といった悩みにお答えします。
本記事の内容
- 不動産投資信託(REIT)とは?
- 不動産投資信託(REIT)のメリット・デメリット
- 実物不動産投資のメリット・デメリット
- 不動産投資信託(REIT)の始め方
将来の資産形成のために投資に興味を持つ人が多くなってきました。
投資に興味を持っている人は不動産投資信託(REIT)について詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか。
特に投資をする上で一般的な不動産投資とどちらがお得なのか気になるところでしょう。
この記事では不動産投資信託(REIT)と実物不動産投資の違いや不動産投資信託(REIT)のメリットやデメリットについて説明していきます。
これから不動産投資を始めるという方は、以下の記事をご覧ください。
【初心者向け】不動産投資の始め方!7つのステップで徹底解説!
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不動産投資信託(REIT)とは?
不動産投資信託は「Real Estate Investment Trust」の頭文字をとった略称で「REIT(リート)」と呼ばれています。
「REIT(リート)」とは不動産投資会社が扱う金融商品です。
つまり投資者から集めた資金で不動産への投資を行い、そこで得られた利益を投資者に分配する商品です。
投資家はREITを通じて多くの不動産に投資することができ、間接的に不動産のオーナーとなりますが、投資した不動産の所有権は持たず、実際には不動産のプロが運用や管理を行います。
それではより詳しく見ていきましょう。
不動産を対象とした投資信託
不動産投資信託(REIT)は投資信託の一部で、その名の通り不動産を対象とした投資信託です。
一般的な投資信託は株式や債券などの有価証券を投資対象としているものが多いですが、REITは不動産を投資対象としている点が特徴です。
アメリカでは1960年代から取引がされていますが、日本では2000年代前半から導入されており、比較的新しい商品と言えます。
REITは一般的に証券会社を通じて購入します。
その際には個別銘柄を選んで購入する場合が一般的です。
個別銘柄でも様々なタイプの商品があります。
- 「単一用途型REIT」 :1つの用途に特化して投資する商品
- 「複数用途型REIT」 「複合型」:2つの用途の不動産を投資対象
- 「総合型」:3つ以上の用途の不動産を投資対象
複数用途型であれば「住宅と物流施設」「オフィスビルと商業施設」など不動産の種類によって特徴が異なるため、リスクを分散させることが可能です。
他にも東証株価指数など特定の値動きと合わせて動く「REIT型ETF」と呼ばれる商品などもあります。
不動産を対象とした投資信託には様々な商品がありますので、購入前に特徴を押さえておきましょう。
不動産投資信託(REIT)の仕組み
不動産投資信託(REIT)は様々な国に市場があり、細かな仕組みはそれぞれ異なります。
他国と日本では仕組みが異なる事もあり、日本のREITは「J-REIT」と呼ばれていることを知っておきましょう。
ここではJ-REITを中心に仕組みの説明を行います。
J-REITは「不動産投資会社」という形をとっており、この不動産投資会社が「投資証券」を発行し、投資家はこの投資証券を証券取引所にて購入することで、出資できます。
購入した投資証券を証券取引所にて売却することも可能です。
そして不動産投資会社は投資家から集めた資金で、不動産への投資を行い、売却益や賃料収入などの利益を投資家へ分配します。
しかし、不動産投資会社が自ら資産の運用や保管を行うことは法律で禁止されていますので、不動産の運用や資産の保管などはそれぞれ別の会社に委託しているのが現状です。
具体的には、不動産投資会社から以下のような会社に外部委託を行っている場合が多くみられます。
資産運用会社 投資不動産の調査や物件選び、購入や売却などを行い、不動産の購入後は不動産運営管理会社に実際の建物管理などを委託します。
資産保管会社 不動産の権利証などの保管や金銭出納管理業務を行います。
一般事務受託会社 会計や納税などに関する事務を請け負います。
実物不動産投資と不動産投資信託(REIT)の違い
実物不動産投資と不動産投資信託(REIT)では色々な違いがありますが、大きな違いを3つ説明します。
それでは詳しく見ていきましょう。
不動産の取得
まず大きな違いは投資家が直接不動産を取得するのか、しないのかという点です。
実物不動産投資では投資家が自己資金やローンを利用してワンルームマンションや1棟アパート、中古戸建などの不動産を購入し、所有権を持ちます。
そして、入居者から直接賃料を受け取り、収益を生み出します。
投資が終われば所有している不動産を売却し、投資資金の回収も可能です。
一方でREITは不動産投資法人が不動産を取得し、投資家は投資証券を購入することで利益の分配を受けることができます。
そのためREITでは投資家は不動産の所有権を持ちません。
不動産の運用
実物不動産投資では投資家が自ら運用を行う必要があります。
または投資家が外部委託を行い専門業者に任せる場合もありますが、いずれの場合も投資家が自ら判断し、行動しなければなりません。
一方でREITは投資をしてしまえばその後に運用を行う必要はなく、投資家は分配金を受け取るのみで、他の全ては不動産投資会社に任せている状態です。
必要資金
実物不動産投資とREITとでは、必要な資金に大きな違いがあります。
実物不動産投資では融資を受けて物件を取得する際に、最低でも物件価格の2~3割は自己資金で準備しておく必要があり、不足分は融資金で購入金額を準備する必要があります。
融資を利用せず自己資金で物件を購入する場合でも、物件価格に加えて入退去の際に必要な修繕費などの資金も合わせて準備しなければなりません。
一方でREITでは数万円の資金があれば投資を始めることができます。
不動産投資信託(REIT)のメリット・デメリット
ここでは、不動産投資信託(REIT)のメリットとデメリットについて見ていきたいと思います。
メリット
1つ目のメリットは「少額からでも始められること」です。
REITは多くの投資家から出資を集めて、複数の物件に投資しますので、投資家は少額で投資することが可能になっています。
銘柄を選べば1口数万円からでも投資することができ、初心者にとっても気軽に始められる点が魅力です。
また一口あたりの金額が低いため、複数の商品を購入することができ、リスクを分散させられることにもつながります。
例えば不景気時にも影響を受けにくい「住宅」と収益性が高い「オフィスビル」など不動産の種類を変えておくことで、安全性が高くなります。
2つ目のメリットは「売却がしやすい」ことが挙げられるでしょう。
REITは証券取引所に上場している商品ですので、株式と同じように簡単に売却することができます。
短時間で簡単に売却することができますので、自身の状況や経済状況の変化に合わせて、投資内容を柔軟に変更することが可能です。
また売却時には証券会社から手数料や運営費を請求される可能性がありますので、事前に取引内容を確認しておきましょう。
デメリット
次にデメリットを見ていきましょう。
1つ目のデメリットは「レバレッジをきかせた投資が難しい」ことです。
REITは金融機関から融資を受けて投資することができないため、自己資金のみで投資をしなければなりません。
そのため、「レバレッジをきかせる」つまり、「少ない資金で大きな金額の投資を行う」ことが難しくなるのです。
例えば、「自己資金200万円で1000万円の融資を受け投資する」というようなことができず、この場合だと「自己資金200万円分しか投資できない」という事になります。
2つ目のデメリットは「元本割れや投資会社が倒産するリスクがある」ことが挙げられます。
元本保証がない商品であり、配当金も約束された金額が分配されるわけではありません。
証券市場にて需要と供給のバランスにより価格が大きく変動することもあります。
専門家が運用を行いますが、市場環境の変化などにより、予定していた利回りを確保できない場合や、投資会社が倒産する場合があることを理解しておきましょう。
実物不動産投資のメリット・デメリット
次に、実物不動産投資のメリットやデメリットを説明します。
メリット
1つ目のメリットは「取得対象の物件を担保に融資を受けることが可能である」ことです。
実物不動産投資では金融機関へ融資の申し込みを行い、審査の承認を得られれば融資を受けることが可能です。
その際に取得対象の物件を担保にすることが条件となります。
金融機関から融資を受けることができれば自己資金以上に大きな金額で投資することができます。
先程の例で考えてみると、実物不動産投資だと「自己資金200万円で1000万円の融資を受け投資する」ことができるため、自己資金が200万円しかないのに1000万円の物件に投資することが可能です。
このようにレバレッジをかけた投資をすることが可能なため、高い利回りを実現できるかもしれません。
2つ目のメリットは「実際の投資用物件に投資することで不動産投資のノウハウを学べる」ということです。
実際の投資用物件を購入し、自ら一通りの運用を経験することで不動産投資のノウハウを学ぶことが可能です。
不動産オーナーとして知識を深めていくことができます。
まずは少額物件への投資から始め、不動産投資のノウハウを学ぶことで、徐々に規模の大きい物件への投資へ挑戦することもできます。
デメリット
次はデメリットです。
1つ目のデメリットは「融資を受ける場合は大きな借金をしなければならない」ことです。
実物不動産への投資の際に融資を受ける場合は大きな借金をしなければならない分、リスクも大きくなります。
例えば、所有している賃貸物件がワンルームマンションの場合は空室になると家賃収入は途絶え、収入はゼロになります。
そして、経費分が赤字となり、融資返済も厳しくなる可能性があります。
融資を受ける際には特に慎重に資金計画を組んでおきましょう。
2つ目のデメリットは「手間がかかる」ことが挙げられるでしょう。
まずは投資用物件を探し、現地で調査等を行い、気に入る物件があれば金融機関に融資の申し込みを行い、審査を受けます。
金融機関から融資承認の連絡が来れば、不動産の売買契約や金融機関から融資を受けるための金銭消費貸借契約へと進みましょう。
その後、物件の決済や引き渡しを終えてようやく不動産を所得することができます。
案件にもよりますが不動産を取得するまでに早くて1ヶ月、遅ければ半年ほどかかることもあります。
不動産の取得後は家賃の集金や物件の維持管理などの大家としての業務が重要です。
このように実物不動産投資は非常に手間がかかる点に注意しましょう。
不動産投資信託(REIT)の始め方
不動産投資信託(REIT)を始めるためには、まず証券口座を開設しましょう。
ネットで完結できるサービスもあり、気軽に始めることができます。
一般的には証券口座開設のためには、下記の書類が必要です。
- 本人確認書類(運転免許証、健康保険証など)
- マイナンバー確認書類
- 印鑑
- 振込先金融機関の口座情報
REITは証券会社を通じて購入するため、証券会社を選ぶ際には、取引手数料や支払いの方法、普段使っている銀行口座での使いやすさ、などしっかりと証券会社に確認しましょう。
口座の開設ができたら、投資金額を入金することで、REITを購入することが可能です。
投資家は購入後に自由に売買を行うこともできますし、決められた期日に保有していることで配当金を得ることもできます。
ただし、先程も説明しましたが、元本割れするリスクのある商品だという点を再度認識しておきましょう。
REITの購入の際には投資先の不動産の状況や、社会情勢など確認した上で、購入する銘柄を検討することが重要です。
まとめ
この記事では不動産投資信託(REIT)と実物不動産投資の違いや不動産投資信託(REIT)の特徴について説明しました。
REITは少額の自己資金でも投資を始めることができますし、売却をしやすい点がメリットです。
そのため現物不動産への投資に踏みきれない不動産投資の初心者でも、REITには気軽に取り組むことができます。
一方で、実物不動産投資は金融機関からの融資を受けられるためレバレッジをかけた投資をすることができるという特徴があるため、投資の規模を大きくすることが可能です。
つまり自己資金の範囲でしか投資できないローリスク・ローリターンのREITよりもレバレッジを掛けることができる実物不動産投資の方がメリットが大きいと考えられます。
まずは少額の不動産投資の経験から始めて、徐々に投資の規模を大きくステップアップしていくことも可能です。
不動産投資に興味を持っている方はぜひこの記事の内容を参考になさってください。
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この記事を書いた人
資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)
地方銀行、不動産会社を経て金融や不動産関連の情報をお伝えするフリーライターとして活動しています。
実務で得た知見を活かして、記事を読まれる方の困りごと解決に役立てられたらと考えています。
逆瀬川勇造
30代男性