不動産投資

不動産投資では複数所有を目指すべき?メリット・デメリットや注意点を解説

不動産投資って複数の物件を所有するべきでしょうか?複数所有のメリット・デメリットを教えてください。

といった悩みにお答えします。

本記事の内容

  • 不動産投資で複数所有するメリット
  • 不動産投資で複数所有するデメリット
  • 不動産投資で複数所有する際の注意点
  • 不動産投資を複数所有するのに向いている人

不動産投資は複数の物件を所有することで、多くの収入を得ることができます。

記念すべき1棟目の運営にも慣れてきて、2棟目の所有を検討し始めている人もいるかもしれません。

当然ながら、複数の物件を運営することには、様々なメリットやデメリットがあります。そこで、本記事ではメリットやデメリット、注意点について詳しく説明します。

複数の物件を所有することならではの注意点も紹介していますので、不動産投資で複数所有を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

これから不動産投資を始めるという方は、以下の記事をご覧ください。

【初心者向け】不動産投資の始め方!7つのステップで徹底解説!

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不動産投資で複数所有するメリット

不動産投資で複数所有するメリット

複数の物件を所有することのメリットを下記の内容にて紹介します。

  1. 収入と資産が増える
  2. 節税効果が高くなる
  3. リスク分散できる

それでは詳しく見ていきましょう。

メリット➀:収入と資産が増える

所有する物件が増えることで、家賃収入が増えることが一般的です。

例えば月10万円の区分マンションを1戸持っていれば、家賃収入は10万円、2戸なら20万円、3戸なら30万円というように、所有する物件が増えれば増えるほど多くの家賃収入が得られる計算です。

実際には空室になることもあり、計算通りの収入が得られない可能性がある点に注意しておきましょう。

また、不動産は資産ですので、複数の物件を所有することで、それだけ多くの資産を所有しているといえます。

実際には金融機関から融資を受けて物件を購入する人にとっては、ローンの返済中は純資産とは言えませんが、ローンの残金が少なくなるにつれて、所有する純資産が増えるという事になります。

不動産投資で得た収益をローンの繰り上げ返済に回すことで、毎月の返済額が減り、さらに手元に残る資金が多くなり、どんどん繰り上げ返済を行っていくことで早期にローンの返済を終えることが可能です。

資産が増えることで、金融機関からの評価も高くなり、また次の物件を購入する際に融資を受けやすくなるため、次々に不動産を所有することができます。

メリット②:節税効果が高くなる

複数の物件を所有することで、節税効果が高くなります。

その理由として、所有する物件の数が増えていくことで、不動産投資が事業として認可されれば、青色申告特別控除や青色事業専従者といった制度を利用することが可能になるためです。

これらの制度を活用することで、収入から一定額を控除することができ、所得に対して課税される所得税や住民税を節税することができます。

事業として認められることで控除される金額も大きくなるため、効果の大きい節税といえるでしょう。

不動産投資の節税については、不動産投資が節税になるって本当?3つの税金について解説で詳しく解説しています。

不動産投資が節税になるって本当?3つの税金について解説

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メリット③:リスク分散できる

物件の場所を特定することなく、分散して所有することで、自然災害や周辺環境の変化に対するリスク分散が可能になります。

自然災害に対するリスク分散

例えば、台風や大地震等の自然災害が起こった際に、限られた地域に集中して不動産を所有しているとすべての物件に対して修繕が必要になるかもしれません。

物件が倒壊したり、人が住めない状態になったりすると家賃収入が失われてしまいます。

しかし、そのような場合にも離れた場所に物件を所有しておけば、その物件からはいつもと同じように家賃収入が得られ、全ての家賃収入が0円になることを避けられます。

つまり、災害発生時のリスク分散になるのです。

周辺環境の変化に対するリスク分散

また、物件を所有して月日が流れると、周辺の環境が変化することは多くあります。

地方ではかつて賑わいがあった地区が過疎に見舞われ、人口が少なくなっているような事例がたくさんあります。

もしも物件を所有している場所の人口が減少し、需要が減少した場合には空室率は高くなり、家賃を下げざるを得ない状況になるかもしれません。

しかし、別の場所に物件があれば、その物件のエリアは需要が高まっている可能性もあります。

つまり、所有物件の場所を分散することで、周辺の環境変化にも対応することができ、リスクを分散することが可能です。

不動産投資のリスクについては、不動産投資にはリスクがある?代表的な5つのリスクとそれぞれの対策を解説で詳しく解説しています。

不動産投資にはリスクがある?代表的な5つのリスクとそれぞれの対策を解説

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不動産投資で複数所有するデメリット

不動産投資で複数所有するデメリット

次に複数の物件を所有することのデメリットを紹介します。

所有物件が増えることのデメリットも理解した上で、物件選びを進めていくことが重要です。

それでは、下記の内容を詳しくみていきましょう。

  1. 借金が増えやすい
  2. 修繕リスクが増えやすい
  3. 「突発的な費用」の額が大きくなりやすい

デメリット➀:借金が増えやすい

不動産投資を行う際には、ローンを組んで物件を購入することが一般的です。

1棟目をローンで購入したうえで、返済を終えるまでに2棟目もローンで購入すると当然ながら、借入額は大きくなります。

リスクを軽減するためにも、家賃収入から毎月の返済額を差し引いた利益分で1棟目のローンの繰り上げ返済を行うなど、早めにローンの借入額を減らせるよう、取り組むことが重要です。

万が一空室が発生すれば家賃収入が減ってしまうことも想定した上で、返済可能な借入額に設定しておきましょう。

デメリット②:修繕リスクが増えやすい

建物は維持管理していく上で、定期的に修繕やメンテナンスを行う必要があり、事前に計画を立てておかなければ、思わぬ出費に慌てることになります。

また、大規模な修繕であれば多額の費用が必要となりますので、もしも修繕積立金が準備できていなければ、不足分は手出しとなってしまうかもしれません。

また、複数物件あれば、割と大きな費用が必要な給湯器やエアコンなどのメンテナンスのタイミングが重なってしまう可能性があります。

メンテナンス時期や、修繕時期ができるだけ重ならないように建築時期を確認した上で物件を選ぶことや、長期的な修繕の計画を立てておくことが大切です。

計画に基づいて修繕費は家賃収入から積み立てておくことをおすすめします。

デメリット③:「突発的な費用」の額が大きくなりやすい

物件を所有していると、急な設備の故障やトラブルによって、費用が必要になることがあります。

また同じエリアに複数物件を所有していると、全物件で自然災害の被害を同時に受けてしまうかもしれません。

複数の物件で同時に突発的な費用が必要になれば、多くの費用を準備しなければならない点に注意しましょう。

そうなるとキャッシュフローが一気に悪化し、不動産投資を継続できず、物件を手放すような状況に陥ってしまうかもしれません。

急な出費に備えてキャッシュフロー管理がより重要になります。

不動産投資で複数所有する際の注意点

不動産投資で複数所有する際の注意点

複数の物件を所有する際に注意すべき点について説明します。

まずは下記の3点に注意することが大切です。

  1. まずは1棟目を成功させることが重要
  2. 大規模修繕工事のタイミングを把握しておこう
  3. しっかりシミュレーションしておこう

それでは具体的にみていきましょう。

注意点➀:まずは1棟目を成功させることが重要

2棟目の購入は1棟目の経験がある分、簡単に考えてしまいがちですが、1棟目の成功無しに、2棟目の購入は厳しいと考えておきましょう。

1棟目の購入の際はとても慎重に物件選びから管理会社選びなど行ってきたはずです。

その結果として、順調に家賃収入が得られるようになったからといって油断してはいけません。

今後、マイナスのキャッシュフローに陥る可能性は十分にありますので、注意が必要です。

1棟目の投資でマイナスのキャッシュフローになっていると、2棟目でローンを組むのはかなり厳しくなります。

また2棟目を購入することで、現在のキャッシュフローを改善できるのか、中長期的な目線で、検討することが重要です。

購入の基準が緩んでしまわないように、物件の購入に関してルールを設け、しっかりと利益が出る物件が見つかるまで、リサーチを行っていきましょう。

注意点②:大規模修繕工事のタイミングを把握しておこう

大規模修繕工事はマンションだと10年から15年に一度発生します。

なお、修繕のタイミングは周囲の環境や管理の程度、使用方法などによって大きく変わりますので、参考程度に考えておきましょう。

1棟まるごと所有している場合には、自分の判断次第で、大規模修繕を実施するのか、どこまで実施するのか、意思決定することができますが、区分マンションの場合には自由に判断することはできません。

区分マンションなどの場合には、大規模修繕工事のタイミングにおいて修繕積立金で足りない分は、一時負担金として別途費用が必要になる場合があります。

複数の所有物件の修繕費が必要なタイミングが重なってしまうと、大きな出費となりますので、1棟目と2棟目は建築時期が異なる物件を購入し、大規模修繕工事の時期が重ならないように注意しましょう。

注意点③:しっかりシミュレーションしておこう

1棟目の物件を購入する際には不動産投資ローンを利用する人がほとんどでしょう。

そして、不動産投資ローンは長期で組むことが一般的ですので、おそらく2棟目の物件を購入する際には1棟目のローン返済も重なってきます。

その場合に、万が一空室が発生したときのことを考えておくことが重要です。

先程説明した修繕費用が必要な時期も確認した上で、収支のシミュレーションを行う必要があります。

合計のローン返済金額を確認し、家賃収入が減少した場合や、修繕費が必要な場合のローン返済について、どの程度対応できるのか事前にシミュレーションしておきましょう。

不動産投資を複数所有するのに向いている人

不動産投資を複数所有するのに向いている人

どのような人が複数所有するのに向いているのか、説明します。

下記内容について具体的にみていきましょう。

  1. しっかりキャッシュフロー管理できる方
  2. 資産と収入を大きくしていきたい方
  3. 老後に安心して生活したい方

その➀:しっかりキャッシュフロー管理できる方

複数の物件を所有すると、それだけキャッシュフローが複雑になってきます。

多額の修繕費などが一度に必要になると、キャッシュフローが大幅に悪化して、返済計画がうまく進まなくなります。

そのため、それぞれの物件のローン返済額、将来見込まれる出費額など把握した上でしっかりとキャッシュフローを管理できる人が複数の物件所有に向いていると言えるでしょう。

収支計画と合わせて修繕計画も作成し、修繕費用についても計上しておくことで、かかる費用と時期をまとめておくことがおすすめです。

不動産投資のキャッシュフローについては、不動産投資でキャッシュフローが重要な理由とは?重視するメリットなど解説で詳しく解説しています。

不動産投資でキャッシュフローが重要な理由とは?重視するメリットなど解説

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その②:資産と収入を大きくしていきたい方

複数の物件を所有することで、資産と収入がどんどん大きくなります。

ローンを利用する人は借入額が多くなりますが、それでも資産と収入を大きくしていきたい方には複数物件の所有が向いていると言えるでしょう。

ローンの返済を終えるまでは、家賃収入のほとんどがローンの返済に回りますが、ローン全額の返済を終えれば、家賃収入はそのまま手元に残る収入となります。

しかし、家賃収入だけで2棟目を購入することは容易ではありません。

そのため、2棟目の購入もローンを活用することが一般的です。

金融機関によっては本業の年収に家賃収入を加えた金額をみなし年収として審査をしてくれる場合があります。

この仕組みを活用すれば、所有物件が増え、家賃収入が増えていけば、合わせて融資額を増やしていくことが可能かもしれません。

そして、所有する物件を増やすことで、資産と収入が大きくなっていきます。

その③:老後に安心して生活したい方

公益財団法人生命保険文化センターの発表では、夫婦2人が老後生活を送るうえで必要な生活費は平均で月額22.1万円です。

(公益財団法人生命保険文化センター、令和元年度「生活保障に関する調査」より)

しかし、厚生労働省から発表されている資料によると、年金受給額は年々減少しています。

(厚生労働省、令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況)

年金受給額のみで生活を送ることが厳しくなった場合でも、物件を複数所有していれば、家賃収入を年金代わりに受け取ることができるため、安心して生活をすることが可能です。

また不動産は財産にもなる上に、長期に渡り収入が得られる点も安心できるポイントとなりますので、老後に安心して生活したい方には複数の物件を所有することが向いています。

まとめ

本記事では不動産投資で複数の物件を所有することのメリットやデメリット、注意点について詳しく説明しました。

複数所有することで、資産が増え、収入が大きくなるメリットがありますが、複数物件で高額な出費が重なると一気にキャッシュフローが悪化するリスクも存在するため注意が必要です。

そのため、2棟目の投資は不動産会社に相談しながら、1棟目以上に慎重に物件選びや管理会社の選定を行うなど、工夫することをおすすめします。

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この記事を書いた人

逆瀬川勇造

30代男性

資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)

地方銀行、不動産会社を経て金融や不動産関連の情報をお伝えするフリーライターとして活動しています。
実務で得た知見を活かして、記事を読まれる方の困りごと解決に役立てられたらと考えています。

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