といった悩みにお答えします。
本記事の内容
- 不動産投資が難しいと言われる理由①:利回りの種類が多い
- 不動産投資が難しいと言われる理由②:さまざまなリスクの存在
- 不動産投資が難しいと言われる理由③:主たる収益がインカムゲイン
- 不動産投資が難しいと言われる理由④:数十年単位で損益判断する必要がある
「不動産投資は難しい」と耳にして、不動産投資に興味はあっても不安が大きく、なかなか始められないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに、不動産投資は難しい部分もありますが、その理由や対処法を知っていれば回避できることも多いもの。
本記事では、不動産投資を始めるのに二の足を踏んでいるといった方に向けて、不動産投資が難しいと言われる理由や対処法について解説していきます。
これから不動産投資を始めるという方は、以下の記事をご覧ください。
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不動産投資が難しいと言われる理由①:利回りの種類が多い
不動産投資では「利回り」で投資判断することが求められます。
不動産投資が難しいと言われる理由の一つに、この利回りの種類が多く、分かりにくい点が挙げられるでしょう。
ここでは、利回りにどのような種類があるか解説すると共に、「利回りの種類が多い」問題に対処する方法をご紹介します。
表面利回りと実質利回りの違い
不動産投資でよく使われる利回りは主に「表面利回り」と「実質利回り」の2種類です。
例えば5000万円で購入した物件で、年間の家賃収入の見込みが500万円の場合にて考えてみましょう。
表面利回り
まず、表面利回りは以下の計算式で求められます。
表面利回り=年間家賃収入÷物件購入価格×100
この計算式に先程の金額を入れてみると、下記のようになります。
表面利回り=500万円÷5000万円×100=10%
よって、この物件の表面利回りは10%という事が分かります。
実質利回り
次に、実質利回りの計算方法は以下の通りです。
実質利回り=(年間家賃収入-年間諸経費)÷(物件購入価格+購入時の諸費用)×10
表面利回りに比べて、初期コストやランニングコストを反映させており、実際に収益を予想する際の精度を高くすることが可能です。
この例では購入時の諸費用150万円、年間の諸経費が130万円の場合として考えてみましょう。
実質利回り=(500万円-130万円)÷(5000万円+150万円)×100=7.2%
よってこの物件の実質利回りは7.2%で、表面利回りに比べて約3%も低いことが分かります。
その他さまざまな利回りがある
その他にもさまざまな利回りがあります。
利回りなどを見る際には、どのように計算されているのか、何を基準に算出されたのか考えてみましょう。
想定利回り
まずは想定利回りです。
想定利回りとは、物件が満室状態であると想定した家賃収入で利回りを計算します。
想定利回り=満室時の年間家賃収入÷物件購入価格×100
投資用の不動産広告にはこの想定利回りで年間の家賃収入が掲載されている場合がありまるため、注意が必要です。
また、部屋によって家賃が異なる場合でも、その物件で最も高い家賃を元にして満室時の家賃収入を計算している場合もありますので、何を根拠に計算した金額なのかよく考えてみましょう。
キャッシュフロー利回り
次はキャッシュフロー利回り。
キャッシュフローとは年間収入から諸経費やローン返済や税金などを差し引いて残った金額のことで、以下のように計算します。
キャッシュフロー利回り=(年間家賃収入-年間諸経費-ローン返済)÷(物件購入価格+購入時の諸費用)×100
ただ利回りだけをみるのではなく、最後に手元に残る金額を考えることができます。
対処法:まずは実質利回りを把握しよう
単に利回りといっても、さまざまな種類があることをお伝えしました。
中でも大切なことは、不動産投資において、投資判断する際にはまずは実質利回りを把握する、ということです。
表面利回りは収益面のみ、実質利回りは収益から経費を差し引いた際の利回りを計算するものです。
表面利回りは、毎月の家賃さえわかればすぐに計算できますが、実質利回りを求めるには経費まで細かく算出する必要があります。
しかし、表面利回りの数字で収益を期待し、投資を行うと、運用が始まった後の現実との差が大きくなってしまうでしょう。
利回りで投資判断する際には、少なくとも実質利回りまで求めることが大切です。
ここでは、実質利回りを計算するために、どのようなものが経費にあたるか具体的に確認していきたいと思います。
年間の諸経費
不動産投資には物件の購入後も継続的に必要な費用があります。
具体的には下記の通りです。
- 固定資産税、都市計画税
- 賃貸管理料
- 修繕積立金
- リフォーム代
- 修繕費、クリーニング費用
- 電気、水道、ガス代
購入時の諸費用
不動産の購入時には物件価格以外にも費用が掛かることを理解しておきましょう。
- 仲介手数料
- 登記費用
- 融資手数料
- 固定資産税、不動産取得税
- 火災保険、地震保険
これらの費用を正確に算出することで、不動産投資による収益を正確に計算することが可能です。
プロのアドバイスを受けることも大切
費用を具体的に算出するためには、知識や経験が必要となります。
物件を見学する際に、どのように1つ1つ丁寧に経費をシミュレーションしていくと共に、実際に物件を取得する際には、不動産会社の担当者からアドバイスを受けながら進めることが大切です。
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不動産投資が難しいと言われる理由②:さまざまなリスクの存在
不動産投資にはさまざまなリスクが存在し、そのすべてを回避することはできないため、不動産投資は難しいと言われています。
ただし、リスクについて正しく理解し、回避方法を知っておくことで、リスクは軽減できるでしょう。
不動産投資にまつわる代表的な下記のリスクを詳しくみていきましょう。
- 空室リスクや家賃滞納リスク
- 災害リスクや事故リスク
空室リスクや家賃滞納リスク
入居者から得る家賃収入からローン返済などを行うため、入居者が退去したまま、次の入居者が決まらず空室が続く、空室リスクはとても大きなリスクになります。
空室率が高くなり家賃収入が減ることで、収支がマイナスになり、自己資金によって赤字分を補てんする必要がでてきます。
さらに大きな損失をもたらす可能性が高いのが、家賃滞納リスクです。
入居者が家賃を滞納してしまえば、家賃収入が減ってしまいます。
もしも区分マンション投資で1室しか所有していない場合であれば、家賃収入はゼロになります。
入居者に支払う意思はあってもお金が無い場合や、そもそも支払う意思が無い場合など、対応に苦労するでしょう。
数ヶ月の滞納実績を確認した上で、訴訟を起こし、強制的に退去させることができた場合でも、かなりの期間の家賃が回収できない上に、訴訟費用などの高額な費用負担も必要になります。
災害リスクや事故リスク
火災により建物を焼失することや、地震により建物が倒壊するリスクがあります。
他にも台風や洪水、竜巻などの災害はいつ起きるかわかりません。
建物に大きなダメージを受けると家賃収入が得られないだけではなく、復旧のための費用が必要になります。
また所有する物件で入居者が死亡する事故リスクもあります。
死亡事故は「孤独死」「自殺」「他殺」の3つに分けられ、事故が発生すると下記の影響が想定されるでしょう。
リフォームでの対応
事故があった部屋では原状回復工事が必要になります。
具体的には壁や天井、床の張替えや清掃などを行わなければなりません。
入居者の一斉退去
入居者が死亡すると、同じ物件に住む他の入居者が一斉に退去する可能性があります。
もしくは入居者から家賃を下げるよう交渉があるかもしれません。
資産価値の下落
事故が発生すると心理的瑕疵物件となり、賃貸や売買時には告知する義務が生じるため、入居者を再度募集する際に今までの家賃では入居者を確保することができなくなります。
大幅に賃料が下落してしまい、家賃収入が少なくなってしまいます。
災害や事故が起こる可能性はさほど高くありませんが、ゼロにはならず、一度起こると大きな損失が生じやすい点が特徴です。
対処法:リスクを把握して適切に対処する
それぞれのリスクを把握して、リスクの内容ごとに適切に対処する必要があります。
空室リスクに対しては、賃貸需要が高い立地にある物件を選ぶ、入居者を獲得するのが得意な賃貸会社を選ぶ、などの対処をすることでリスクを下げられるかもしれません。
また、家賃滞納リスクに対しては、賃貸管理会社に入居時の審査を厳しくしてもらい、家賃滞納の心配がない人か自分でも入居者の確認してみましょう。
また家賃保証会社への加入を入居の条件とする方法も、リスクを下げるために効果的です。
家賃保証会社は家賃の延滞が発生すると、延滞分の家賃を代わりにオーナーへ支払い、入居者への取り立てを行います。
家賃保証会社へ支払う手数料も入居者が支払いますので、オーナーの負担が無い点も魅力的です。
災害リスクや事故リスクに対しては保険へ加入することである程度の金銭的な保証を受けることが可能です。
火災保険に特約を付保することで、事故の際にも保険金が受け取れる場合がありますので、入居者の年齢など把握した上で、加入を検討してみましょう。
また複数のエリアに分散して物件を持つことで、災害時のリスクを分散することができます。
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不動産投資が難しいと言われる理由③:主たる収益がインカムゲイン
不動産投資で受け取る収益は「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2種類です。
「インカムゲイン」は物件を保有することで継続的に受け取れる利益、つまり家賃収入のこと。
また「キャピタルゲイン」は保有していた物件を売却することによって得られる売却益のことをいいます。
不動産投資の主たる収益はインカムゲイン
不動産投資の主たる収益の柱は株式投資やFXと異なり、インカムゲインです。
つまり、インカムゲインを毎月の家賃収入で得ています。
所有している物件の入居率を高めるなどの努力を行い、毎月安定的に得られる家賃収入でしっかりと収益を上げられることが重要です。
キャピタルゲイン狙いは初心者には難しい
不動産投資ではインカムゲインとキャピタルゲインの両方で収益を上げることができますが、キャピタルゲインを初心者が狙うことは難しいでしょう。
キャピタルゲインを得るには不動産を安く購入し、高くなった時にタイミングよく売却し、利益を出さなければなりません。
いつでも取引できる株式投資やFXと異なり、不動産投資の場合、売りたいときにすぐに売れるわけではありませんので、注意が必要です。
また、購入時や売却時にそれぞれ大きな額の手数料がかかることもあり、初心者にはどのくらいの利益が出るのかも予測がしづらく、手数料や経費を含めると利益が出ないこともあるでしょう。
またキャピタルゲインを計算する際には購入時の金額から減価償却の累計分が除かれるため、税金の計算も複雑になります。
そのため初心者が始めからキャピタルゲイン狙いで不動産投資を行うことは難しいでしょう。
対処法:購入時から出口戦略をしっかり練っておく
不動産投資はインカムゲインとキャピタルゲインのバランスが重要ですので、物件を購入した時から売却までの出口戦略をしっかりと練っておくことがとても大切です。
不動産投資は物件を売却して終わる場合がほとんどですが、トータルの収支で利益を得られていれば、投資は成功と言えるでしょう。
つまりインカムゲインとキャピタルゲインのどちらかがマイナスでも、もう一方がそのマイナスを上回るプラスになれば成功です。
そのため、いかにうまく物件を売却できるかというキャピタルゲインまで見据えた計画が必要になります。
不動産投資の出口戦略については、不動産投資は出口戦略が重要?最適な売却タイミングと物件取得時に押さえておきたいポイントで詳しく解説しています。
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不動産投資が難しいと言われる理由④:数十年単位で損益判断する必要がある
不動産投資は中長期で損益を判断する必要があり、数十年後でなければ投資が成功だったのか、失敗だったのか分かりません。
不動産投資は短期間で大きな利益を得られる投資ではなく、あくまで長期的な投資が前提になると考えておきましょう。
その間に金利や税制が変わる可能性や物件周辺の状況が変わる可能性もありますので、運用中も常に情報を得ながら、投資を行いましょう。
購入後の一定期間は投資額の回収
不動産投資はローンを組んで物件を購入することが一般的なため、家賃収入からローン返済額や経費を差し引いた金額が収益となりますが、まとまった収益は得られません。
そのため、物件購入後の一定期間は投資額の回収期間となります。
しかし、空室率が高くなると、自己資金からの手出しが必要になり、短期的にみるとマイナスのキャッシュフローとなる可能性があります。
年数が経つ内に情勢が変わることも多い
長期的な運用を行っていく中で、家賃相場や金利、税制度など情勢は変化していく可能性が高いでしょう。
そのため不動産投資に関わる分野において、常に最新の情報を把握しておくことが重要です。
また、物件周辺の状況が変わることもあるため、注意しましょう。
例えば、その地域の賃貸需要を支えていた近隣の大学や大企業、工場などが移転することにより、賃貸物件の需要が大きく下がり、空室率が高まることなどがあります。
対策:購入時から長期的な視野を持つことが重要
不動産投資は長期的な運用になると考え、物件を購入したときから長期的な目線を持つことが重要です。
一部で短期間での売買を繰り返し、売却益を得る投資を行う投資家もいますが、豊富な情報と資金力を元にした投資法ですので、初心者には不向きな投資法です。
そのため初心者は特に長期的な運用で収益を出すことを考えましょう。
まとめ
本記事では不動産投資が難しいと言われる理由や対処法について詳しく説明をしてきました。
不動産投資について、しっかりとした知識を身に付け、情報を収集することでそこまで難しいと感じることはないのではないでしょうか。
ただし、不動産投資は長期的な投資になるため状況の変化にさらされることや、多少のリスクを背負い続けることを理解しておきましょう。
不動産投資は短期で大きな利益を出すことは難しいですが、安定した運用をしやすいことが特徴です。
不動産投資に興味がある人は是非他の記事も参考にして多くの知識を身に付けたうえで、始めの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
これから不動産投資を始めるという方は、以下の記事をご覧ください。
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この記事を書いた人
資格:宅建士、FP2級技能士(AFP)
地方銀行、不動産会社を経て金融や不動産関連の情報をお伝えするフリーライターとして活動しています。
実務で得た知見を活かして、記事を読まれる方の困りごと解決に役立てられたらと考えています。
逆瀬川勇造
30代男性