といった悩みにお答えします。
本記事の内容
- サブリースとは
- サブリースのメリット3つ
- サブリースのデメリット4つ
- サブリース契約を結ぶ前に押さえておきたいポイント
不動産投資に興味があるという方はサブリースという言葉を耳にしたことがあるでしょう。
しかし、実際にサブリースの内容について詳しく理解できている人は少ないのではないでしょうか。
サブリースにはいくつものメリットがありますが、一方でデメリットもあります。
サブリースを検討する際には、それらメリット・デメリットを押さえたうえで、利用するかどうかを総合的に判断することが大切です。
本記事では、サブリースについて概要やメリット・デメリットをお伝えしていきますので、ぜひ参考になさってください。
これから不動産投資を始めるという方は、以下の記事をご覧ください。
【初心者向け】不動産投資の始め方!7つのステップで徹底解説!
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サブリースとは
サブリースとは簡単にいえば「転貸」や「又貸し」のことです。
アパート経営やマンション経営においては、物件を自主管理したり、外部委託したりすることができます。
一方、サブリースの場合管理だけに留まらず、入居者の募集などほぼ全ての業務をサブリース業者に任せることになります。
以下、サブリースの仕組みについてより詳しく解説していきましょう。
サブリース契約の仕組み
サブリースは「物件オーナー」から「サブリース業者」へ物件を丸ごと貸し出すものだと考えるとよいでしょう。
そのためサブリース業者から入居希望者へ部屋を貸し出すことになります。
つまり、「物件オーナー」と「サブリース業者」との間で1つ目の賃貸契約を結び、次に「サブリース業者」と「入居者」との間で2つ目の賃貸契約を結ぶことになります。
また、サブリース契約の大きな特徴として、物件オーナーはサブリース業者より、空室状況に関わらず一定の家賃を受け取れるということが挙げられます。
このため、物件オーナーは空室リスクに悩まされることなく、物件を運用していくことが可能となるのです。
ただし、サブリース業者に支払う手数料は、管理業者に管理委託するのと比べると割高になる点には注意しなければなりません。
サブリースのメリット3つ
ここでは、サブリースのメリットについてみていきましょう。
具体的には以下のようなものがあります。
- 運用の手間がほとんどなくなる
- 空室リスクや滞納リスクがなくなる
- 運用期間中の修繕費などの不安が少なくなる
それぞれ解説します。
メリット①:運用の手間がほとんどなくなる
サブリース契約を結ぶことで、運用の手間がほとんどなくなります。
通常、入居者の募集や家賃の回収、退去の手続き、建物の補修など物件のオーナーがやるべき仕事はたくさんあります。
この点、サブリース契約を結ぶと、これらの業務を全てサブリース業者が代わりに行ってくれるため、物件オーナーは運用の手間がほとんどなくなります。
メリット②:空室リスクや滞納リスクがなくなる
2つめのメリットとして、空室リスクや滞納リスクがなくなることが挙げられます。
すでにお伝えしたとおり、サブリースでは物件オーナーからサブリース業者に物件を丸ごと貸し出し、物件オーナーは空室状況に関わらず、一定の家賃を受け取ることが可能です。
サブリースではない賃貸経営では、入居者から直接家賃を受け取ることになります。
このため、入居者が退去してしまうと、それだけ収入が減ってしまいますが、サブリースだとそうした心配をする必要がないのです。
賃貸経営において、空室リスクは常に悩まされるリスクともいえ、このリスクがなくなる点は大きなメリットだといえるでしょう。
また、同様の理由で、入居者が家賃を滞納しようと、物件オーナーが受け取る家賃は変わらないため、滞納リスクもなくなります。
ただし、空室や滞納があまりに多いと、サブリース業者側から家賃の減額請求を受けたり、場合によっては契約の打ち切りといった結果になったりすることもある点には注意しなければなりません。
契約内容にもよりますが、サブリース業者から修繕費用の負担を持ち掛けられるケース等、周辺の競合物件と比べて、物件の状況が見劣りするような状態になっていないか、リサーチしたうえで判断することが大切だといえます。
なお、契約内容によっては、空室状況によって家賃が変動するサブリース契約といったものも存在します。
こうした、契約内容についても、サブリース契約を結ぶ前にしっかり確認しておくことが大切だといえるでしょう。
不動産投資のリスクについては、不動産投資にはリスクがある?代表的な5つのリスクとそれぞれの対策を解説で詳しく解説しています。
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メリット③:運用期間中の修繕費などの不安が少なくなる
3つめのメリットは運用期間中の修繕費などの不安が少なくなることです。
入居者が退去すると多くの修繕費用が必要になります。
例えば壁紙の張替えや畳の交換、カギの交換、室内のクリーニング、場合によっては水廻り設備の修理等の費用が必要になることがあり、物件オーナーにとっては大きな負担となります。
サブリース契約ではこれらの費用も不動産管理会社が負担することが多い為、入退去の度に発生する修繕費用を抑えることが可能です。
そのため物件のオーナーにとっては修繕費の支出を抑えることができ、不安が少なくなることがメリットです。
ただし、費用負担については契約により内容が大きく異なりますので、補修内容により物件のオーナーと管理会社でどちらが負担するのか事前に確認をしておきましょう。
サブリースのデメリット4つ
次にサブリースのデメリットについてお伝えします。
具体的には以下の内容です。
- コストが高くなる
- 賃料が見直される可能性がある
- サブリース契約後に部屋がぼろぼろになっている可能性がある
- 免責期間に注意
それぞれ見ていきましょう。
デメリット①:コストが高くなる
まずはコストが高くなってしまうことです。
サブリース契約を結ぶと、空室状況に関わらず一定の家賃の支払いを受けることが可能です。
一方、サブリース業者は空室リスクを負いながら、物件を運用し、入居者から受け取る家賃と、物件オーナーに支払う家賃の差額を自社の利益とする必要があります。
このため、物件オーナーが自ら運用するケースはもちろん、管理会社に管理委託する場合と比べても、サブリース契約を結ぶ方が手数料は高くなってしまいます。
デメリット②:賃料が見直される可能性がある
2つめのデメリットはサブリース契約中も賃料が見直される可能性があるということです。
一括して不動産会社に貸し出すことで安定した賃料を得られるサブリース契約ですが、ずっと同じ賃料が維持されるとは限りません。
中には「永久保証」などと書いているのにも関わらず、賃料が下がってしまうケースもあります。
これは、借家借家法により消費者側の賃借人が保護されることが理由の一つです。
通常の賃貸契約では、物件オーナーに対して入居者が借主となり、保護されやすくなります。
同様に、サブリース契約においても、物件オーナーに対してサブリース業者が借主となるため、入居者と同じように保護を受けやすい立場となってしまうのです。
デメリット③:サブリース契約後に部屋がぼろぼろになっている可能性がある
3つめのデメリットはサブリース契約後に部屋がぼろぼろになっている可能性があることです。
一旦サブリース契約を結ぶと、物件オーナーはそう簡単に物件の状況を見ることができません。
物件オーナーが自分で運営する場合、自分の物件なので、長期間運用できるよう、大切に扱うことでしょう。
一方、サブリース業者にとってはあくまでも借りたもの。
また少ない手数料で空室リスクを負いながら運営していかなければならないこともあり、十分なメンテナンスを実施できないこともあるのです。
長期間サブリース契約を結んだ後、契約解除になり、手元に戻ってきたときには大幅に修繕しなければならない…といったことにならないよう、業者の選定に注意する必要があるといえるでしょう。
デメリット④:免責期間に注意
また、サブリース契約を結ぶときは免責期間によく注意しましょう。
免責期間とは入居者を探すための期間として、サブリース業者が家賃保証を行わない期間になります。
一般的に、サブリース契約においては物件の新築後や入居者の退去後に免責期間が設けられていることが多いです。
免責期間は1ヶ月から6ヶ月で設定されていることが多いですが、何ヶ月で設定されているか確認しておきましょう。
サブリース契約を結ぶ前に押さえておきたいポイント
次にサブリース契約を結ぶ前に押さえておきたいポイントを紹介します。
ポイントを押さえておき、自分自身でしっかりと契約内容について確認をすることが重要です。
具体的には下記の内容です。
- 賃料
- 賃料見直しに関する事項
- 免責期間
- 解約条件
- 信頼できるサブリース会社か
それでは見ていきましょう。
その①:賃料
サブリース契約でどのくらいの賃料が保証されるのか確認しておきましょう。
およそ満室時家賃の8割~9割で家賃保証率が設定されることが一般的です。
しかし、不動産管理会社や物件によっても賃料設定が異なりますので、注意が必要です。
また管理会社から提示された賃料が適切かどうか判断するためにも以下のポイントを押さえておきましょう。
- 物件近隣の賃料相場と入居率
- 物件近隣エリアに管理会社が詳しいか
様々な情報を集めたうえで、そもそもサブリース契約が必要かどうか、という事を慎重に判断する必要があります。
その②:賃料見直しに関する事項
2つめは賃料見直しに関する事項です。
契約時の保証賃料はずっと継続される金額ではないことをまず認識しておきましょう。
そのうえで賃料の見直しが何年毎に行われているのか確認することが重要です。
契約時には保証賃料を高めに設定し、賃料見直し時に大幅に値下げを求めてくる可能性もあります。
合わせて賃料の固定期間や値下げの下限額についても把握しておきましょう。
おそらく賃料の見直しをするたびに賃料は下がっていく可能性が高いはずです。
これらの事項を確認した上で、長期的にプラスの収益を確保できるのか確認することをおすすめします。
その③:免責期間
3つめは免責期間です。
免責期間の有無やどのくらいの長さがあるのか、ということはとても重要です。
この免責期間は先程説明したように、入居者を探す期間であるため、家賃収入を得ることができません。
例えば、物件の新築後またはサブリース契約開始後や入居者の退去後に1ヶ月~6ヶ月の免責期間が設けられている場合があります。
高い家賃が見込める新築時や空室となる退去後に家賃保証を受けられないのは物件オーナーにとっては都合が悪い制度です。
想定していた収益が得られずローン返済に困ることが無いように、免責期間について確認しておきましょう。
その④:解約条件
4つめは解約条件です。
サブリース契約を解除する際の条件について確認しておきましょう。
例えば下記の内容です。
- 契約後に解約できない期間
- 解約予告の連絡はいつまでに行えばよいか
- どのような場合に契約を解除できるか
- 解約時の違約金の有無
基本的には管理会社が物件オーナーから物件を借りているという関係性ですので、妥当な理由が無ければオーナー側から勝手に解約することは難しいと考えておきましょう。
また他の内容により解約時には不利な条件になっている場合もありますので、契約前に解約条件をしっかりと確認しておくことが重要です。
その⑤:信頼できるサブリース会社か
5つめは信頼できるサブリース会社かどうか確認しましょう。
サブリース契約を結ぶ不動産管理会社とは長い付き合いになります。
そのため本当に信頼して付き合える相手なのか、慎重に判断する必要があります。
具体的に確認したいポイントは下記内容です。
- 物件近隣エリアの賃貸相場や最新動向を把握しているか
- 安定経営の会社であるか、倒産の可能性は高くないか
- オーナーの気持ちに寄り添った仕事をしているか
- オーナーのデメリットについて説明をしてくれるか
そもそもサブリース会社が倒産してしまえば、賃料や敷金がオーナーのもとに帰ってこないことも理解しておきましょう。
このようなポイントを中心に信頼できるサブリース会社かどうかを判断することが大切です。
まとめ
この記事ではサブリース契約の仕組みやメリット・デメリットなどについて詳しく説明を行いました。
サブリース契約の内容をしっかりと理解し、良し悪しを自分で判断しなければなりません。
入居率が高く維持できそうな優良な物件であれば、サブリース契約は必要ないと判断できるかもしれません。
一方、サブリース契約を結ぶのであれば、サブリース業者は長期間お付き合いするビジネスパートナーとなる存在です。
契約前には、過去の実績や担当者の対応などしっかり見ながら、信頼できる業者か判断することが大切だといえます。
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この記事を書いた人
資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)
地方銀行、不動産会社を経て金融や不動産関連の情報をお伝えするフリーライターとして活動しています。
実務で得た知見を活かして、記事を読まれる方の困りごと解決に役立てられたらと考えています。
逆瀬川勇造
30代男性