇措置が利用できたりといったメリットも多く、不動産投資のリスクを抑えつつ資産形成が可能です。
年金制度への不安や経済危機への備えとして、資産運用や本業以外での収入確保は大切です。
こうした将来への備えとして、本記事で紹介した内容を参考に、自宅投資や不動産投資を検討してみてはいかがでしょうか。
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この記事を書いた人
資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)
地方銀行、不動産会社を経て金融や不動産関連の情報をお伝えするフリーライターとして活動しています。
実務で得た知見を活かして、記事を読まれる方の困りごと解決に役立てられたらと考えています。
逆瀬川勇造
30代男性