不動産投資

自己資金ゼロで不動産投資を始めることはできる?メリット・デメリットから具体的なシミュレーションまで

不動産投資を始めたいのですが、自己資金ゼロでも始めることはできるのでしょうか?

といった悩みにお答えします。

本記事の内容

  • 自己資金ゼロでも不動産投資はできる?
  • 自己資金ゼロで不動産投資を始めるメリット
  • 自己資金ゼロで不動産投資を始めるデメリット
  • 自己資金をある程度貯めてから不動産投資を始めるのがおすすめ
  • 自己資金別シミュレーション

不動産投資に興味はあるけれど、自己資金が無いため不動産投資が始められるのか不安に思っていませんか。

不動産投資に自己資金が必要かどうかは様々な情報がありますが、実は自己資金ゼロでも不動産投資を始めることは可能です。

本記事では自己資金ゼロで不動産投資を始めるメリットやデメリットについて詳しく説明します。

また具体的な返済額のシミュレーションについても見ていきましょう。

これから不動産投資を始めるという方は、以下の記事をご覧ください。

【初心者向け】不動産投資の始め方!7つのステップで徹底解説!

続きを見る

自己資金ゼロでも不動産投資はできる?

自己資金ゼロでも不動産投資はできる?

不動産投資を始める際には、ほとんどの場合に不動産投資ローンを組みます。

そのため、自己資金ゼロではローンを組むことが難しいため、不動産投資を始めることは難しいと考えている人もいるかもしれません。

自己資金がある場合とない場合では、融資を受けることができる金額も異なってくるため、当然ながら、自己資金がある方が不動産投資を始める上では有利なことは間違いないでしょう。

しかし、結論をいうと自己資金ゼロでも不動産投資を始めることは可能です。

まずはどのような費用がいくらぐらい必要なのか、詳しく説明します。

自己資金2~3割程度求められるのが一般的

不動産投資を始める際の自己資金はどのくらい準備すれば良いのでしょうか。

金融機関で不動産投資ローンを組む際には、自己資金を物件価格の2~3割程度求められるのが一般的です。

2~3割程度の貯金があれば、金融機関のローンも組みやすくなります。

不動産投資の初期費用として物件価格の2~3割程度が物件価格とは別で必要になります。

不動産投資にかかる自己資金の内訳

不動産投資を行う際には自己資金にて「物件購入時の頭金」と建物価格以外の「諸経費」を支払うことが一般的です。

物件購入時の初期費用として、頭金と諸経費を合わせるとおおよそ物件価格の2割程度の金額となります。

ただし、頭金と諸経費で全ての自己資金を使い切ってしまうと、運用開始後に物件を維持管理する費用やリスクに備える費用が手元に残らないため、1割程度は資金を残しておくと安心でしょう。

それでは、自己資金の内訳を詳しく説明を行います。

物件購入時の頭金

物件購入時の頭金の目安は一般的に物件価格の1~2割といわれています。

しかし、頭金がいくら必要なのかという事は借入者の属性や購入予定の物件によって異なりますので、不動産会社や金融機関との打ち合わせが必要です。

諸経費

諸経費は幅広い項目がありますが、合計すると必要な諸経費の金額の目安は物件価格の1割程度といわれています。

具体的な諸経費は下記の通りです。

  • 税金(不動産取得税、固定資産税、印紙税)
  • 司法書士費用
  • 不動産会社への仲介手数料
  • 金融機関へのローン保証料
  • 保険料(火災保険、地震保険)

諸経費や引っ越し費用は自己資金でまかなうものだと一般的には考えられてきましたが、諸経費や引っ越し費用などまで融資可能なローンを取り扱う金融機関もあります。

フルローンとオーバーローンの違い

不動産投資では「フルローン」と「オーバーローン」という言葉を聞くことがあります。

「フルローン」は物件価格の全額でローンを組むということです。

一般的に頭金は自己資金で払うものと考えられていましたが、頭金ゼロでも組めるフルローンがあります。

フルローンでは諸経費分までは融資されませんので、諸経費分は自己資金にて工面する必要があります。

一方で「オーバーローン」は物件価格に加えて、諸経費分まで含めて融資でまかなう方法です。

オーバーローンであれば、自己資金ゼロで不動産投資を始めることができます。

ただし、オーバーローンで融資を受けるために書類の偽造などを行うと、詐欺罪に問われることもありますので、リスクを理解して、合法的に活用することが重要です。

「フルローン」「オーバーローン」で融資が受けられたとしても、安定した賃貸経営をおこなうために、余裕を持った自己資金を準備しておくことをおすすめします。

自己資金ゼロでも不動産投資しやすいケース

自己資金がゼロだと金融機関の評価も低いため、不動産投資ローンを組むことが難しくなるでしょう。

しかし、自己資金がゼロでも金融機関が融資してくれることで、不動産投資を行うことができる場合があります。

不動産投資ローンは事業性の高い融資ですので、融資の際には借主個人の属性(年収や勤務先、勤続年数など)とともに物件の収益性についても詳しく審査を受けることになります。

そのため、物件の資産価値や収益性が高いと判断されれば、自己資金がゼロでも融資を受けられる可能性が高いでしょう。

具体的に、どのような場合にローンを組みやすいのか、下記の2つの場合について詳しくみていきましょう。

  1. 土地を持っている場合
  2. 都心の新築ワンルームマンションに投資する場合

土地を持っている場合

自己所有の土地を持っている場合には、土地を担保にして融資を受けることができる可能性があり、自己資金ゼロでも不動産投資を始められるケースがあります。

建築する物件の収益性などが非常に重要なポイントです。

つまり、自分が所有している土地に投資用物件を新築する場合に建物の建築費を融資してもらえる可能性があります。

物件を建てるだけの費用だけで済むため、借入金額を低くできる点も融資を受けやすいポイントです。

都心の新築ワンルームマンションに投資する場合

金融機関は担保価値を重要視するため、立地がよく、かつ価格が安ければ頭金ゼロでも投資できるケースがあります。

さらに新築物件であれば、金融機関も建物の評価をしやすいため、融資を受けられる可能性が高くなり、さらに長期の借入期間で融資を受けられるかもしれません。

都心の立地が良い場所にある物件であれば、売却をする際にも早期に売却できる点も金融機関の評価が高くなるポイントです。

また空室になるリスクも低いため、安定した賃貸経営を行うことができます。

ただし、諸経費部分は自己資金が必要になることが多く、この場合には自己資金ゼロにはならない点に注意しましょう。

自己資金ゼロで不動産投資を始めるメリット

自己資金ゼロで不動産投資を始めるメリット

自己資金が無い状態で不動産投資を始めることの大きなメリットを2つ紹介します。

それでは具体的に下記のメリットについてみていきましょう。

  1. お金を貯める必要がない
  2. レバレッジ効果が高い

メリット➀:お金を貯める必要がない

自己資金の目安とされる物件価格の2~3割の資金を貯めようと考えると、かなりの期間を要するでしょう。

自己資金ゼロでの投資であれば貯蓄期間が必要ないため、金融機関の審査承認が出れば、すぐに不動産投資をスタートさせることが可能です。

早くに不動産投資を始めることでローンの返済も早く終わりますので、その分メリットが大きくなります。

メリット②:レバレッジ効果が高い

自己資金ゼロで不動産投資を始めることができれば、レバレッジ効果が高い投資が可能です。

そもそも、レバレッジ効果とは少ない元手で大きな利益を目指す投資方法です。

つまり、自己資金が無くても、金融機関から全額融資を受けて、高いレバレッジ効果を発揮して、多くの収益を得ることができます。

フルローンを利用することで自分の資金では手が届かないような不動産を購入することができ、投資家としての一歩を踏む出すことが可能です。

自己資金ゼロで不動産投資を始めるデメリット

自己資金ゼロで不動産投資を始めるデメリット

自己資金ゼロで不動産投資を始めるデメリットを2つ紹介します。

それでは具体的に下記のデメリットについてみていきましょう。

  1. 急な出費に対応できない
  2. キャッシュフローが悪くなりやすい

デメリット➀:急な出費に対応できない

「収入が少ない」「貯金が少ない」という人は自己資金ゼロで不動産投資をするのに向いていません。

不動産投資を始めて物件オーナーとして維持管理を行っていく中で、急なトラブルが発生し、出費が必要な時には貯蓄から費用を支払うことになります。

例えば、室内設備や共用部、給水管の修繕や管理費、エアコンや給湯器の交換など、さまざまな出費があります。

しかし、自己資金が無ければ、その費用を準備することができないため、トラブルに対応することができません。

また、急な退去に伴い物件が空室になると、家賃収入が得られなくなるため、自己資金からローン返済を行うことになりますが、資金に余裕がない状態で対応することは厳しいでしょう。

リスクに備えるために最低限の費用は準備しておく必要があります。

デメリット②:キャッシュフローが悪くなりやすい

自己資金ゼロの場合には金融機関からの借入額が大きくなるため、利息の金額も大きくなり、毎月のローン返済額や完済までの総返済額が高くなってしまいます。

利回りが大きくなければ、キャッシュフローが悪くなり、マイナスになってしまう可能性もありますので、注意が必要です。

ローン返済額が家賃収入を上回り、キャッシュフローがマイナスになると、不足分を手出ししなければならないため、返済計画については慎重に検討しましょう。

不動産投資でキャッシュフローが重要な理由とは?重視するメリットなど解説

自己資金をある程度貯めてから不動産投資を始めるのがおすすめ

自己資金をある程度貯めてから不動産投資を始めるのがおすすめ

自己資金ゼロでも不動産投資を始めることは可能ですが、自己資金ゼロの状態で安定した賃貸経営を行うことは難しいでしょう。

自己資金がある程度あれば、住宅ローンの借入額を抑え、返済額も低くすることが可能です。

また突然の出費にも自己資金にて対応することができます。

余裕のある不動産投資を行うためには、自己資金をある程度貯めてから始めることをおすすめします。

目安としては最低でも生活費の6ヶ月~1年分の貯蓄が必要でしょう。

なかなか自己資金を貯められない人はぜひ下記の方法を参考になさってみてください。

支出の見直し

まずは何にお金を使っているのか把握することから始めましょう。

金融機関の定期預金で積み立て

給料の一部は強制的に貯金へ回すことが効果的です。

固定費のコストカット

スマホ料金やATM手数料など、固定費を削ると節約効果が大きくなります。

転職にて給料アップ

ローンの審査の際に影響が出る場合もありますので、あまりおすすめできませんが、年収が低すぎる場合など、早めにキャリアアップのための転職をした方が良いかもしれません。

自己資金別シミュレーション

自己資金別シミュレーション

購入予定の物件価格や自己資金の使用予定、ローン金利など状況は人それぞれで異なることでしょう。

しかし、具体的な事例を見ることで、実際の不動産投資をより理解しやすいのではないでしょうか。

そこで、自己資金別に3つの具体例を示し、シミュレーションを行っていきます。

なお、今回のシミュレーションは、計算しやすいように3,000万円の新築ワンルームマンション(表面利回り5%程度・家賃13万円/月・経費2万円/月を想定)を購入。

金利2%、借入期間30年(360回払い)でローンを借りるケースで計算していきます。

金利や借入期間は借主の状況によって異なりますので、金融機関もしくは不動産会社の営業担当に詳細は確認してみましょう。

自己資金なし

それではまずは自己資金なしの場合でシミュレーションをしてみましょう。

自己資金なしのため、全額融資をしてくれる金融機関にてローンを組むことになります。

この場合には借入金額が3000万円になります。

※なお、ここでは、自己資金なしとしていますが、ワンルームマンションを購入するのに必要な仲介手数料などの各種経費は現金で用意する必要があります。

  • 自己資金0円
  • 借入金額3000万円
  • 毎月のローン返済額110,885円

金融機関にて全額の融資を受けて、不動産投資を始めた場合には毎月約11万円のローン返済が必要です。

毎月の家賃約13万円/月、経費2万円/月程度を想定した場合、実質の収入は11万円なので、ローン返済額とほぼトントンとなってしまう計算です。

自己資金1割

次に自己資金を物件価格の1割とした場合です。

自己資金は300万円、借入金額は2700万円となります。

  • 自己資金1割300万円
  • 借入金額2700万円
  • 毎月のローン返済額99,797円

この場合は毎月約10万円のローン返済額となるでしょう。

先程と同様、毎月約11万円程度を実質の収入とした場合、毎月1万円/月程度が手元に残る計算です。

自己資金3割

次に自己資金を物件価格の3割とした場合です。

自己資金は900万円、借入金額は2100万円となります。

  • 自己資金3割900万円
  • 借入金額2100万円
  • 毎月のローン返済額77,620円

この場合は毎月約8万円のローン返済額となるでしょう。

11万円が実質の収入とした場合、毎月の手残りが3万円/月程度となる計算です。

突発的な出費に備えるためにも、できればこのくらいは収益として確保しておきたいですね。

まとめ

自己資金ゼロで不動産投資を始めることは可能ですが、突然の出費に対応できることが重要です。

不動産投資には物件価格以外にも頭金や諸経費など必要な費用がたくさんあります。

また不動産投資を始めた後も空室や家賃の延滞、修繕などのリスクがあり、急な出費が必要な場面もあります。

安定した賃貸経営を行うためにも、自己資金ゼロで始めるのではなく自己資金をある程度貯めながら、不動産投資の準備を行っていくことも考えるとよいでしょう。

マンションの売却や買取なら不動産情報サイトMANSION COLLECTのTOPへ戻る

この記事を書いた人

逆瀬川勇造

30代男性

資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)

地方銀行、不動産会社を経て金融や不動産関連の情報をお伝えするフリーライターとして活動しています。
実務で得た知見を活かして、記事を読まれる方の困りごと解決に役立てられたらと考えています。

-不動産投資