といった悩みにお答えします。
本記事の内容
- 不動産投資を始めるのに資格は不要
- 不動産投資に役立つ資格5選
- 不動産投資で資格を取得するメリット
- 不動産投資で資格を取得するデメリット
- 不動産投資初心者が資格取得より優先してやるべきこと
不動産投資を始める前に不動産投資に関する資格を取得したほうがよいのか気になる方もいらっしゃるでしょう。
この記事では不動産投資に役立つ資格や不動産投資を始める前に資格が必要なのかといった点を解説します。
これから不動産投資を始めるという方は、以下の記事をご覧ください。
【初心者向け】不動産投資の始め方!7つのステップで徹底解説!
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不動産投資を始めるのに資格は不要
最初に結論からいうと、不動産投資を始めるのに資格は不要です。
不動産関連の資格を取得したからといって、不動産投資が成功するとは限りません。
仮に、専門的な知識が必要な状況があれば、その分野の専門家に依頼することで対応が可能です。
ただし、資格が不要だから何も勉強をしなくて良い訳ではありません。
不動産投資は大きなお金が動くため、しっかりと自分自身で不動産業界の法律や投資に関する知識を身に付けておく必要があります。
最低限の知識が無ければ、情報の信ぴょう性を判断することができず、投資の際に悪意のある業者に騙され、利益が出そうにない悪質な物件へ投資をしてしまうかもしれません。
そのため実際に資格は取らなくても、資格の参考書などを使って勉強することで体系的な知識を身に付けておくことが重要です。
不動産投資に資格は必要ありませんが、取得した資格が不動産投資の役に立つ場面があることも頭に入れておきましょう。
不動産投資に役立つ資格5選
ここでは、不動産投資に役立つ資格として、以下5つをご紹介します。
- 宅地建物取引士
- FP
- 賃貸不動産経営管理士
- ホームインスペクター
- 不動産鑑定士
その①:宅地建物取引士
宅地建物取引士は宅建士(たっけんし)と呼ばれ、不動産の売買や賃貸に携わる人が取得を目指す資格ですが不動産投資を考えている人にも役に立つ資格です。
宅建士の資格では、不動産の取引に関する法律や税金についての知識を幅広く学べますので、不動産投資の勉強を始めたいと考えている方にはまず、宅建士の勉強をおすすめします。
宅建士は国家資格であり、不動産会社では従業員5人につき1人の割合で宅建士を配置することが義務付けられているほどの重要な資格です。
不動産を購入する際には必ず宅建士の資格を持った人から「重要事項説明書」について説明されます。
宅建士の知識を身に付けておけば、重要事項の説明の際に内容を正確に理解し、どのようなことに気を付けなければならないのか判断することができます。
不動産営業の担当者も「宅建士を持つお客様にはより丁寧な仕事を行わなければ」、と考え対等な関係で取引を進めていくことができるでしょう。
その②:FP
ファイナンシャルプランナーの資格を略してFPといいます。
FPは資産形成や資産運用の知識を身に付けることができ、不動産投資だけではなく、家計や資産全体に関して役に立つ資格です。
FPの資格は具体的には金融や税金、不動産、相続、保険、教育資金、年金、貯蓄、投資などの幅広い知識を身に付けることができます。
不動産投資も資産運用の手段の一つという考えを理解した上で、幅広い知識を元に自分自身に無理のない適切な不動産投資を検討できるため、おすすめの資格です。
FPの資格について学ぶことで、不動産投資における長期の収支シミュレーションについても内容を深く理解できるでしょう。
その③:賃貸不動産経営管理士
賃貸管理会社では、賃貸不動産経営管理士を置く必要があり、賃貸不動産経営管理士は不動産オーナーに対し、管理会社や借主とトラブルなど起こらないようにアドバイスをすることが仕事となります。
そのため賃貸不動産経営管理士の資格は賃貸アパートやマンションなどの賃貸物件の管理についての知識や技能が必要です。
そのため、物件購入後に賃貸経営をしていく上で、入居者の募集や契約、家賃の集金や督促、退去時の対応などで入居者と関わっていく中で、不動産オーナーとしてどのような対応をすべきかを学ぶことができます。
不動産投資をする上ではかなり実務に近い知識を身に付けることが可能で役に立つ資格です。
物件購入後の物件の管理や運営について役立つ知識を身に付けたい人やどの資格の勉強をするか迷っている人には、ぜひおすすめしたい資格です。
似たような資格で「管理業務主任者」と「マンション管理士」という資格があります。
この2つはマンション管理に関わる資格ですが、管理業者側か管理組合側かという点が異なっています。
「管理業務主任者」と「マンション管理士」は試験範囲が重なる部分もあり、両方の資格取得を目指す人も多いです。
「管理業務主任者」:管理会社側の立場で管理組合へ管理委託契約の重要事項説明や管理事務報告を行う。
「マンション管理士」:管理組合側の立場で管理者や住民の意見や要望などを取りまとめアドバイスを行う。
いずれの資格も投資物件の管理をする上で必要な知識を学べる資格ですので、賃貸不動産経営管理士の資格と合わせて、内容を確認しておきましょう。
その④:ホームインスペクター
ホームインスペクターは、中古住宅の売買の際に劣化度や欠陥の有無、補修が必要な点を調べ、費用などを判断し、中古住宅の売主や買主に助言をします。
現在では中古住宅を取引する際にホームインスペクション(住宅診断)が義務付けられており、ホームインスペクターが住宅診断を行うことで中古住宅の健全な取引が行われています。
ホームインスペクターは建物の価値をある程度正確に判断できることで、投資用物件として中古住宅を購入する際に欠陥住宅を見抜き、割安で状態の良い物件を見いだせるなど役に立つ資格です。
その⑤:不動産鑑定士
不動産鑑定士は、土地や建物などの不動産の資産価値を鑑定することができる国家資格です。
土地の価値を判断する際に利用される公示価格や基準地価、路線価を鑑定評価することも不動産鑑定士の仕事になります。
不動産の価値を正確に鑑定することができ、土地の活用方法まで検討した上で運用に役立てることが可能です。
また不動産の相続時にも正確な評価を行うことができます。
ただし非常に難度の高い資格ですので、取得を目指すのではなく、不動産投資の勉強材料に留めておく方が無難かもしれません。
不動産投資で資格を取得するメリット
次に不動産投資で資格を取得するメリットについて説明します。
下記の2つのメリットについて詳しく見ていきましょう。
- 知識を体系的に学べる
- 一定の知識を持っていることの証明になる
メリット①:知識を体系的に学べる
資格取得にあたり専門的な勉強を行いますので、知識を体系的に学ぶことができます。
参考書や問題集を使い勉強を進めることで、不動産投資に必要な知識も合わせて身に付けることができます。
専門分野についてまとまった知識を身に付けられることは資格を取得する大きなメリットです。
メリット②:一定の知識を持っていることの証明になる
専門性の高い資格を取得することで、一定の知識を持っていることの証明になり、取引相手からの信用が高くなります。
取引相手と信頼で結ばれていれば、不動産会社の営業は条件の悪い物件を紹介しないでしょうし、金融機関は良い条件で融資してくれるかもしれません。
つまり、一定の知識を持っていることを証明でき、相手と良好な関係を築きやすいことが資格を取得するメリットです。
不動産投資で資格を取得するデメリット
次に不動産投資で資格を取得するデメリットについて説明します。
下記の2つのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
- 資格取得には手間と時間がかかる
- 資格取得で制限がかかることもある
デメリット①:資格取得には手間と時間がかかる
資格を取得するためには膨大な手間と時間がかかります。
また仕事をしながら日々の生活の中でかなりの勉強時間を確保するとなれば、精神的や肉体的にも負担が大きくなりますので、体調を崩さないように注意しましょう。
実際に資格を取得できれば信用を得られる可能性もありますが、手間と時間、さらに費用までかけて資格取得に取り組むべきか、費用対効果で考えてみることをおすすめします。
資格を取得すること自体が目的ではなく、あくまで投資に必要な知識を身に付けるために勉強をしていると考えると、無理なく取り組めるでしょう。
資格取得には手間と時間がかかるため、没頭しすぎないように注意が必要です。
デメリット②:資格取得で制限がかかることもある
例えば、宅建業者が不動産の売主になる場合には、プロとみなされ、買主を守るために売主側に手数料の額の制限など、8種類の制限がかけられます。
不動産投資に取り組む場合、その額が大きくなることから節税などの目的で法人化することも多く、宅建士を取得して宅建業者になるようなケースでは注意が必要です。
不動産投資初心者が資格取得より優先してやるべきこと
不動産投資の初心者が資格取得より優先してやるべきことがあります。
不動産投資の勉強のために資格取得より優先して下記の3つの項目に取り組みましょう。
- 物件リサーチ
- 金融機関や不動産会社の担当者と親しくなる
- 物件の内見
それでは詳しくみていきましょう。
物件リサーチ
不動産投資で重要なことは物件リサーチを優先して行い、投資対象となる物件の情報を集め、選定することです。
特に「購入金額はできるだけ安く、多くの入居者が確保できるような」良い投資物件の情報多く集められるように物件リサーチを行いましょう。
ちなみに良い物件を選ぶポイントは下記のようなものがあります。
- 賃貸需要のあるエリア
- 駅から近い
- セキュリティーがしっかりしている(オートロックやインターホン)
- 設備の機能性が高い(浴室乾燥機やWi-Fi)
- お風呂とトイレは分かれている
空室のリスクを軽減できるような物件を選ぶためにも、このようなポイントを押さえた上で物件リサーチを優先して行うことをおすすめします。
不動産投資で物件を探す方法とは?不動産情報サイトや競売など徹底解説
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金融機関や不動産会社の担当者と親しくなる
金融機関の融資担当者や不動産会社の営業と親しくなり、信頼関係を構築することはとても重要ですので、優先して行いましょう。
不動産投資を行う上で、ローンが組めるかどうか、良い投資物件を見つけられるかどうかは金融機関や不動産会社との関係性が深く関わってきます。
もしも取引相手と信頼関係があれば融資の審査もスムーズに進み、投資対象となる物件もたくさん紹介してもらえるはずです。
また不動産投資を始めた後にもトラブルや不安に対してもプロとして相談に乗ってもらえるでしょう。
担当者と親しくなるための関係性づくりには時間がかかりますので、優先して早めに取り掛かることをおすすめします。
不動産投資の営業マンについては、不動産投資は営業マン選びが重要!注意すべき営業テクニックやいい営業マンを見極めるポイントとは?で詳しく解説しています。
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物件の内見
物件の内覧は経験を積むほど、物件を見極める目が養われますので、優先して行いましょう。
物件の内覧をたくさん行うことで物件の相場観が磨かれていき、投資物件を購入する際に価値が高い物件を選べる可能性が高まります。
例えば劣化具合や設備の状況を見比べた上で、どの程度までリフォームが必要なのか、判断することができるため、「販売価格は安いが、多額の補修費が必要になる物件」などを見極めることが可能です。
そのため物件の内覧を優先的に行うことをおすすめします。
まとめ
不動産投資に役立つ資格やそもそも不動産投資に資格が必要なのかなど解説しました。
不動産投資に資格は不要ですが、資格を取得するために勉強することで、体系的な知識を身に付けられることにはメリットがあります。
ただし、不動産投資の勉強には時間がかかるため、その時間を使って、本記事でご説明した、優先してやるべきことに時間を使うことも検討してみてください。
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この記事を書いた人
資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)
地方銀行、不動産会社を経て金融や不動産関連の情報をお伝えするフリーライターとして活動しています。
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逆瀬川勇造
30代男性