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本記事の内容
- ワンルームマンション投資とは
- ワンルームマンション投資のメリット3つ
- ワンルームマンション投資のデメリット3つ
- ワンルームマンション投資のよくある3つの失敗事例
- ワンルームマンション投資を成功させる3つのポイント
近年注目を集める不動産投資の中でも、人気のある投資として「ワンルームマンション投資」があります。
購入価格が安いなどのメリットがあるワンルームマンション投資を検討している方も多いでしょう。
しかし、ワンルームマンション投資にはデメリットもあるので、きちんと理解したうえで投資しなければ、投資を失敗してしまう可能性も高いのです。
この記事では、ワンルームマンション投資の基本やメリット・デメリットについて、分かりやすく解説します。
併せて、失敗事例や成功ポイントも紹介するので、今後の投資の参考にしてください。
これから不動産投資を始めるという方は、以下の記事をご覧ください。
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【初心者向け】不動産投資の始め方!7つのステップで徹底解説!
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ワンルームマンション投資とは
ワンルームマンション投資とは、マンション1室を購入し賃貸に貸し出すことで、賃料などの収益を得る投資のことを言います。
ワンルームマンションとは
マンション1室に投資するといっても、通常の区分マンションへの不動産投資とは異なります。
ワンルームマンション投資では、投資対象がワンルームマンションという点に特徴があります。
そもそも、ワンルームマンションとは、1つの居室にキッチンやバス・トイレが配置されたコンパクトなマンションのことを言います。
専有面積も20㎡ほどと大きくなく、一般的には独身や学生などの単身者向けのマンションとなっているのです。
ワンルームマンション投資の仕組み
ワンルームマンション投資の大まかな仕組みは、次のとおりです。
- 金融機関からローンを組んで物件を購入
- 入居者から家賃を得る
- 家賃収入からローンの返済や管理に掛かる費用を捻出
ワンルームマンション投資では、金融機関でローンを組んで物件を購入するのが一般的です。
ローンやマンションの管理費用を、家賃収入から差し引いた額が手元に残るお金(利益)となります。
また、家賃収入以外にも物件を売却して売買差益を得るという方法もあります。
この方法では、購入時よりも高値で売却し、その差額を利益として得られるのです。
ワンルームマンション投資のメリット3つ
ここでは、ワンルームマンション投資のメリットについて見ていきましょう。
メリットには、次の3つがあります。
- 初期費用を抑えやすい
- 異なるエリアに複数棟所有するといったことも検討しやすい
- 立地がよい物件も購入しやすい
メリット①:初期費用を抑えやすい
ワンルームマンションは、ファミリー向けの多い区分マンションやアパートなどの1棟買いに比べ、購入費用が安いという特徴があります。
築年数やエリアによっても異なりますが、区分マンションや1棟買いでは5,000万円以上や億単位という場合もあるでしょう。
それに対し、ワンルームマンションは中古であれば1,000万円前後でも購入できる物件もあります。
購入価格が安いので、ローンの借入金額を抑えられ投資経験のない人や若い人・自己資金が少ない人でも比較的借入しやすいというメリットもあります。
また、金融機関によっては自己資金が不要なフルローンで借り入れできる可能性もあるのです。
初期費用を抑えやすいので、不動産投資の中でもスタートしやすいと言えるでしょう。
不動産投資の初期費用については、不動産投資の初期費用はどのくらいかかる?具体的な内容や安くする方法などご紹介で詳しく解説しています。
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メリット②:異なるエリアに複数棟所有するといったことも検討しやすい
不動産投資は現物投資のため、災害などで不動産が破損すれば大きな負担となるリスクがあります。
そのリスクを避ける方法の一つが、複数のエリアに不動産を所有することです。
しかし、高額な不動産の場合、複数のエリアにいくつも所有することは簡単なことではありません。
その点、ワンルームマンションなら初期費用が比較的安いため、複数所有することも検討しやすいという特徴があるのです。
リスク分散としても、ワンルームマンションを複数所有することを検討するとよいでしょう。
不動産投資の複数所有については、不動産投資では複数所有を目指すべき?メリット・デメリットや注意点を解説で詳しく解説しています。
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メリット③:立地がよい物件も購入しやすい
ワンルームマンションは、単身者向けのマンションのため駅の近くや商業施設の近くといった立地条件が良いケースが多いものです。
通常、立地条件の良い物件では購入価格も高額になる傾向があります。
しかし、ワンルームマンションは専有面積も広くなく単身者向けのため、良い立地であってもお手頃価格というケースが多いのです。
そのため、条件の良い物件を比較的安値で購入しやすいというメリットがあります。
ワンルームマンション投資のデメリット3つ
ワンルームマンション投資には、デメリットもあるためデメリットを理解したうえで投資を検討することが大切です。
デメリットとしては次のようなことがあります。
- 空室になると収入がゼロになる
- 経費が割高になりやすい
- 節税効果が低くなりやすい
それぞれ見ていきましょう。
デメリット①:空室になると収入がゼロになる
ワンルームマンションは1室に対して投資するため、その部屋が空室なら収入はゼロです。
単身者向けでもあるため、ファミリー世帯よりも入退出の頻度が高い傾向もあり、空室リスクには注意しなければなりません。
空室期間が長くなれば、その分手出しで費用を補填しなければならず収支が大きくマイナスになる可能性が高くなるでしょう。
デメリット②:経費が割高になりやすい
不動産投資では、不動産管理のための多くの費用が掛かります。
マンションの修繕費や管理費、退去時の原状回復費などが必要になるものです。
1棟買いや複数棟所有している場合、修繕費などはまとめて修繕することで1室あたりの費用を安くできます。
しかし、1室しか所有しないワンルームマンション投資では、すべてのコストが1室に掛かってくるため、割高になりやすい点には注意しましょう。
デメリット③:節税効果が低くなりやすい
不動産投資で節税効果を狙う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、ワンルームマンション投資で節税を狙う場合は効果が低くなりやすいので注意が必要です。
不動産投資で節税効果を狙うには、減価償却費を活用する必要があります。
減価償却費とは、物件の購入価格を一括で費用計上するのではなく、償却期間で案分して毎年計上する会計上の処理のことを言います。
減価償却費は、実際の支出を伴わない経費のため、黒字を出しながらも所得額を低く申告するために有効な手段です。
この減価償却費は、不動産の構造によっても大きく異なってきます。
減価償却を計上する償却期間である、主な構造別の法定耐用年数は構造によって次のように定められています。
構造 | 耐用年数 |
木造 | 22年 |
木造モルタル | 20年 |
鉄骨造り(3mm以下) | 19年 |
鉄骨造り(3mm超4mm以下) | 27年 |
鉄骨造り(4mm超) | 34年 |
鉄筋コンクリート造り | 47年 |
例えば、同じ2,000万円で購入したマンションでも構造によって計上できる費用は、次のように異なります。
- 鉄骨造り(3mm超4mm以下):2,000万円÷27年=約740万円/年
- 鉄筋コンクリート造り:2,000万円÷47年=約42.5万円
一般的に、ワンルームマンションは鉄筋コンクリート造りが主流となるため、一年で計上できる減価償却費が低く10万円ほどということもあります。
そのため、減価償却費を活用した節税効果を得にくいので注意が必要なのです。
不動産投資の節税については、不動産投資が節税になるって本当?3つの税金について解説で詳しく解説しています。
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ワンルームマンション投資のよくある3つの失敗事例
ワンルームマンション投資で失敗しないためには、失敗事例から学んで対策することが重要です。
ここでは、ワンルームマンション投資でよくある失敗事例として、次の3つを紹介します。
その①:節税目的でワンルームマンションを購入して赤字続きになってしまった事例
ワンルームマンション投資は節税に効果があると営業マンから聞いて投資をスタート。
収益性が低く経費が掛かる点が不安ではあったものの、営業マンから税金の還付でマイナスを補えると説得され購入しました。
しかし、実際に運用してみると減価償却計上できる費用が少なく節税効果があまり出ないという事態…
加えて、収益性の低さと実際に出費した経費の高額さも追い打ちとなり、毎月の収支は赤字続きです。
税金の還付自体は受けられましたが、それ以上の自己資金での補填額が上回ってしまう状況になったのです。
これは、営業マンの言葉を鵜呑みにして減価償却などをよく理解しないまま不動産投資をスタートしたために失敗につながったといえるでしょう。
その②:購入後すぐに退去されてしまい収入ゼロになってしまった事例
入居者がすでにいる物件であり、すぐに収入を得られる点と物件価格の安さに魅力を感じ購入。
最初の数か月は順調に収入を得られたものの、半年後に入居者が退去してしまいました。
すぐに次の入居者を募集したものの、築年数が古く立地も良くない物件のためなかなか入居者が決まらない状況が続きます。
半年後何とか入居者が決まったものの、家賃を値下げせざるを得ない状況でもありました。
また、入居者の決まらなかった半年間は収入がゼロのため自己資金で補填。
その後も、家賃を下げたことで赤字ギリギリでの運営となったのです。
入居者のいる物件であれば、家賃収入をすぐに得られるというメリットはあるでしょう。
しかし、すでに入居者のいる物件だからと言って安易に購入を決断するのはおすすめできません。
入居者がすぐに退去しないか、家賃滞納しないかなどしっかりとリサーチする必要があります。
また、もし退去されてもすぐに次の入居者が見つかるような、需要の高い物件であるのかも購入時には確認することが大切です。
その③:業績が悪く2棟目以降を購入できなくなってしまった事例
ワンルームマンション投資をスタート。
しかし、1室だけでは空室時に収入がゼロになることを懸念し、2棟目以降の購入を検討しました。
2棟目として良い物件を見つけたため金融機関に融資の申し込みをしたところ、1棟目の業績が悪いことを理由に融資が断られたのです。
ワンルームマンションでは、1室のみ所有するため空室リスクが高くなる傾向があります。
2棟目以降も所有を検討すべきですが、2棟目購入でローンを利用する際、金融機関から1棟目の経営状況も審査されます。
1棟目の運営状況が悪ければ、追加で融資を受けられなくなるので注意しましょう。
ワンルームマンション投資を成功させる3つのポイント
ここでは、ワンルームマンション投資を成功させるポイントとして、次の3つを紹介します。
- 少しでも良い条件で融資を受ける
- 立地を重視する
- 新耐震基準の物件を購入する
それぞれ見ていきましょう。
その①:少しでも良い条件で融資を受ける
融資を受ける際には、毎月の返済額を抑えられようにする必要があります。
- 条件の良い物件を探して金利を低くしてもらう
- 低金利で長期間借入れる
- 頭金を増やして借入額を減らす
上記のような方法で、借入れることで毎月の返済額を少なくでき、キャッシュフロー改善に役立つでしょう。
とくに、自己資金が少ない場合は、良い物件を探して低金利で長期間借入れることが有効です。
長期間借入ることで、毎月の返済額は少なくなり、手取りを増やして余裕をもって運営できます。
ただし、長期間借入れると返済総額が増えることや金利が上昇した場合のリスクが高くなる点には注意が必要です。
余裕が出たら繰り上げ返済することでそれらの対策になるだけでなく、金融機関のからの評価も高くなるでしょう。
不動産投資の融資については、不動産投資で融資を受ける際のメリットや注意点・始めるまでの流れなど解説で詳しく解説しています。
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その②:立地を重視する
ワンルームマンション投資では、空室が出てしまうと収益のマイナスに直結します。
そのため、需要の高い物件を見極める必要があるのです。
空室になった場合でも、すぐに次の入居者を確保できるような立地の良い物件がおすすめです。
とくに、都心の物件は地方の物件より需要は高く、資産価値も落ちにくい特徴があります。
購入価格が安い物件の場合、初期費用を抑えられても入居者を見つけられなければ意味がありません。
多少高額になっても、需要の高い物件に投資することがポイントと言えるでしょう。
その③:新耐震基準の物件を購入する
建物に適用されている耐震基準は、1981年以前の旧耐震性基準とそれ以降の新耐震基準に分かれます。
旧耐震基準で建てられた建物の場合、大きな地震で倒壊の可能性が高くなるものです。
また、耐震性を上げるために補強工事するにも、高額な費用が掛かります。
それに対し、新耐震基準で建てられた建物であれば、震度6強~震度7の地震でも倒壊しない強度があります。
築年数が古い物件は安値で購入できますが、どんなに古い物件であっても新耐震基準を満たしている物件を選ぶことが大切です。
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まとめ
ワンルームマンション投資のメリットやデメリット・成功のポイントなどをお伝えしました。
ワンルームマンション投資では、空室リスクが高く経費も割高になるなど注意点があるので、需要の高い物件を見極める必要があります。
また、節税効果などを謳った営業トークを鵜呑みにしないように、自分でもしっかりと知識をつけ、物件情報をリサーチしたうえで投資することが大切です。
この記事を参考に、ワンルームマンション投資について理解し投資を検討すると良いでしょう。
これから不動産投資を始めるという方は、以下の記事をご覧ください。
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この記事を書いた人
資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)
地方銀行、不動産会社を経て金融や不動産関連の情報をお伝えするフリーライターとして活動しています。
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逆瀬川勇造
30代男性